瀬戸際の暇人

今年も偶に更新します(汗)

銀河漂流バイファム感想その9

2008年11月21日 21時45分12秒 | 漫画&アニメ
マキ・ローウェル……2046年11/15生まれ、(放送開始時は)12歳、B型。(↑)
トレードマークの帽子で長い金髪を隠した、一人称は「あたい」の姉御肌な少女。
しかし実は料理上手で物語中クレア・ペンチと共に台所を一手に引受けてた印象が有る。
それでいて戦闘にも参加、主にパペットファイターと言う小型戦闘機を操縦していた。
コンピューターは3つの時から勉強していてレベル4の腕前、カチュア・フレッドと並ぶ有能オペレーターでもある…なんかこう書いてると欠点が見付からんなぁ。(笑)
良いトコで一言が有る点と変に女の子してない振る舞いから女の子ファンに大人気、一方意外に家庭的な点と出しゃばらずに自分の仕事を堅実にこなす点から男の子ファンにも大人気。
1番最近に行われた公式人気投票でも、ロディに続いて2位だった。
漫画家の真鍋譲治氏や眠田直氏が彼女の大ファンだと公言、自作品にパロったキャラを登場させたり…アニメ『サイバーフォーミュラ』のキャラデザを担当した吉松孝博氏も好きだったのか、「城之内みき」なる似たキャラを後年登場させている。
兎に角活躍が地味な割りに(だからか)物凄い人気だった。

後半バーツと好い仲になってからは、急に言動が女の子っぽくなった。
趣味の音楽はクラシック。



★第31話「みしらぬ星ククト」脚本○ 演出○ 作画○ 総合○

3人を乗せるカプセル(ドッキング・カーゴ)は、無事ククト星の海に着陸した。
だがバイファムに乗るロディが目覚めた時、ケンツとカチュアが乗るトゥランファムは姿が見えなかった。
恐らく途中で投げ出されたのだろう…慌てて付近を捜すロディ。
幸い2人の乗る機体は、着陸した海に程近い、砂漠に埋っていた。
早いトコジェイナスに合流しようと、2人が目を覚ました所で直ぐに出発する。
既に敵軍は着陸を察知してるに違いない――事実数機が確認に現れた――ジェイナスが着陸した位置を知ろうにも無線で通信するのは危険である、仕方なく3人は足で捜す事にした。
砂漠を越える際、トゥランファムの調子がおかしいとケンツが告げる。
どうやら砂漠に埋った時、機体に砂が詰まったらしく思われた。
仕方なくケンツと交替し、カチュアと共にトゥランファムで行くロディ。
憧れのバイファムに乗る事が出来てケンツは大喜びだ。

ケ「だけど調子がおかしいトゥランファムを上手く操縦出来るのかー?」
ロ「バァカ!俺は腕でカバーするんだ!」

とケンツに強がって言うものの、やはり普段の調子では進めない。
途中出くわした泉で3人は休憩する事にした。
清流を目にしたケンツが渇きを耐えられず口に含む。
その瞬間ロディが大声で止めた――止せケンツ!毒が有るかも!!
ジェダの「ククト星に無事住めるか、地球人をモルモットにしている」という言葉が、ロディの頭には残っていた。
そんな彼にカチュアも同意し、泉の傍の木に生る果物を指して言う。
「此処は見知らぬ星…用心するに越した事は無いわ。ああいう如何にも美味しそうな物ほど危険よ」と。
既に口にしてたケンツは、2人の意見を聞いて蒼褪める。
さりとて「実は飲んでしまった」とは言えず、その後の彼は生きた心地無く居た。

食事を済ませて出発、森を抜けて行く途中で、3人はククトニアンの捕虜収容所を発見する。
探検したところ中は無人…しかしかつては人が住んでいた形跡が残っていた。
机の上に転がる地球には無い果物、それを目にした途端、ケンツは2人に叫んだ。
「これ泉の傍の木に生ってたヤツと同じだ!…ひょっとして食べられるんじゃねェの!?」

