瀬戸際の暇人

今年も偶に更新します(汗)

08年、クリスマスには歌を歌おう♪その9

2008年12月23日 23時23分56秒 | クリスマス
はぁい♪ミス・メリーよ♪
いよいよ明日は楽しいクリスマスイブね♪
ケーキに御馳走それからプレゼントの準備は万端かしら?


――3人の娘の居る貧しい貴族が、聖ニコラウスの隣人に居た。
娘達は皆美しい姿をしていたが、生活が苦しいあまり、嫁に出す事も出来ない。
逆に娼婦に出して、その働きで暮そう…そう家の主人が話すのを伝え聞いた聖ニコラウスは、深夜密かに貴族の家の煙突より、金貨数枚入れた包みを投込んだ。
金貨は偶々暖炉に干してあった靴下に入り、そのお陰で長女は無事結婚出来た。
聖ニコラウスは同じ事を2度3度と繰り返し、続いて次女三女も嫁ぐ事が出来たと云う――


以来プレゼントを靴下に入れる習慣が生れた…というのが有名だけど、正直リアリティに欠けて思えない?
百歩譲って1度だけなら、そんな奇跡も信じられそうだけど、3度も続くなんて有るかしら?
もしも真実は違うなら、靴下にプレゼントを入れる訳は、一体何処から来てるんでしょうね?

クリスマスからは外れるけれど、アイルランドには、古くからこんな話が残されているわ。


或る日ジャック・フォックスと言う男が、大鎌を担いで自分の家の大麦畑へ向った。
その途中生垣の向うから、コオロギが鳴く様な物音が聞えたので、不思議に思った彼は足を止め、生垣からそっと覗き見た。
ところが何も見えず、物音もパッタリ止んでしまった。
気のせいかと思い歩き出した途端、再び奇妙な物音が耳に届いた。
今度は急いで薮を掻き分け、その先を直で見た。

彼の足元には、1人のちっぽけな男が、これまたちっぽけな靴型の側に座って居た。
恐らく1文銭ほどの大きさも無いだろう。
男は金の様にピカピカ光る靴を作っている。
男が使っている金槌はピンくらいの大きさしかない。
靴を叩く度に、とんがり帽子が前後に揺れる。
見ている内にジャックは睡魔に襲われたが、しかし彼はこの小さな靴屋から、決して目を離しはしなかった。
目の前に居る小人が「レプラコーン」だと判ったからだ。

レプラコーンから目を離さず居れば、金の壷が在る所に案内してくれる。

母親から聞いた話を思い出したジャックは、大鎌を生垣に立て掛け、もっと側まで這って行った。
「神様のお恵みが仕事の上に有る様に」、ジャックは思い切って小人に声を掛けた。
最初はアイルランド語で言ったが、思い直して英語でも言ってみた。

「有難さん」

それを聞いた小人は、笑いながらアイルランド語で返し、それから英語でも返してみせた。

「今日は暑いな。1杯どうだい?」

小人がスツールの側の水差しに手を伸ばして誘う。
自分の目を逸らそうとしてるのに気付いたジャックは、その手には乗らず尚しっかりと小人を見詰めて尋ねた。

「どんな飲物だい?」
「ハリエニシダから造った最高のウィスキーだ」
「ハリエニシダから造ったウィスキーなんて聞いた事無いな。それはウィスキーじゃなくって蜂蜜酒の事じゃないのか?」
「信じないなら飲んでみろよ。生垣の中に有るコップを取ってくれ」

再び小人が目を逸らさせようと誘うも、ジャックは負けずに凝視し続けた。
それから先も小人は色んな事を言って、ジャックの目を逸らそうとした。

「後ろを向いて見ろよ!お前の牛が野原から逃げようとしてるぜ!」
「気を付けろ!大鎌が首の上に落ちて来るぞ!」
「ウィスキーの他にもビールが有るんだ。不老長寿の妙薬で、代々自分の家に伝わってるもんなんだが、良ければ飲ませてやろうか?」

あの手この手で小人は誘惑するが、ジャックは脇目も振らず見続けた。
「ところでお前の名前は何と言うのか?」とジャックが尋ねる。

「夜と昼と遠い所」
「変な名前だな」
「お前さんだって変な名前だ。ジャック・フォックスなんて。クーリー山脈の巣穴か何処かに棲んでるのかい?」

自分の名前をからかう小人に、ジャックが不審を篭めて尋ねる。

「どうして俺の名前を知ってるんだ?」
「知らない訳無いだろ。お前さんの畑に何年も住んでいるんだから」

ジャックを相手に小人はのらりくらりと会話を続ける。
遂にジャックは痺れを切らして、金の壷の話に触れた。

「俺をお前の金の壷が在る、虹の外れまで連れて行けよ」

それを聞いた小人は彼を嘲笑って言った。

「何を言い出すかと思えば…お前はそんな馬鹿な事を信じてるのか!?」
「いいから、詰まんない話は止めて、俺をそこに連れて行け!」

ジャックは極力恐ろしい顔をして見せ、更なる脅しを口にした。

「素直に喋らなきゃ、家に連れ帰って、フライパンで焼いてやるぞ!」
「分かった!壷の在り処を教えてやるよ!…だけど場所は虹の外れじゃない、付いて来いよ!」

先に立って歩こうとする小人を、しかしジャックは許さず、相手を自分の目の高さまで持上げて、じっと睨み付けた。
そのまま彼に道を指示させ、ジャックは草地を越え土手を登り、葦の茂みに躓きながらも歩いて行った。
小川を跳び越し4つの野原を横切った所で、とうとう広々とした野原に出た。
50エーカーは優に有るだろうか、野原には一面にタンポポが咲いていた。

