kotoba日記                     小久保圭介

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その川沿いの道は

2017年01月21日 | 生活
その川沿いの道は
一週間前とは違う
二週間前とは違う

その川沿いの道は

目覚めている
カラスが橋の欄干で
川面を見ている
そして飛び立つ
林へ

その川沿いの道は
桜並木
そろそろ
冬眠爆破が起こっているはず
つぼみがふくらみ
桜の花が咲く

それまで
三寒四温

その川沿いの道は
曲がり
まっすぐになる
ゴイサギがたくさんいて
川辺でじっと魚を見ている
森は常緑
春になれば
さらに
緑が萌え
祈りの蓄積が
新芽を出す

その川沿いの道は
立て看板があり
文字が書いてある
川の上にはビルはない
川の上には電線がない
川の上は
空がある

空で何が起きているかというと
朝の冷たい空気の上
雲が動いている
鳥が飛んでいる
風が吹いて
木の葉を揺らして
風の証を残してゆく

その川沿いの道は
人が歩く
人が走る
自転車が通る

その川沿いの道から
本当の朝が始まる
朝の息吹が
川沿いの道を駆け抜ける

木は雪を知っている
葉を垂れたたんぽぽは
夜の冷たさを知っている
生きるものすべて
来る
春の陽気を
知っている

その川沿いの道は
海へ続いている
暗渠はない
いくつもの
橋があるだけ

ゆく水は
山には戻らない
必ず
海へ向かう
そして
蒸気して
雲になり
風に運ばれ
雨になって
あなたの耳を
濡らす




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