「ククトニアンだっておんなじ人間だろ!?さっきの泉だってそうさ!奴らだって水を飲まなきゃ生きていけないんだ!!」

「今その証拠を見せてやる!」、そう言うとケンツは、部屋の隅に在る水道の蛇口を捻り、水を飲んでみせようとした。
そんな彼をロディが止め、代わりに口に含む…結果安全に飲める事が判った。
となれば食べ物も口にして安全だろうと、ケンツは果物を山の様に機体に運び込む。
更に3人は森の中で、船に在る遺跡と同じ物を数体発見した。
不思議にもそれらは穴ぼこだらけだった。
ジェダの話では遺跡には「死んだ星を蘇らせる力」が有るらしい、だとしたらククト星は過去に1度死んだのだろうか?…しかしロディ達が目にしたククト星は、砂漠は拡がっていても、緑と水が美しい惑星に思えた。

収容所を後にして森を進んでく内、ロディ達はジェイナスの1部を発見する。
だがその周りをククトニアンの部隊が取囲んでいた。
部隊を指揮してる者の顔を見てロディは驚く――それはタウト星で遇ったあの時の男だった。
急いでその場を離れようとして、ケンツが根っ子に蹴躓きコケてしまう。
その際セーフティを外したままにしていた為、ケンツの持っていた銃が発砲、敵に気付かれてしまった。
襲い来る敵の部隊を相手に、バイファムに乗って戦うロディ。
ケンツとカチュアもトゥランファムに乗って出撃しようとするが、調子が戻らず中々起動出来ない。
まごまごしてる内に、追い詰められるバイファム。
相手の男の正体は「シド・ミューラァ」と言う名の、ククト第3軍(長いので中略)特務別動隊指揮官少佐だった。
間一髪やられる間際でトゥランファムが漸く起動、不意を衝いて撃った銃弾が相手に当たり、バイファムはミューラァの機体から逃れる事が出来た。

危機を逃れたロディ達は、その夜森でキャンプを張った。
ジェイナスの一部をこの近くで発見したという事は、自分達の進む方向は間違っていないのだろう。
カチュアと2人焚き火を囲み話していた時だった…ロディは毒虫に指を噛まれてしまう。
慌てる彼の指を咥え、懸命に毒を吸い出すカチュア。
含んだ毒が回ってよろける彼女を、ロディが抱き止める。
至近距離で見詰め合う2人。
そこへ騒ぎを聞き付け、ケンツがテントから出て来た。
思わず焦り、彼女から身を離すロディ。
殺虫剤を撒いて回るケンツを他所に、彼はカチュアが手当てしてくれた指を、じっと見詰めていた……。


(感想)…最初の頃子供達にとって異星人は化物だった。
メカに乗ってたせいで顔が見えず…所が中に自分達と同じ人間が居る事を知った。
更に地球人と同じ様に食べて寝る事も…何より自分達の傍に居るカチュアは、自分達と全く変らない感情を持った人間。
そやって段階的に異星人の正体を明かしてく演出が素晴しい。
ケンツの言葉は無意識で出たもので、本人気付いてないでしょう。
けれど無条件に「敵」と呼んでいた彼だからこそ、発言のインパクトはでかい。
ケンツにそう言われて、心の奥底に有った差別意識に気付かされるロディとカチュアの表情が印象的。
カチュアですら異星人は怖い存在と意識してたんだなと…当り前ですが。
相手に対する理解の無さが違和感と恐怖を生み、そして差別が起きる。
……物凄く奥深いストーリーだと思う。

他細々と気が付いた点――

寒さに震えるカチュアに、自分の上着を着せてやるロディ…引き続き天晴れなフェミニスト振りである。(笑)
それでカチュアからお礼を言われて照れるロディが微笑ましい。
上着を脱いだ下が初期から較べると逞しく変ってて成長を感じた。
実は後半ロディだけキャラデザし直したそうで、髪型等細かい点が変更されたんですよ。
格好良く描く事で視聴者に主人公が誰かを判らせようとしたのかも。
ロディの言った「頭の黒い鼠には気を付けないと(笑)」…最初の命名者はクレア、すっかり摘み食いの常習者らしい。(ペンチ曰く「ロディさんも一緒」だそうだが)
カチュア作の防寒マントはこの後クルー全員に利用される…しかし器用だな~。

