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kotoba日記                     小久保圭介

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にんげんのすること

2016年11月14日 | 生活
アメリカの
新しい大統領
抗議デモの映像を見
その中に
ひとりの男が
ひとりで
街路樹の一本の木に

火をつける映像が
映された

その時
わたしの中で
何かか起きた

生きている木に
人間の損得の怒りが
点火された

ここに記録する


曲がってへこんで1.2.3

2016年11月13日 | 生活
曲がって
へこんで
そこに枯葉が堆積し
蟻が分解し
微生物が分解し
土になる
雨が降り
鳥が糞を落とし
糞の中の種が発芽し
緑の葉が
パカッと
二つに広がって
風が吹き
草原になる

曲がって
へこんだ地は
あらゆる生態の
過程を経て
年月とともに
忘れられてゆく

人は
一日に
一億五千個の
情報を海馬に記憶するらしい
必要な情報と
そうでない情報を
振り分け
必要な情報は
前頭葉に保存される

2045年問題
人類は
ヒトを超える
人工知能を作成するために
進化した
という乱暴な
仮説さえあるのだという


かぼちゃを煮た







手のしてきたこと

2016年11月12日 | 生活
老夫婦
手を繋いで
西へ歩いていった
赤い服にニットキャップの奥さん
ベージュの登山帽の旦那さん
手はずっと繋がれたまま
何かを話し
少しうつむき
転ばぬよう
足元を見て歩む

二人の手は
今まで
何をしてきたのだろう
たくさんのことをしてきた
それが年配の方にしか経験できない
数多のおこない
そのすべてを
手は知っている

手を繋ぐということ
それは許すということだ

―――

「寝っぱなしになるで、そこらを歩いてる」
先人は
振り返って
言う

陽光

赤鬼
青鬼
銀鬼

「おはようございます」
あまり上手な日本語だったので
外国人だとはわからなかった
耳が良いのだろう

女たち二人は
中国語を話しながら
東に向かった

穂は風で
揺れ









上飯田―熊野

2016年11月11日 | 生活

雨あがり
青空

スズメは
ほんとうに
チュンチョンと
鳴く
それを聞いている

昼休み
外国語が聞こえる
どこの国の
言葉だろう
スマホで話している

蜂の飛翔を見ていた
蜂は地面から
ヘリコプターのように
上昇し
移動する
その俊敏
その優雅
羽根の仕組みは
複雑に違いない

十一月十一日の蟻

緑の髪の人が
西へ向かった

風は北から吹いてくる
小春日和

この街には
何かある

要は人参

夜にも
風に乗って
種は飛んでいる
音もなく







父の散歩

2016年11月10日 | 生活
ここは
父の散歩道だった

古本屋の前を通って
まっすぐ西へ向かい
大きな十字路で
用事を済ませ
また戻ってくる

ここは
父の散歩道だった
父は今
どこを歩いているのだろう
廊下だろうか
山のゆるい坂道だろうか
階段だろうか
父の足裏は
どこにあるのだろう
車の中に
それはあるのだろうか
誰と話し

何を
思っているのだろう

ここは
父の散歩道だった
何を思って
ここを歩いていたのだろう
朝の空気は
父をさわやかにしただろうか
まだ
シャッターがおりた
古本屋の前を
父は
ゆっくりと西へ歩く
その足取りは
軽かっただろうか

