瀬戸際の暇人

今年も偶に更新します(汗)

愛の公開トークショー28

2008年08月05日 22時17分51秒 | ワンピース
チャッチャチャチャチャチャ♪チャチャッチャ~♪チャチャッチャ~♪チャラ~ラ~~♪――パパパパパパパン♪

――ナミちゃん(オレンジ)を探せっ!!

長らく紹介して来た「ナミちゃん」もこれで最後!――↑昔買ったワンピースのお菓子缶。
入ってたのは人形焼だったっけか?
可愛かったんで残しておいたらしい。(照笑)


…すんません…恥かしかったのと、一貫性を持たせる為に、急遽タイトルを変更致しました。(汗)
それに7/31記事の写真と交換し、「ナミちゃんを探せっ!!」を続ける形にした。
何だかんだで7/31以降もオレンジに拘ってた訳だし…。(苦笑)


そんな訳で前回の続き…感動の(?)最終回です。(↓)




夏の朝は早い。

微睡み瞑った目蓋を通し、ようよう明るくなる光を感じた。
加えてどろんと湿った熱が、時間と共に嵩を増して行く。
ベットリと顔に貼り付くシーツが不快で、仰向けになるよう寝返りを打った。

瞬間――フッと不吉な影が差すのを感じた。

不審に思い、目蓋をパッチリと開けて見る。

目の前には逆光で真っ黒く染まった異様な人物が――って、それはナミさんだった。

認識すると同時に――ギュン!!!と唸りを上げて眼前に何かが振り下ろされる。


「うわあっっ!!??」


一声絶叫、反射的に脇へ転がり避けた。


「…ちっっ!起しちゃったか…!」


振り下ろしたクリマタクトを構え直し、ナミさんが悔しそうに舌打ちする。
身に纏った本気の殺意を感じた自分は、腰を抜かしたまま後退った。


「なっ!?なっ!?…ナミさんっっ!??い…いきなり闇討ち――いやもう朝だけど――暗殺を企てるとは一体何故!??自分また何か怒らすような真似しましたっけっっ!??」


おどおどビクビク身震いしながら、昨夜~朝にかけて自分が取った行動を、1つ1つ思い起こしてみる。
だが特には思い当たらない……或いは「存在そのものが気に喰わない」とか、か!?
怯える自分を前に、ナミさんは件のジャンプ34号を片手に携え、殺害を企てるに到った動機を滔々と述べた。


「今朝起きて考えたのよ…私。
 何故此処に在るジャンプ34号と、外で売られてるジャンプ34号とでは、展開が違うのかを。
 発売した全てを確認した訳じゃないけど、ラストが違うと世間で騒ぎが起ってないとしたら、おかしいのは此処に在るジャンプ34号1冊のみ、という事になる。
 何故此処に在るこの1冊だけが違ってるのか?
 それも違ってる箇所は、『ワンピース』のラスト頁のみなのか?
 あんたが描いて捏造したんでなければ、解答は自ずと導かれる。
 つまりこのジャンプ34号が存在するのは有得ない。
 有得ない物が在る世界……それは『夢』だわ。

 ――そう、この世界は『あんたの夢』なのよ!」

「自分の……夢ぇぇ!!?」

「だとして私が元の世界に戻れる方法はただ1つ――あんたの存在を消してしまうしかない!」

「ええええ~~~~!!??」


想像すらしなかった恐ろしい推理を聞かされ、自分の全身からいっぺんに血の気が失せた。
しかしナミさんの言う通りに考えれば、全ての辻褄が合う。
だからといって確信が持てない内に「消えてくれ」と言われても…。