この回でカチュアとロディが急接近するのですが、それはこれ以降カチュアが物語のヒロインに就く事を暗示してると言いますか…。
放送前はクレアがヒロインの様に紹介されてたんですよね~。
ロディと仲良く手を繋いでるイラストが雑誌に載ってたりしたし。(笑)
この件についてはカチュア紹介時に、また改めて。


・第32話「雨あがりの再会」脚本△ 演出○ 作画△ 総合○

明くる朝、トゥランファムの応急修理を終えたロディ達は、再びジェイナスを捜す旅に出発する。
その途中、彼らはククトニアンの古い博物館の跡を見付けた。
館内に展示された太陽系や地球の模型を発見し、ロディはククトニアンが太古の昔から、地球人の存在を知っていた事に驚く。
一方同じく博物館を探検してたケンツは、天体見本を悪戯していて、結果底無し沼に嵌る騒動にまで発展してしまう。
焦ってもがくケンツをカチュアが宥めている間に、ロディがロープを使って無事救出、その際彼らは沼近くにジェイナスの破片を発見した。
たが破片に導かれてミューラァの部隊が再度接近、慌ててRVに乗込み物陰に隠れたものの、ケンツが音を立てた為に敵軍に発見され、またも激しい攻撃に曝されてしまう。
調子の戻らないトゥランファムを逃がそうと、囮を買って出るロディのバイファム。
しかし2人は意見に従わず、ロディと共に残って戦う姿勢を見せる。
激戦が繰り広げられる森に、雨が激しく降り注いだ。
バイファム(ロディ)がデュラッヘ(ミューラァ)と対決してる頃、トゥランファムは先刻ケンツが嵌った沼で、敵機を相手に格闘していた。
苦戦の果てポッドで脱出し、敵機を倒したケンツとカチュア。
一方バイファムは敵の猛攻を受けて逃げ回るのがやっと。
撃たれる事を覚悟した所でミューラァは突如攻撃を止め、何かを追う様に飛び去って行き、お陰で助かったロディは、相手に較べて己の力の無さを痛感するのだった。

雨が上った空の下、尚も捜索を続ける3人。
暫くして崖向うに見覚えの有る旗が見えた。
目を凝らせば、それはケンツのマークである熊の絵と、シャロンの苺パンツ――ジェイナスの皆が3人に判るよう揚げた目印だった。
飛行する3人の後方から、ネオファムに乗ったバーツが、泣きながら声をかける。
見下ろしたそこには、スコットやクレアやマキやペンチやシャロンやジミーやマルロやルチーナやフレッドが手を振っていた。
全員欠ける事無く揃った顔に、3人の目も涙で潤む。
こうして再び13人は一緒になった……。


(感想)…ぶっちゃけ集合するまでの繋ぎ話だなと。(笑)
大玉に追い駆けられたり底無し沼に嵌ったりと、インディー・ジョーンズばりにトラブルに見舞われるケンツに笑った。
何故ケンツがロディ側に付かされたかが良く解る、彼が居なけりゃさぞや時間を持余したろう。(笑)
子供時分は「こいつさえ居なきゃ、皆危ない目に遭わずに済むんじゃん?」と考えたりしたけど…大人になった今なら解る、居なかったら話が進まない事に。

ロディVSミューラァのシーン…ロディの「早い!!」には爆笑。
一瞬ロディがアムロに、ミューラァがシャアに見えたよ。(バックにイメージソング流れるし)
主人公のライバル登場も、スポンサーを意識しての梃入れかと…TVアニメの制作は大変だ。(苦笑)

