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紀中地域初 「ひきこもり者SC」来春開設へ  6市町が「ヴィダ・リブレ」に委託 〈2019年12月11日〉  

2019年12月11日 08時30分00秒 | 記事

開設当初の宮西理事長(右から3人目)とメンタルサポーターら


 御坊日高医療圏域の御坊市、美浜町、日高町、由良町、印南町、日高川町が、来年4月から「御坊・日高圏域ひきこもり者サポートセンター事業」を統一実施する予定。ひきこもり者やその家族への訪問支援を含めた相談支援体制を充実させ、社会復帰しやすい環境をつくるのが目的で、実績と経験のあるNPO法人「ヴィダ・リブレ」=宮西照夫理事長、美浜町和田=に委託予定。県内は紀北、紀南で専門支援機関に委託しているが、紀中地域はできていなかった。
 
 ひきこもり状態に陥っている人の早期社会復帰を促すため、御坊日高圏域では従来から検討を重ねてきた経緯があり、市町で社会的ひきこもり者早期社会復帰支援事業を行っていたが、その第一歩となる申請機関が市役所、町役場への相談等としていたため、ニーズはあるものの利用申請が少ない状況から「相談機関を利用したいと思っているものの、申請に抵抗がある人が多い」ということが分かり、圏域の6市町が統一して専門支援機関に事業委託することにした。
 委託先のNPO法人「ヴィダ・リブレ」を圏域のひきこもり者支援の公的機関と位置づけ、相談支援のみでなく、圏域のひきこもり者支援に関する幅広い業務を委託する予定。事業概要は(1)安心して参加できる居場所の提供や社会参加に向けた活動支援(2)ひきこもり者支援サポーター派遣(訪問支援)(3)ひきこもり者及びその家族に対する助言、指導、研修会等の開催(4)他機関が行うひきこもり支援へのスーパーバイズなど。
 国の補助制度を活用し、市町が運営費や人件費等を分担。申請方式ではないので行政機関を通さなくても利用可能とするほか、常勤職員を配置することで開所時間等の拡大機能強化なども検討している。今後の課題として最終、就労につないでいくための就労支援機関との連携、支援者(行政、専門機関、就労支援機関、医療機関等)専門支援機関との連携づくり、効果的な広報などを挙げている。
「ヴィダ・リブレ」は、平成27年12月に開設。ひきこもりの研究を続ける精神科医の宮西理事長らが運営し、ひきこもりとネット依存の研究と相談、共同生活による仲間づくりを目的とした「プチ家出の家」(居場所)の開設・運営、自助グループの集まりや討論会、講演会などの活動を続けてきた。活動を地域に定着させ、継続的に推進し、行政等との連携を深めていくため、平成29年9月にNPOとして法人化した。
 


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