山本校長から卒業証書を受ける卒業生(日高高)
卒業生の角さんが答辞述べる(紀央館高)
県立高校各校で1日、卒業式が行われた。コロナ禍、文部科学省は去る2月10日、卒業式におけるマスクの取扱いについて、児童生徒と教職員は式典全体を通じてマスクなし、来賓や保護者等はマスク着用を基本的な考え方として示し、各都道府県教育委員会等に通知。それを受け県教委も各校に文科省の対応に沿った通知を出したが、実際の式では、出席者の大半がマスクを着用して臨席した。卒業生は、高校生活を休校からスタートさせ、学校行事等でさまざまな行動制限を受けるなど、コロナ禍の影響を大きく受けた世代。それでも、できることを工夫しながら積み重ねた3年間の青春の思い出を胸に、晴れやかな表情で学び舎を巣立った。
日高高校
全日制本校の卒業式は体育館で行い、普通科189人(男100・女89)、総合科学科39人(18・21)が卒業した。
胸に花を飾った卒業生らは、在校生や保護者、教職員らに拍手で迎えられ入場。卒業生一人ひとりの名が担任教諭から呼び上げられ、両科の代表生徒が山本直樹校長から卒業証書を受けた。
山本校長は「初心忘るべからず」の言葉を挙げ、式辞。「夢を現実のものとするための一つの方法」として、人は周りに育てられ成長することを示した徒然草の一話「能をつかんとする人」を紹介し「私がこれに一つ加えるとすれば『失敗を恐れず挑みなさい』」と続けた。
生徒会長の米田琴葉さんは、卒業生との思い出を振り返り、送辞。「みなさんが卒業されても何があっても前に進み続けることができる後輩でありたい。日高高校のよき伝統を引き継いでいきます。それぞれの場所で自分の輝く場所を築いてください」とエールを送った。
卒業生を代表して原貫太君が答辞。休校から始まった学校生活は当初、クラスの中でも互いを知り合えず大きな距離があったが、球技大会などを通じクラスが徐々に一致団結し、2年生になる頃には固い友情で結ばれたことを回顧。「すばらしい青春を通じ身体的、精神的に成長できたのも、家族や先生方、友達がいつも支えてくれたから」と深く感謝し「新たな世界に目を向け果敢に挑戦していこうではありませんか」と仲間たちに呼びかけた。
紀央館高校
午前9時30分から体育館で挙行し、保護者や教職員、来賓の拍手に迎えられ卒業生156人(普通科117人・工業技術科39人)が入場。
国歌、県民歌、校歌を静聴し、久原享校長がクラス代表者に卒業証書を授与。式辞でコロナ禍の中頑張った生徒たちを激励し「これからは新しい変化に対応できる力が求められます。そのために知的好奇心をずっと持ち続けてください。何事にも失敗を恐れず挑戦してください」とはなむけの言葉を贈った。
教育委員会告辞、卒業記念品目録贈呈などに続き、在校生代表の井戸本浩暉・生徒会長(2年)が「紀央館高校で過ごした日々の中で築き上げた知識と努力は、きっとこの先進むための力になると思います」と送辞。
卒業生を代表し角美咲さん(普通科)が3年間の思い出、支えてくれた仲間への思い、教職員や家族への感謝を述べ「これから先、それぞれの道を歩む中でつらいことや壁にぶつかると思いますが、その時は紀央館で過ごしたこと、学んだことを思い出してください。そして、仲間を頼って下さい。きっと道は開けると思います。この3年間で学んだことを胸に刻み、紀央館高校の卒業生としての誇りを持ち新たな一歩を踏み出します」と答辞。蛍の光を静聴し、保護者らの拍手に送られ学び舎に別れを告げた。
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