この回で沼に嵌ったトゥランファムは、結局そのまま放棄されたらしい。
その後ケンツが乗ったのは別のトゥランファムだそうで…恋人だって言ったくせに(あ、言ったのはロディか)…散々乗り回しといて即捨てるなんて酷いわ軍曹。(←微妙にヤバイ表現)


★第33話「さよなら愛しの船」脚本○ 演出○ 作画○ 総合○

離れ離れになっていた3人を大喜びで迎えるジェイナスクルー。
無事な到着を祝い、キャプテンのスコットがロディと固い握手を交わす。
食事当番だったフレッドも、泣きながら兄に抱き付いた。
暫くはお互いの再会を喜び合う面々。
ジミーとカチュアはシャワールームの壁越しに、互いを心配して居た事を静かに語り合う。
シャロンも憎まれ口を叩きつつ、ケンツの痛んだ靴を直してやる。
「しかし何だね~、お前が来たとなると、此処も煩くなりますな~」と彼女が言えば、「それはこっちの台詞だぜ!」と彼が返す。
それでもケンツは彼女のパンツのお陰で此処に辿り着けたと感謝した。
それを聞いた彼女は笑って言う、「大変だったんだぜ~アレ!敵が近付く度に揚げたり下ろしたり!」と。
修理した靴は底から釘が突き出ていて、履いたケンツは一際高い悲鳴を上げた。

シ「あ、やっぱり出てた?悪ィ悪ィ♪」

その頃ロディはスコットとバーツに案内され、ジェイナスの中の様子を検めていた。
船内は真っ暗で手探りで進むしかなく、破損したそこかしこから、着陸時の衝撃の凄まじさが伝わって来た。
「酷いな…」、呆然と呟いたロディに、スコットとバーツが言う、「それでも運の良い事にボギー(コンピューター)は未だ生きてるんだ!」
ブリッジに集まった3人は今後どうするかを話し合った。
スコットとバーツは、ロディ達と逸れてる間に、探査ロケットを使って、遺跡と似た周波を発するダミーを、あちこちに撒いた事を話した。
それを聞いたロディは、謎の男(ミューラァ)が何故突然攻撃を止め、飛行物体を追ってったかを知る。

ス「だが時間稼ぎも長くはもたない。全員が揃った以上、明日にでも此処を発とうと思う」

スコットが船から降りる決断をし、その日の夕はジェイナスとのお別れパーティを開く事になった。
女子達がご馳走を用意してる間、ロディはミューラァとの戦いの経験から盾の必要性を説き、バーツと共にジェイナスの外壁を切り取ってRV用の盾を製作する。
出来た盾を試そうと、2人早速RVに乗込み訓練していたそこへ、スコットが敵軍の襲来を告げた。
直ちに応戦するロディとバーツ、実戦の結果、盾の有効性は大いに実証された。
しかしこの時倒した偵察隊が交信を絶ったのが元で、ジェイナスはミューラァに位置を掴まれてしまう…。

ジェイナスで過す最後の夜は、格別盛大で楽しいものとなった。
未成年ながら酒を飲み、腹いっぱいにご馳走を食う。
ステージの上ではケンツとジミーとフレッドが、ビキニ姿でダンスショーを披露する。
皆が思い思いに楽しい一夜を過ごした後、スコットとバーツとロディはブリッジでボギーに向い、今迄世話になった礼を告げた。

「ドウイタシマシテ!ミナサンノタノシイゴリョコウノドウチュウガ、アンゼンデアルヨウイノッテマス!」

3人へのボギーの返事は、最後までコンピューターとしてのものだった。

翌朝早くに子供達は出発した。
スコットが皆を乗せてトラックで走り出す。
コンテナにはクレアド星の遺跡も積んであった。
その後にジープに乗ったマキが、それぞれのRVに乗るロディ・バーツ・ケンツ・カチュアが続く。

――有難う、ボギー!!

