kotoba日記                     小久保圭介

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蜘蛛の子たち

2020年10月03日 | 生活
   

久しぶりに
岡ちゃんに会う

メロンパンを食べながら
女が北へ向かった

うぐいす色の作務衣男
西からやってきて
あっちこっち歩き
定期を買って
声をあげ
笑って
北へ向かった

「蜘蛛を取れ」
娘たちは悲鳴を出した
父は蜘蛛を手で払った

思い出した幼少の記憶
六畳間の四角い蛍光灯
よく蜘蛛が巣を張っていた
誰も気にしなった
ある夜
蛍光灯からたくさんの
蜘蛛の子が舞い降りた
凄く覚えている
いつの間に
卵を産み
いつの間に
殻が破れ
いつの間に
蜘蛛の体になったのか

とにかく
いっせいに飛び出した
だから
「蜘蛛の子を散らしたように」
という比喩はとても理解できる
この目で見たから

無数の蜘蛛の子は
明るい蛍光灯から
散った

浮ュもなく
ただ驚いた
あの蜘蛛の子孫は
今でも
どこかで
繁殖しているのかも知れない

蜘蛛はかみさまの遣い
夜の蜘蛛も朝の蜘蛛も
そんなのは迷信だ
蜘蛛は蜘蛛
あんなに美しく
可愛い虫はいない

駐車場の天上で
カラスがパイプの上を
歩いて
車の上に飛び降りた
それを見ていた

今日も人間のすることを
見ていた
カラスのすることを
見ていた

夜になって
痛みが走り
眠った




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HH

2020年10月03日 | 生活




ハンバートハンバート


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