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かつお節製造に功績を残した印南漁民3人の顕彰碑完成 〈2015年7月22日〉

2015年07月22日 08時30分00秒 | 記事

完成した顕彰碑

顕彰碑をバックに全員で記念写真


 印南町の有志でつくる「江戸時代・印南漁民『顕彰碑』建立会」(坂下緋美代表)が建立中だったかつお節を考案するなど、かつお節に関して偉大な功績を残した江戸時代の印南漁民3人の顕彰碑が完成し、21日に関係者らが除幕式を行った。「後世に伝える」という建立の目的に合わせて地元小学生も出席し、メッセージや踊りを発表するなど式典に花を添えた。

 建立会や町、地元児童ら100人が出席。法被を着たり、3人の漁民の名前を書いたタスキをかけた印南小4年生有志15人が「江戸時代、海で立派な仕事をした印南漁民のことを忘れずに、これからもみんなに伝えていきます」と述べたあと、坂下代表が「顕彰碑を建てることが目的ではなく、碑を建立することによって多くの人が、この印南漁民の偉業を知ってくださったことこそが宝です。この碑を通じて、印南町が全国のかつお節に関係する人々の故郷と思っていただき、気楽に里帰りしてもらえればと思っています。印南の役割はそこにあると思います」と顕彰碑への思いを述べた。
 日裏町長が「印南漁民の偉業に触れ伝承していくためにも顕彰碑をたたえる日を設け、皆が集い、勇気と元気をいただけたらと思う。そして印南町が『かつお節発祥の地』であることを全国に発信していきたい」と祝辞。顕彰碑前で印南漁民の菩提寺、印定寺の叢哲雄住職が祈願供養のあと、顕彰碑や説明板などを出席者が除幕し、最後に印南小児童や町文化協会有志らが「印南音頭」を踊り、顕彰碑完成を祝った。
 顕彰碑は、土佐で活躍し、かつお節を考案したとされる角屋甚太郎、江戸中期に鹿児島県枕崎市にかつお節製造方法を伝えた森弥兵衛、江戸後期に千葉県や静岡県へ製造方法を伝えた印南與一(通称・土佐與一)の3人の偉業を町民はじめ広く知ってもらい後世に伝えようと町文化協会長でもある坂下さんらが建立会を設立し、町民などから賛助金を募るなどして印南漁港内ケ浜埋立地の印南浜公園脇に御坊ライオンズクラブが創立25周年記念事業で平成3年に建てた「かつお節発祥の地」のPR塔のそばに建立した。顕彰碑のほか、説明板を設置、漁民3人の縁の地から贈られた海岸の石も据えらている。


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