旅倶楽部「こま通信」日記

これまで3500日以上世界を旅してきた小松が、より実り多い旅の実現と豊かな日常の為に主催する旅行クラブです。

カルタゴに幼児犠牲はあったか?

2019-03-10 12:00:00 | チュニジア
カルタゴ遺跡の郊外に「トフェ」と呼ばれる墓石が大量に出土したエリアがある↓

ラテン語でポエニ人の聖域と書かれた看板↓

カルタゴの遺跡は市域外に幼児ばかりを埋葬した場所が見つかることが多い。
↓日本の道祖神のような雰囲気の墓石

※2011年にシチリアのモツィアという小さな島に残るカルタゴ遺跡を訪れた記事をこちらからお読みいただけます

幼児は神にささげられた生贄であると解説された本も多いが本当にそうだろうか?
「幼児死亡率の高かった時代、早世した子供たちをひとつの墓地に埋葬して神の加護を祈ったという方が正しいと考えています」というモツィア島のガイドさん解説の方がしっくりきた。

↑「タニト」と呼ばれる、バール・ハモン神(ギリシャのゼウスやローマのジュピターにあたる)のパートナー女神を現しているのだと、チュニジアのガイドさん。慈母神というのはどこの世界でも必要とされていた。
↓発掘されたエリアの近くの「祭壇」の一部とされる場所↓通説ではここで位の高い家の幼児を残酷に生贄にしたというのだが、ほんとうにそうだろうか?

カルタゴを滅ぼしたローマが悪意をもって彼らの似た習慣を記録したのかもしれない。
19世紀のヨーロッパ人たちのカルタゴ感も、基本的にローマから引き継がれている。

実際に発掘した考古学者たちは、「伝説的に語られるような残酷な殺され方をしたと思われる骨はみつかっていない」としている。カルタゴ=フェニキア人の故郷とされるレバノンのシドンの発掘では発掘された75%が動物の骨で、幼児の骨はアフリカ系だったと、チュニジアのガイドさん談。

この遺跡はフランス人が発掘し、現在のように見学できる形に整備された。

カルタゴに幼児犠牲はあったのか?
日本の「人柱」の話をはじめ、生贄の話は世界中にある。









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