他の皆が何時までも名残り惜しそうに愛しい船を振り返る中、リーダーのスコットだけは前を向いて先を目指す。
両親達が居る筈の収容所を目指して……。


(感想)…先ずタイトルで泣けた。
ワンピースに嵌った後で観ると、メリーとの別れに重なって尚号泣。
てゆーかジェイナスの構造ってサニー号に似てる気がするんだが…28話のラストでロディが敵に囲まれてると勘違いしスコットが突撃するシーンからは、ドラム編で敵兵の格好したゾロを見て勘違いし突撃するロディを想起したし…両作品のテイストって何処と無く似て感じられるんすが、尾田先生ひょっとして子供の頃観てたんじゃないかと。
ロボットアニメが好きだったらしいし…観てても不思議じゃない年代なんすよね~。

それはさて置き(汗)、この回見せ場だらけで、挙げるのが追付かない。
兄弟の涙の再会に茶々を入れるバーツが良い…ナニってナニの事ですかね?やっぱ。
壁越しに再会を喜び合うジミーとカチュアも良い…「ずっと心配してたのよ」、「えへへ、僕も…」だけの会話が2人らしい。
ジミーがハーモニカで吹く曲、凄く好きでした。
対照的に憎まれ口を叩きながら居るケンツとシャロンが楽しい。
心配してても口には出さず、けど林檎を渡したり靴を直してやったり、さり気に気遣ってくれてる。
ところが釘が出てて、「あ、やっぱり」っつうオチには爆笑、そんなシャロンが好きだ。(笑)
食事の手伝いに参加せず、ロディとバーツの盾造りに付き合うのも彼女らしいっすね。
勿論ケンツも参加してて、お陰でフレッドが兄貴に言われ、食事の手伝いに駆出される破目に…「何時もこうなんだから!」とむくれるフレッドが可愛い、日常が透けて見える台詞です。(笑)
その間スコットはリストを見ながら、必要な物資の点検をしてる。
ラストで独りだけ前を向いてたのも含めて、後半の彼は真に頼り甲斐の有るリーダーだった。
彼が感傷に流され決断を遅らしてたら、ジェイナスは敵に包囲されてた訳だし。
パーティでのそれぞれの描写は本当に楽しく…ヤバイと言いながら、バーツにビールを注がれて「おい!泡を立てるな!」と文句を言うロディとか。(←前科有り有りだな、お前)
「おひとつどーぞ!イケル口なんでしょ?あなた」、「ややこれはどうもごてーねーに!」と、ままごと遊びしてるルチーナ&マルロなんて可愛いったら。
一緒になって羽目を外してるフレッドは意外だったが、彼だってやんちゃな年頃の男の子なんだなと。
そしてボギーとの別れ、前夜の3人との対話もしんみりしたけど、全員が「有難う!ボギー!」と言った後、無人になるブリッジのシーンには泣いた。
「ウェルカムホーム!ミスター・バーツ!」、「サンキュー、ボギー!」なんて会話をちょくちょく聞いてたから、観てる側としちゃ、すっかり14人目の仲間と認識してた。
けど彼女は感情の無いコンピューター、皆居なくなった後も警告発したりしてるのかと想像すると…涙で曇って前が見えなくなる。(号泣)

にしてもジェイナスが突入・着陸した衝撃って相当だったろうに、直ぐには敵に位置を感知されなかったって凄い。
ドッキングカーゴは即発見されたのに…。(笑)


・第34話「ククトを探索せよ」脚本△ 演出△ 作画△ 総合△

深夜、ジェイナスは敵軍に囲まれ、ボギーが警告を発する。
だがそれを聞く者は既に無く、直後船はミサイルの雨を浴びた。
機体から降りた兵の中にはミューラァの姿が――
ロディ達が出発した日の夜、敵の部隊は遂にジェイナスを発見したのだ。
しかし船は無人で、全てのデータも封印された後だった。
船を調査したミューラァは僅かな差で逃してしまった事を知って、悔し紛れにコンピューターを徹底的に解析するよう命令を下す。
その頃、スコットはジェイナスが敵の手に落ちたのを感知していた。

