管内各地でもため池の現状調査が行われている(写真は日高川町)
7月に発生した西日本豪雨を受けて、国が指示しているため池の緊急点検が、先月末から管内各市町でも急ピッチで行われている。管内の1市5町には、県と市町村の対応分を合わせて739カ所のため池があり、このうち下流の民家や公共施設などに被害を及ぼす可能性があるため池242カ所と県対応の188カ所を中心に点検が進められており、市町が実施を判断する小規模なため池を含めれば点検対象は500カ所以上になるという。
農林水産省の通知などによると、西日本を中心に甚大な被害を出した7月豪雨で、防災重点ため池ではない、中山間部の小規模なため池で決壊や一部損壊などが多発し、下流の家屋や公共施設などへ被害を及ぼした。今後の大雨や台風に対する事前の減災に対応するため、全国の農業用ため池の緊急点検を県や市町村に指示して実施している。
防災重点などのため池で、県が対応するのは、管内1市5町で188カ所。最も多いのが御坊市の48カ所、次いで日高川町の42カ所、日高町40カ所、印南町36カ所、由良町17カ所、美浜町5カ所。市町が対応となるため池は551カ所もあり、このうち決壊などで人家や公共施設に影響があると想定される242カ所、さらに1000立方メートル以上の37カ所を含め、県と市町で467カ所が点検され、各自治体の判断で実施する1000立方メートル未満272カ所を含めれば500カ所以上にのぼる。
人家や公共施設に影響があると被害算定されているため池は、印南町が最も多い115カ所、日高町43カ所、日高川町38カ所、御坊市25カ所、由良町20カ所などとなっているが、町面積が県下で2番目に小さい美浜町ではわずか1カ所しかない。一方で町面積が県下で3番目に広い日高川町では県と町対応を合わせて117カ所あり、町の担当課職員らは連日、ため池の現状調査を行っており、堤のコンクリートに亀裂が無いか、漏水や土砂が流入していないかなどの確認作業を行っている。
ため池は全国に約20万カ所あり、約7割は江戸時代以前に築造されるなど古いものが多く、直近約10年間のため池被害は、地震よりも豪雨によるものがほとんどで7割になるという。
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