「ねェ…『私のファン』だって言うあんたなら、私の推理を信じて……私を元の世界に戻す為に、喜んで犠牲になってくれるでしょう…?」

「あ~~~…え~~と、いや…勿論ナミさんが元の世界に戻れるのなら、出来る限りの事はしたいと思うけど…」


引き攣った笑みを浮かべながら、玄関の有る方向へと後退る。
逃げる自分を真っ直ぐ見据え、ナミさんがジリジリと近付いて来る。
彼女が手に持つクリマタクトの先が、鋭い光を放ってバチバチと音を立てた。


「サンダーチャージ…!!――スイングアーム!!!」

「わわわっっ!!!」


強烈な電気を帯びたクリマタクトの先が、自分目掛け空を切り裂き襲い来る。
当ったら感電死は確実、死に物狂いで逃げ回るも、魔女っ子ステッキも真っ青なミラクル武器は、何処までも追い駆けて来るのだった。


「ナミさん待って!!!こ、此処が『自分の夢の世界』っつうなら…せめて目を覚まさせる程度の衝撃で充分ではと…!!!」


ブンブンと振り子の様に振り回しての攻撃を避けながら、必死でナミさんを宥める。


「往生際が悪いわねェ!!私を元の世界に戻す為なら何だってするって言ったじゃない!!」
「似てるけど違いますって!!『出来る限りの事はしたい』と、あくまで希望形で述べただけですってば!!」
「似てるニュアンスなら良いじゃない!!さしたる問題は無いわ!!」
「いやニュアンスは似てても現れる結果は違って来るっつか!!半殺しと全殺しじゃ命の有無からして違いがっっ!!!」
「つべこべ言わずにさっさと死ねっっ!!!私だって殺すまではしたくなかったけど…こうするより他に方法が無いんだから仕方ないでしょー!?」


部屋数の極めて少ない狭いアパートで、追いつ追われつのドタバタ劇。
右往左往して逃げ惑う度に、ガッチャンガッチャン何かが壊れる音がした。
がしかし今はそんな事気に懸けてる場合じゃない。

日頃の体力不足が祟り、足が鈍った所を狙われた。

――ビュン!!!と目前に飛んで来たタクトに逃れる術無く「万事休す」の文字が頭に浮かぶ。
藁にも縋る思いで手近に触った物を掴み、盾にした。

――パンッッ…!!!!と派手な音が響き、掠め見たそれは――発端で件の週刊少年ジャンプ34号だった。

火花が明々と散る。

あの時と同じく、手に持った重量が突然増した様に感じた。

驚く間も無く頁の隙間から人間(?)が1人2人3人4人5人6人7人8人――ボタボタボタボタボタボタボタボタ!!!!と落ちて出る。

揃って奇妙奇天烈な格好をした団体を目にした途端…ナミさんは攻撃する手を止め、感極まった声で叫んだ。


「…ルフィ!!ゾロ!!ウソップ!!サンジ君!!チョッパー!!ロビン!!フランキー!!ブルック!!」


落ちて出て来たのは、麦藁帽子を被った少年と、3本の刀を腰に提げたマリモ頭と、鼻の異常に長いタラコ唇と、ぐるりんと眉毛が巻いた金髪と、鹿みたいな角を生やした狸と、クレオパトラを実体化させたよな美女と、海パン履いた変質者と、アフロ髪の骸骨……そう、彼女の愛すべき仲間達だった。

名前を呼ばれた仲間達が、一斉にこちらを振り向く。


「…い……居たァ~~~!!!!――んナミっっさぁぁ~~~~んvvvv


逸早く彼女を認識したサンジが、滂沱の涙を煌かせて彼女に飛び付――こうとした後ろから、チョッパーとルフィが彼を押し退け――ぶぎゅる!!!とサンジを踏み台にしてナミさんに飛び付いた。
更にその後からウソップとロビンとゾロとフランキーとブルックが――ぶぎゅる!!!とサンジを踏んでナミさんを囲む。