翌朝子供達は一先ずジェダのグループとの合流を目指して出発した。
彼らからなら捕まってる両親達の情報を得られるかも…そう判断しての事だ。
トラックを運転するスコットの隣には、幼い2人を抱いたクレアの姿。
2人が喋る会話を耳にして、目を覚ましたマルロが、「昨日の夜『ばってん』みたいな形をした船が飛んでるのを見た」と話す。
それは政府軍が新たに開発した巨大軍艦だった。

その頃軍部に戻ったミューラァは、新たに装備された巨大軍艦を確認し、満足げに顔を綻ばせていた。
「これさえ有れば、逃げてる地球人だけでなく、地下に潜む反乱分子共も、即座に一掃可能だろう…!」
意気上がる軍部の滑走路に、怯えて隠れる子供4人の影が…。

その夜ロディ達は道中でキャンプを張り、和気藹々と夕飯を食べていた。
食事の席でマルロ&ルチーナから、何時両親に会えるか尋ねられたスコットは、思わず口ごもってしまう。
「明日には会えるさ」と笑って誤魔化すスコットに、バーツは敢えて厳しい顔で言った。

「それは保証出来ないな…小さい子供だからって誤魔化さない方が良い。けど必ず捜し出そうと、皆一生懸命頑張ってる。だから今は安心して飯食って寝てろや」

小さい子供相手だからといって、態度を誤魔化さないバーツに、マキは密かに感心していた。

翌日トゥランファムで偵察に出たバーツとマキは、ククトニアンの廃虚を発見する。
マキから昨夜の態度を褒められたバーツは、そこで彼女に自分の家庭の事情を話した。
バーツの実母は彼が幼い頃に亡くなった。
その後再婚した父が新しい母を連れて来たが、彼はその人を自分の母親とは認めなかった。
両親との確執から荒んだ生活を送っていたバーツは、或る日事故で大怪我をして大量の輸血を必要とした。
その時自分の血を提供してバーツを救ったのは、彼が母と呼ぶ事を拒否していた人だった。
だがその代償に彼女は、腹に宿った新しい命を、諦めるしかなかった…。

バ「再会したら、今度こそ彼女を『母さん』と呼ぼうと思っているんだ…」
マ「きっと喜ぶと思うよ…その人!」

しみじみ昔話をしてたそこヘ、敵の新兵器が襲って来た。
不意打ちに苦戦するも、救援に駆けつけたロディの助けで、何とか敵を撃退する。
戦闘中に怪我を負ったバーツを手当てしてやるマキ。
消毒が沁みて悲鳴を上げる彼を、マキは母親の様に叱るのだった。

「男の子でしょ!」


(感想)…繋ぎ話とは言え、前半のキャラ描写は丁寧。
ペンチとフレッドのあまりの熱々ぶりに年下のジミーまでも遠慮するシーンとか(笑)、マルロ&ルチーナが横に居るお陰で夫婦にしか見えないクレア&スコットとか、ケンツを上手い事煽てて居残らせるバーツとか、マキとシャロンの会話なんかも聞いてて楽しい…この時の会話は後に伏線として活かされるんだ実は。
伏線と言えばこの後出会うククトニアンの子供達が既に登場している。
問題は後半…突如馬鹿ップルと化したバーツ&マキには慄いた、「バカバカ!バーツのバカ!」って…。(汗)
ED観る限りバーツとマキがくっ付くのは規定路線だったんでしょう、ところが此処まで2人だけの絡み殆ど0、むしろロディとマキのが多かったし、スタッフとしちゃ焦ってたのかもしれない。
某雑誌で「手垢の付いた」と評されたバーツの過去設定含めて、やるならもちっと粋で自然な展開を用意して欲しかった。
「だからこそ想像の余地が有るんじゃん」と思われる方もいらっしゃるでしょうが、それって話に穴が有るって証拠ですぜ。(笑)
これ以降マキは急に女の子っぽく変りますが、今迄の彼女が好きだった自分としちゃ、ちょっと寂しかった…けどそれは個人の好みの問題で、この回好きだって方には御免。

ところでこの回から出て来た新軍艦、ぶっちゃけあんま活躍しなかったね。(笑)
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