ここは
父の散歩道だった
橋を渡り
その川面に
何を見たのだろう
できれば
己以外のものであってほしい

思いは
静かにやってきて
空を見る
この空の続きの
先に
父はいる
笑っているだろうか
寝ているだろうか

父の歩いた道を
見ている
父が歩いている


川沿いの土手を
猫がのぼっていった




鉄の棒の音楽

2016年11月09日 | 音楽
久しぶりに
あの人に会った
お互い
手を取って
何度も
再会を喜んだ

今日は寒い

細い十字路の
北西角
素敵な公園がある
ベンチもたくさんある
人はいず
鳥がいる

あらま
初めて会う木に
こんにちは
陽 青 風

鉄の棒が
コンクリートの床に落ちる
男は片手に鉄の棒を持って
放る
すると
その響きが反響し
美しい波を作って
音楽になる
鉄の棒の長さによって
音が変わる

耳を済ませて
鉄の棒の
音楽を
聴いていた
ずっと




草に雨

2016年11月08日 | 生活
人と自転車は
南北を往来している
とりわけ
朝は
猛スピードで
自転車は疾走する

公園で
雨を待っている
桜みたいな花が
咲いている

空はグレイ
少し



公園で
雨を待っている

今日も坂道を
ペダル漕ぎ
ここまで
来た

公園の脇道
雑居ビルの前
左足をケガしたカラスが
ケンケンと
右足で飛んで
南へ向かった

空から


猫が
雨の公園を
横切った
ひとりで

『雨が空から降れば』
『野の仏』

昔の歌が
頭に来
口の先で
声になり
歌になった

雨の中を
傘をささずに
女は
北へ向かった
毅然として

草に雨

慈雨






木が話している

2016年11月07日 | 生活
立冬

青い空の下
男は北へ向かって
駆けだした
青い服を着ていた

公園にいると
草と木がある

カフカ先生は
ものすごく
ロジカルな人だ
ところがそうでないとこもある

カフカ先生は
登山をする
ひとりで
山道を歩いていると
まわりの木が
話しているのが
聞えるという
それを
当たり前の顔で
当たり前の口調で
言う

ひとりで歩いているときに
それは聞こえるのだと言う

公園で
水筒の蓋に
インスタントコーヒーを入れ
お湯を注いで
飲んでいる
カフカ先生のことを思い
木を見ている

最近
初めての木や
信号待ちで
そばにいる木と草に
こんにちは
と声に出している
もうすぐ寒くなるよ
とも言う
そんなこと
判ってるに違いない
そう思って
こっちが恥じる



キャベツが高い辛い

2016年11月06日 | 生活
キャベツの高値が続く
辛い
大根も
辛い

早い朝から
バタバタと
用事を済ませ
買い物も済ませ
街へゆく

リズムは空に
届く
歌は
天まで届く
心の船に乗って
魂のエンジンで発進して

愉楽の中で
街を歩いてみる

あの階段をのぼったところ
ドアを開け
テーブルに着き
喜怒哀楽を交え
語ること尽きぬ
楽しみは
ココア
ミルク
コーヒー
キャラメル

飲み物を変えて
ハンバーグステーキと
ご飯を食べ
ずっと
続く

夜の始まり
洗濯物を取り込んで
正座してたたむ
薄暗がりの中で
今日の愉楽を
体に宿し
静かな夜は
やってくる

よく
名古屋へ
来てくれました

ダンゴムシの生態を
懐中電灯で照らして
調べてみる
うん
みんな元気
大丈夫
越冬よろしく

観葉植物の鉢の一つに
生命力が強い
種が芽吹き
すぐに大きくなる
ちぎっても
すぐにまた大きくなる
ところが
その緑のやわらかさ
美しさ

ちぎった
茎葉を
コップ水に活ける
変わらず
冴える緑の葉

花買わなくとも
存分に
楽しめる
草葉の
きれい




怒鳴る人

2016年11月05日 | 生活


ミヨリの森の
橋で
nobuと会う
昨日も
nobuに会った
何の縁だろう

真正面に
イチョウの木がある

男は怒鳴る
二回
一回目は
朝の街の一方通行で
二回目は
どこからか

いまどき
あんなふうに
怒鳴る人はめずらしいので
民はいっせいに見る
何事かと
わたしも見る
何事かと

たいしたことではないのに
怒鳴る人
大きな声を出して
威嚇する

人類はまだ途上



道を尋ねられ
答えたあと
どこから来たの
と訊くと
インドネシアから来たという

彼らインドネシアの二人は
TVtowerに向かった




アジア公園

2016年11月04日 | 生活
アジア公園
の日差し
よくもまあ
こんなに吸い殻や
ごみが捨てられるものだ
と思う

それでも自然界から
シジミチョウ
スズメ
モンキイチョウ
カラスが
草の上で
飛び
歩く

眠れないように作ってあるベンチ
細い銀の椅子に座り
自転車のサドルに頭をのせて
眠る

付近で
外国語が聞こえる
知らぬ間に
2人の男と
1人の女が
知らぬ国の言葉で
話していた

陽光


あの人とバッタリ会い
缶コーヒーを
ごちそうになった

おひさしぶりです



自然誌古典文庫

2016年11月03日 | 生活
友達と
名古屋駅の
名鉄の
宝くじ売り場の前で
待ち合わせ

博才があるので
宝くじを便乗して
買ってみる

電車に乗って
20分
朝倉駅で降り
トイレから出ると
そこに
館長が笑顔で立っていて
驚いた

駅まで
迎えに来てくれていた
ありがとうございます


道路を三人で歩き
野菜を売っている
雑貨店を見

館長の庭に
錆びた井戸
それに
「銀木犀です」
銀木犀が井戸の斜めに
植わっている
井戸の蓋を開けてもらい
のぞき込む

井戸がある
裏庭にも
もう一つ

素晴らしい古民家
の中で
デジタルと
文が混ざっている

ギターがあり
椅子があり
書庫がある
音楽があり
自然誌がある

自然科学に目覚めた
理由を訊き
なるほどと思う
「負けたくなかった」

古い漫画があり
シバの漫画なんて
初めて見た

金子光晴が好きな友達も
もっていない
金子光晴の蔵書

他にも
見たことのない
本がたくさん

ここ朝倉からの
小規模だけれど
古民家からの
文化の発信地
そこを
友と連れだって
行けた

まだ始まったばかりの
文化
コンサートもあり
ここから
何か
始まると
楽しいですね

いい場所に連れてってもらい
ありがとう

帰りの名古屋駅で
天ぷら定食を
ごちそうになった

銀木犀なんて
洒落ている
井戸は最高

そして
今日は
文化の日

文と化す
ということ