記念イベントで石見神楽の奉納など企画
(写真は令和元年12月22日の里帰り奉納)
印南町は、切目王子跡が昨年、国史跡「熊野参詣道・紀伊路」に追加指定されたのを受け、11月に記念イベントの開催を計画している。全国で確認されている切目王子神社分社の関係者らを招き、同神社に縁の演目がある神楽上演や大学教授の基調講演を予定。国史跡指定の記念碑設置も行う。来年度は同神社を含む町内4王子をPRするため謎解きをしながら4王子を巡る「謎解き周遊ツアー」も企画しており、町は「歴史的にも価値ある切目王子を広くPRし、観光資源につなげていきたい」としている。
切目王子は九十九王子の中でも格式の高い五体王子の一つで「中右記」「熊野御幸記」「平家物語」「平治物語」「太平記」など多くの文献にその名をとどめている。昭和38年に県文化財(史跡)に指定されていた王子跡は、昨年11月に日高町の鹿ヶ瀬峠、みなべ町の千里王子跡などとともに国史跡に指定された。
町は、国史跡指定を記念し、記念碑の設置やイベントの開催を計画、9日開会の3月議会に提案の一般会計予算に事業費515万6000円を計上している。
イベントの詳細は実行委員会を設けて決めるが、計画では11月11日、12日に、福島県南相馬市、神奈川県横浜市、愛知県東栄町、高知県大豊町などで確認されている切目神社の分社関係者や切目神社縁の演目がある島根県と愛知県の神楽関係者らを招いて開催。11日は切目王子神社に参拝、神社境内で神楽を奉納。12日は町体育センターで二松学舎大学の山口聡子教授の基調講演のあと、神楽を上演。神楽は日本遺産に登録されている島根県石見地域の伝統芸能「石見神楽」の西村社中(浜田市)と高津社中(益田市)、分社「きるめの王子」がある愛知県東栄町霜月神楽。石見神楽の両社中はこれまでも印南町で上演しているが、霜月神楽は初めてとなる。
分社の調査や切目王子社旧跡地を「切目懐紙なぎの里公園」を整備するなど切目王子を中心に切目の歴史学習に取り組んでいる地元有志でつくる「うらしま会」代表の寺下鎮雄さん(78)は、分社関係者との再会を楽しみにしながら「国史跡指定を機に広くPRし、多くの人が訪れてくれるようになればうれしい」と話している。
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