kotoba日記                     小久保圭介

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キンモクセイの匂いの国から彼らは盲人の姿でやってくる

2011年10月15日 | 生活
夕方から曇ってきました。
キンモクセイの木は、
東の方にあります。
ここからは、
200メートルぐらいの、
距離があるので、
匂いはしません。
けれど、
キンモクセイの香りの方から、
盲人のご夫婦がこっちに、
歩いてきました。
二人とも、
白杖を持っているので、
すぐに、
わかりました。
点字ブロックはありますけれど、
僕の目前の、
段差は注意です。
ご夫婦は、
旦那さんが先に歩き、
すぐ後ろを、
奥さんが歩いていました。
二人に聞こえるように、
やや大きめな声で、
段差があります、
と言いました。
「はいどうも」
と旦那さんは言い、
歩き慣れているのか、
歩行の速度は、
極端には落ちずに、
彼らは、
西へ向かいました。
10メートルぐらいは、
添って歩きましたけれど、
あとは、
彼らの歩行は、
順調に、
西へ、西へと、
続きました。

労働からの帰り道、
地下鉄の栄で、
乗り換え、
階段を下り、
ホームにゆくと、
また男女二人の盲人に出会いました。
彼らは名城線の右回りの、
5番のりばあたりで、
地下鉄を待っていました。
「ホームに落ちてしまって」
とその時の恐浮A
静かに語ってくれた、
僕の盲人のグルの言葉が思い起こされ、
もしもの時のために、
緊急停止ボタンの場所のそばに立ち、
僕は少しだけ緊張して、
地下鉄を待ちました。
地下鉄が来て、
停まり、
彼らの後ろ脇に立ち、
降りてくる人たちも、
彼らにぶつからないように、
注意しているようでした。
二人は、優先座席に座りました。
どこまでゆくのだろう、
なんて、
知ったことではないにせよ、
今日は、
盲人さんに、
よく会う日だな、
と思いました。

どういうわけなのか、
本当に判らないのだけれど、
数々の労働場で、
駅で、
道で、
たくさんの盲人に僕は会います。
そのたびに、
僕が見つけているのだろうか、
とも思います。
「蛇が浮「と思って、山道を歩いていると、蛇を見つけてしまうのです」
と友人と山を歩いている時に、
教えてもらいました。
盲人は、勿論、蛇ではないけれど、
「どこかに盲人様はいないだろうか」
と僕はこころのどこかで、
思っているのかもしれません。
出会えば、それだけで、
僕の中で、
何かが、
強く動き、
彼らの存在が、
メッセージのように、
思え、
労働をそっちのけで、
添ってゆくこともあります。
前世というものが、
仮にあったなら、
僕は盲人と、
きっと何か繋がりがあったか、
自身が盲人であったか、
と空に思います。
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