暫くの間そのまま、ナミさんは皆から揉みくちゃにされていた。

ゾロが後ろから彼女の両肩をパンパンと叩く。
フランキーが大きな手で彼女の髪をグシャグシャに掻き回す。
ウソップが彼女の頬を軽くパンチして笑う。
ロビンが腕を生やして、彼女の手をそっと握り微笑む。
彼女に抱き付くチョッパーは、さっきから鼻水と涙を流しっ放しだ。
船長は彼女の首にゴムの腕を巻き付け、「にししっ♪」と御機嫌に笑ってる。
ブルックはヴァイオリンで「喜びの歌」を演奏し、感動の再会シーンを盛り上げた。

中心に立つナミさんは、あれほど堪えてた涙を隠そうともせず、目いっぱい泣いて、目いっぱい笑っていた。


それを自分は少し離れた所で見詰ていた…。


そうなのだ、やっぱりそうなのだ。

ナミさんは皆と一緒に居るからこそ、強くって魅力的で。

皆と一緒に居て愛されてる彼女が、自分は大好きなのだ。


再会を心から祝う気持ちと少しの切なさを噛締めていた自分を、船長が辺りを見回して口にした一言が現実に引き戻してくれた。


「………ところでココってドコだァ~???」




――そうだよ!!!


――全然ハッピーエンドじゃないじゃん!!!


――むしろ事態は悪化してんじゃん!!!!


彼女と仲間の再会に酔いしれていた自分は、此処へ来て漸く状況を読み、顔色を蒼白に変えたのだった…。




※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※




ロ「そう…パラレルワールドって訳なのね」
ウ「よく解んねェけど…むしろ都合良いんじゃねェの?」
ゾ「そりゃどういうこった?ウソップ」
ウ「だって俺達、船のコーティングを頼んでる間、何処かに姿隠す積りで居たんだし」
サ「成る程な!この世界に3日間潜んでりゃいいって事か!」
ル「すっげー!!ウソップ、冴えてんじゃん!!」

自「いやあのちょっと皆さん…そんな勝手に話合わないで…」

ナ「え?もう3日過ぎたんじゃないの?」
ゾ「おい何言ってんだナミ?お前と離れてから、精々5時間くらいしか経ってねェぞ」
ナ「そっかー、向うとこっちじゃ、時間の進み方が違うんだっけ。…でもそれなら、私もウソップの提案に賛成!こっちの世界は至って平和で、海軍も居ないようだし…だけど海はちゃんと在るのよ!」
ブ「良いですネ~~平和!ラブ&ピース!!私も賛成です!そうしましょ、是非そうしましょ!」

自「いやいやナミさん、勝手に決めないで……こっちにも事情と言うものが有るんだから…」

チ「けど戻る時はどうすんだ?こっちの世界に行きっ放しで戻れなかったら困るぞ!」
ナ「大丈夫よチョッパー。どうやらこの世界は、こいつが核を握ってるみたいだから。戻ろうって時はこいつを消しちゃえば、きっと元に戻れると思うわ!」

自「『消せばいい』って…そんなナミさん御無体な…!」

ル「よォし!!決まりだな!!じゃあ船がコーティングし終る頃まで、しばらくこっちの世界で遊んでよーぜー♪」

「「「「「「「お~~~~~!!!!!」」」」」」」

フ「おい見ろよお前らっ!!この家コーラが有るぜっ!!」
自「ちょっとちょっとあの…勝手に冷蔵庫開けないで下さいません…?」
ゾ「んだよ?酒は無ェのかよ?」
フ「生憎酒は無ェみたいだな…」
ゾ「ちっ、シケてやがんなァ」
フ「なんなら外出て買って来てやろうか?お金はこいつが出してくれるって言ってるし」
自「…言ってませんよ、そんな事」
ル「だったら食い物も!!肉買って来いナミ!!!」
サ「んじゃ金貰ってちょっくら行って来るか!――んナミさん一緒に買い物行こォ~v」
ゾ「暇だから俺も付き合ってやるよ」
サ「来んな!!!付いて来んなテメェは!!!」
ゾ「煩ェよ、俺の勝手だろうが!」
サ「マリモはマリモらしくプカプカ浮いてるだけにしろっての!!」