「そら、あそこだ!」

1輪のタンポポを指差しながら小人が言う。

「あのタンポポの根元を掘るんだ。そしたら金の壷が見付かるだろう。悪いがおいらはもう行かなくちゃ。今夜の大舞踏会に妖精達が履く靴が間に合わなくなると困るからな。もしそんな事になったら、奴らきっとお前さんに復讐するぞ」
「解放してやる前に、金の壷が本当にあのタンポポの根元に在るって誓え!」
「誓って言う、金の壷はタンポポの根元だ。おいらの祖先、全てのマイレジア人に誓って言う」
「よし分かった!じゃあ、もう行ってもいいぞ!有難うよ、元気でな!」
「お前さんこそ元気でな。そして神様のお恵みが有るように!」

解放してやる時ジャックは小人の目に、チラッと何かが過ぎるのを目にしたが、金の壷に気持ちが向いていた彼は、構わずにそこで別れた。

ジャックは靴下を脱いで、小人が指したタンポポの上に、目印として被せた。
それから家にシャベルを取りに行き、顔を合せたおかみさんに自分が遇った幸運を話して聞かせた。
金が入ったら新しい家と納屋と、その他今迄ずっと夢見ていた、素敵な何もかもを手に入れる事を約束し、口笛を吹きながら野原に戻ると、そこには信じられない光景が広がっていた。

思わず驚きとも怒りとも判らない叫びを上げてしまう。
広々とした野原一面に咲くタンポポ全てに、ジャックの靴下と全く同じ色の靴下が被さっていたのだ。

「なんてこった…これでは一生懸けてタンポポの根を掘り返しても、金の壷を掘り当てる事なんて出来ないだろう!レプラコーンの奴め、俺を騙したな!!」

彼の後ろから吹いた風が、野原の靴下を揺らす。
その光景はジャックが初めてレプラコーンを見た時、彼の帽子が前後に揺れていたのを思い出させた。
何百ものタンポポに憎い小人の姿が重なって見える。
タンポポが風に揺れる度、彼の耳には小人の笑い声が聞えた。

項垂れて家に帰ったジャックが、おかみさんに今見て来た事を話すと、彼女はこんな風に言ってのけた。

「でも1つだけ良い事が有ったね。これからはあんたの靴下を編む必要が無いじゃないか!」


…鉱山を見て解る様に、富は土の中に隠されている。
ギリシャ神話で地下の王ハデスは、あらゆる富を貯えてると描かれてるわ。
更に地下に暮す小人は例外無く金持ちとの伝説が残されている。
土が富の象徴ならば、それに触れる靴や靴下を、富の受け皿に考えるのも、理解出来なく思えない?

裏付ける様にニコラウスは昔から地下資源と深い関わりを持たされてるの。
発見した金属に彼の名前が付けられてるのも意味深ね。

聖ニコラウスが現れる以前から、靴や靴下は富を獲得する為のツールだった様に、メリーには思えて仕方ないのよ。

といった所で9曲目のクリスマスソングを紹介するわね。
1947年アメリカでジーン・オートリーが歌いヒットした、これまたポピュラーなクリスマスソングよ。

曲を聴きながら、今日はこれでお終い。
それじゃあ皆、次回も楽しく歌いましょうね♪


                
【サンタが街にやって来る】


さぁ♪ 貴方から♪

メリークリスマス♪

私から♪ メリークリスマス♪

サンタクロース・イズ・カミィン・トゥ・タウン♪

ねぇ♪ 聞えて♪

来るでしょ♪

鈴の音が♪ 直ぐそこに♪

サンタクロース・イズ・カミィン・トゥ・タウン♪

待ち切れないで♪

お休みした子に♪

きっと素晴しい♪ プレゼント持って♪

さぁ♪ 貴方から♪

メリークリスマス♪

私から♪

メリークリスマス♪

サンタクロース・イズ・カミィン・トゥ・タウン♪


さぁ♪ 貴方から♪

メリークリスマス♪

私から♪ メリークリスマス♪

サンタクロース・イズ・カミィン・トゥ・タウン♪

ねぇ♪ 聞えて♪

来るでしょ♪

鈴の音が♪ 直ぐそこに♪

サンタクロース・イズ・カミィン・トゥ・タウン♪

待ち切れないで♪

お休みした子に♪

きっと素晴しい♪ プレゼント持って♪

さぁ♪ 貴方から♪

メリークリスマス♪

私から♪

メリークリスマス♪

サンタクロース・イズ・カミィン・トゥ・タウン♪


クリスマスイブを♪

指折り数えた♪

幼い思い出も♪ 今宵懐かし♪

さぁ♪ 貴方から♪

メリークリスマス♪

私から♪ メリークリスマス♪

サンタクロース・イズ・カミィン・トゥ・タウン♪



…聖ニコラウスの伝説は恐らく後付でしょう。
何処の神話にも靴には魔術的な力が篭められていると出て来る。
元は靴にプレゼントを入れてたのが、時代を経てく内に靴下に入れる習慣に変わったんではと。
靴より靴下のが、入れるのに都合良いでしょうからね~。

毎度ようつべからですが、どうぞ。(→こちら

写真は今年ハウステンボス、ホテルヨーロッパのロビーに飾られてたお菓子の家。
…そういや船着場に林檎泥棒サンタ、復活してましたね。

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