kotoba日記                     小久保圭介

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守銭奴と言われても図書館は夜明けを待っている

2019年12月22日 | 読書
  

今日は冬至

最近忙しい日曜日
やることが多すぎる
また順番をつける
湯屋に行こうと思っていたけれど
図書館の
返却本と予約本が
今日限り
湯屋に行ったあと
図書館に自転車でいくと
湯冷めするかも
しかも雨が午後から
よって
本日
湯屋はあきらめ
図書館へ


年末年始はたくさん本が借りられる
それも長期間
このチャンス
本が好きというわけじゃなく
高い市県民税をなんとか
チャラにできないかと
せっせと単価の高い本を読んでいる
こんなせこい守銭奴に誰がした
はい、自分です
いやいや
吝嗇と言っていただきたい
でもその分
コンサートに行くよ



予約しておいた本を受け取り
久しぶりに本棚と本棚の花道を
歩きまわり
言葉並木を通ってゆく
たちどまり
本に触り
開き
閉じる
戻す
手に持つ

今はネットで予約でき
他の図書館から
最寄りの図書館で
受け取ることができる

小学生の時
母に連れられ
名古屋市北図書館に行った
それから
友人と夏
自転車で行き
またはバスで行き
冷たい水が出る
不思議な銀色の箱のペダルを踏み
冷水を飲んで
暑さをしのいだ

お小遣いで
三角パックのコーヒー牛乳をストローで飲み
狭い階段をのぼって
書棚の二階へ
そこにある
図鑑を手にとって
動物
昆虫を
飽きもせず
見ていた

騒いていると
図書館のお姉さんがきて
「静かに」

静かに言った

十代はテレビやラジオでは放映できない
いけないフォークソングとロックを聞いた
実際発売禁止、放送禁止の歌もあった
そうじゃない歌と音楽も聞いたけれど
いずれにしても
本とは無縁になった

大阪にいた二十代
日曜になると
大阪府立図書館に通い
荷物をロッカーに入れ
手ぶらでしか入れない部屋に行き
図書カードをパラパラとめくり
本の在庫を確かめた時代
まだネットがなかった時代
それでも稲垣足穂の
本の真ん中に直径5ミリほどの
穴があいた
不思議な本があったり
批評
小説
哲学
詩が
豊富にあったのは
今より勝る

東京は江東区にいた時
江東区の名前を忘れてしまった図書館に行き
夢の島に行った
杉並に越したら
杉並区立宮前図書館に通った
八木重吉を読んでいた

名古屋に帰った時は
鶴舞図書館と愛知県立図書館を
はしごした
藤井貞和と吉増剛造の蔵書は
県図書にも鶴舞書庫にもあった
うれしかった

読書量は少ない
けれど
図書館がどこでもいつでも
好きです
静かの場所は
公園と図書館
落ち着く


本は作者が
一番言いたいことだけを
凝縮している媒体である
その作者の思いが
あたりに
立ち込めているのかもしれない
本を読めば
作者に会える
そういうことが
本では可能だ
言葉はその人が書いたもので
言霊がある
本はだから生きている
作者が空に帰ったとしても
言葉はずっと
生き続けて
わたしたちに
教えてくれる
言葉の面白さや
きれいな景
見ていなかった事物の提示
思っていなかった疑問の提示

本は豊かの源泉だ

カフカ先生とばったり会い
コーヒーを飲む
最果タヒのエッセイ本を出すと
「あ、これは本屋大賞をとった人ですね」
と興味深く本を手に取り
「目次の題も良い、装丁も気に入った。貸してもらえないか」

言った
「買ってもいいな」
とも言った

本を愛する人たちは
たくさんいるけれど
見つけるのはむつかしい


コメント
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