…駄目だ…てんで自分の話を聞こうとしない…。

皆が居ない間あれほど不安そうに居たナミさんだったが、皆が揃った今となってはすっかり強気で無敵だ。
彼女にとって、そして仲間達にとっても、何処に居るとか居ないとかは問題じゃなく、皆が居るか居ないかこそが重要なのだろう。

しかし…幾ら何でも9人纏めて面倒見るなんて出来る訳が無い。
困った自分は助けを求めようと、パソコンの電源を入れ、開いた画面に文字を書き込んで行った。


ナ「何やってんの?あんた…?」
ル「てーかそれって何だ!?俺にもいじらせろっ!!」
チ「オレもオレも!!オレも遊びてー!!!」
ウ「おお俺にもちょっと触らせてくれねェか!?」


背後から伸びる手を、右に左に上に下に薙ぎ払い、自分は黙々とキーを叩いて行った。


自「…○さんなら引き取って貰えるかな…?ああでもあの人ゾロナミファンだから、ゾロとナミさんだけなら引き取って貰えるかもだけど――」
サ「なんだよ?ナミさん行くなら俺も行くぞ!」
自「――と言って付いて来る奴は『要らない』って断るだろうしなぁ。…さりとてサンナミ好きの○さんじゃあ、サンジとナミさんを一緒に引き取って貰えても――」
ナ「どうして私がサンジ君と一緒に引き取られなくちゃなんないのよ!!?」
自「――と肝心のナミさんが否を唱えるだろうし…」
サ「そんなナミさん、つれない事言わないで~」
自「ルフィ・ゾロ・ナミさん・サンジ・チョッパー・ロビンちゃんは人気有るから引き取って貰えるだろうけど、他は今一だろうしなぁ…」

ウ・フ・ブ「「「俺ら(私達)そんなに人気無いんですカ!!??」」」

ゾ「…さっきから聞いてりゃテメェ、人を猫の仔あげるみたいに言ってんじゃねェよ。…斬られてェのか?」
フ「まァしかし此処に居る全員が寝食共にするにはこの家狭過ぎだろう…出てってやった方が良いんじゃねェのか?」
ブ「そうですね~、いきなり大人数で詰掛け御厄介になるのも失礼というもの。外へ出て何処か宿を探した方が…」
自「…いやいや止めて、それ止めて。特にブルックさんと兄貴は絶対に止めて頂戴」
ウ「兄貴とブルックだけか?チョッパーは??」
自「チョッパーは…動く狸の縫ぐるみだと思って貰えそうだから…」
チ「オレは狸でも縫ぐるみでもねェ!!!」



嗚呼、神様……

確かに自分はナミさんが好きで、『ワンピース』が大好きです。

だけど夢は見てる間こそ美しく、ぶっちゃけこんな非常識、とても耐えられや致しません。

夢なら覚めて。

早く覚まして。



頭を抱えて祈る自分の耳に、ドアの向うから響く笑い声が届いた。

あの甲高い声は自分の母のものだ。

…どうやら田舎から帰って来たらしい。

ガチャガチャ音を立て回るドアノブを見詰め、自分はいっそ画面の向うにでも逃げて行けやしないかと、ウィンドウに両手を当ててみるのだった。




【END…?】



●ここまでの回答を有難うございました。最後に、このバトンに答えた感想をどうぞ。


漸く終わった……!(汗)

やっぱ自分×キャラじゃ、ちっとも萌えんです。(苦笑)
もう二度と書かねぇ…いや別に誰に頼まれた訳でもねーけど。(苦笑)

あ、既に旬を逃した事だし、バトンは此処で止めさせて頂きます。

回してくれたrokiさん、有難う御座いました!

いやまったく本当に有難う!(笑)
コメント
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