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御坊市藤井グラウンド3年ぶりに水没 〈2018年8月25日〉

2018年08月25日 08時30分00秒 | 記事

日高川増水で水没した藤井多目的グラウンド


 23日夜から24日未明にかけて四国、近畿を縦断して日本海に抜けた台風20号の大雨による椿山ダム放流で日高川が増水し、御坊市の日高川ふれあい水辺公園・藤井多目的グラウンドが水没し、野口の日高川ゴルフ場も半分程度浸水する被害があった。同グラウンドが水没したのは平成27年7月の台風以来3年ぶり。同グラウンドは利用者が多く、防災上重要な施設と位置づけており、市の財政負担がほとんどいらない国の災害復旧事業を活用して原形復旧する方針。
 
 水辺公園は全体で約22ヘクタール(供用分)あり、左岸にオートキャンプ場、ゲートボール場、せせらぎ公園、芝生広場、ゴルフ場、駐車場。右岸に多目的グラウンド、サブグラウンド、駐車場などを整備。平成9年の供用開始以降、目立った浸水被害はなかったが、23年9月の紀伊半島大水害で公園全体が壊滅的な被害を受け、国の災害復旧事業を活用して約3億5000万円をかけて25年3月に完全復旧した。
 その1年半後の26年8月の台風でグラウンドやゴルフ場が冠水し、グラウンドは災害復旧事業で約2000万円かけて原形復旧し、27年4月に再開したが、その3カ月後の台風で再びグラウンド、ゴルフ場が冠水し、グラウンドは災害復旧事業で約3500万円かけて原形復旧し、28年4月に再開した。
 その後は水没する大雨は降らなかったが、今回の台風20号は7年前の台風と似たコースを通ったこともあり、椿山ダム上流で豪雨となり、24日午前3時の2092トンを最高に3~4時間の間で2000トン前後の放流が続き、日高川が増水。その影響でグラウンドは全て水没し、ゴルフ場も川側の5番(グリーン除く)6~9番ホールが浸水した。
 ゴルフ場は大きな被害はないとみられ、水が引いたあと、ふれあいセンター職員らでごみを取り除くなど作業を行い、早ければ来週初めにも再開できる見通しだが、グラウンドについては復旧のメドは立っていない。水が引いたあと被害調査を行い、復旧にどの程度の費用がいるかを算出するが、過去の例で言えば2000~4000万円かかる見通し。
 グラウンドは少年野球やグラウンドゴルフなど年間1万5千人~1万8千人の利用があり、景観美化や防災上も重要な施設と位置づけており、今回も国の災害復旧事業を活用して原形復旧する方針。27年の被害時は復旧費3500万円のうち市の一般財源負担は8万円で済んでいるが、市議会で一部議員から「浸水するところになぜ税金を使うのか」との指摘が出ていた。


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