ジジババのたわごと

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なぜシリアに武力介入したいのか

2013年09月08日 | Weblog
オバマ大統領がシリア制裁に踏み切るかどうか、微妙な形勢になってきた。
おそらく武力攻撃は断念せざるを得ない。

国連安保理による武力行使決議によってシリアへ軍事介入することがアメリカの望むところだったが、ロシアと中国が拒否権行使で反対するので見込みがない。
国連決議がない中でアメリカと同盟国によって軍事行動に踏み切るには、確たる大義と根拠がなければならない。

アメリカには前科がある。
ブッシュ前米大統領は、イラクのフセイン政権が「大量破壊兵器を保有している」として、軍事侵攻に突入した。
しかし、大量破壊兵器を開発しているというのは虚偽、でっち上げだったことが明らかになっている。

さて、シリアでの国連の化学兵器調査団の最終結果が出るまでには日数を要する。サンプルを分析するなどして毒ガスの成分などから、化学兵器の種類を特定するに時間要するということである。 
ただし、国連の調査結果を待つまでもなく、シリアで化学兵器が使われたというのはほぼ間違いない。
問題は、この毒ガス兵器がアサド政権側が使ったのか、反政府軍側が使ったのかとなると、いまいちはっきりしない。
そのうえ、肝心の「どちらが化学兵器を使ったか」は国連調査団の対象外だ。

アメリカに歩調を合わせて武力介入に参加すると見られていたイギリスで、シリアへの軍事行動を問う政府の提案が議会で否決された。キャメロン首相は、軍事攻撃を事実上断念した。
「アサド政権側が化学兵器を使った」とする情報が信ぴょう性に欠けるということなのだ。
根拠となる証拠が崩れれば、イラク戦争の二の舞になりかねないと考えるからだろう。

フランスのオランド大統領がアメリカに同調して武力攻撃に積極姿勢だが、ほかに積極的に同調する国が見当たらない。そのフランスもトーンダウンしている。

さて、日本の安倍政権はどうするであろうか。様子見の態度であるが、アメリカが武力攻撃を決定したならば、協力姿勢を示すに違いない。
多数を制する国会で否決されることはないし、集団的自衛権の布石としても好機とみて積極的に行動するだろう。

ところで、そもそもオバマ大統領は、なぜシリアに武力介入したいのか?
「化学兵器に関する規範を破った国は責任を負う必要がある」と訴えているが・・・。
本心でないとまでは言わないが、口実にしている印象が強い。

アメリカの同盟国のサウジは、アサド政権を敵視しシリア反政府に資金や武器を供給してきた関係でシリア空爆に賛成している。
ところが、アメリカにとって中東で最も重要なイスラエルは、シリアのアサド政権が倒れて政情が不安定になることを望んでいないといわれる。

イランをはじめロシア、中国などはシリアのアサド政権を支持している。
これらの国へのアメリカによる牽制と主導権争いなのか。
意外と重要なのは、エジプト、ヨルダン、レバノン、イラク、アルジェリアなど周辺国に反対姿勢が多いことだ。

国連決議なしの武力介入は、アメリカの威信を損なう危険が大きい。
シリア空爆は難しくなった!


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