ジジババのたわごと

孫たちさらにその孫たち世代の将来が、明るく希望が持てる時代になってほしい。

派遣者を期間なしに使いたいと語れ

2015年06月07日 | Weblog
「腰が痛い、頭が痛い、風邪を引いたなどと口に出せない雰囲気」と話しているのを聞いた。「明日から代わってもらう」と言われてしまうというのだ。
派遣先の職場ではそんな様子なのだと。

現行の派遣システムは、受け入れ企業にとって極めて都合がよい。
受け入れ企業では契約をいつでも打ち切れるように、たとえ長期間継続する仕事であっても、短期の契約を結び繰り返し更新していく。
受け入れ企業は、派遣の契約を打ち切っても、労働者との間で雇用の責任を負わなくてよいので面倒なことがない。
派遣で来ている労働者に、何かと無理なことを強要できるうまみもある。

力関係から、受け入れ会社が派遣元から強く苦情を言われることがない。
だから直接雇用なら、解雇や雇止めに伴って摩擦が起きることでも、派遣だと泣き寝入りで終わってしまう。
労働環境が低下するのは明白である。

日雇い労働者を集め、口利きでピンハネする手配師は違法とされている。
だが、労働者が働く企業と直接契約を結ぶのだから、見方によっては派遣労働よりも正常と言える。

派遣システムは、派遣労働者を受け入れる会社にとっては、人事業務を外注したことになる。
要員の募集や選考、採用、さらに教育などの業務を派遣会社に外注して、効率よく人員を確保することができるようになった。
さらに直接雇用のときには必要だった各種社会保険料や福利厚生費、賞与、退職金、などの経費が減ってコストダウンにつながっている。

派遣会社は仕事が持ち込まれたときだけ、登録している労働者と契約する。こんな形態になることは必然であろう。
派遣法は労働者だけがリスクを負う、という最大の欠点は今回の改定でも何も変わっていない。
仕事がなくなり契約が切れると、空白期間はストレートに労働者の収入に響いてくる。

例外は、派遣会社が労働者を長期に常時雇用する場合だ。
1社だけであれば短期間で終わるようなときでも、何社かの仕事をつなぎ合わせて仕事が継続するように差配することが可能になる。
働く側にとって存在意義があるとすれば、このような常時雇用のケースだ。仕事が無いときもある程度の収入が保証される。
だが実態を見ればこんなケースはごくごく少ない。

さて、現行法は今年10月に3年を迎える。3年を超える派遣の場合「労働契約申込みみなし制度」が適用される。つまり受け入れ会社がその派遣労働者に直接雇用契約を申し込んだとみなされる、民主党政権時代に労働者保護で改正された制度である。

これがあるため3年間を超えないように、10月には雇い止めで派遣労働者が失業する。
派遣業界が打撃を受ける、派遣先の経営にも支障が生じる、という問題が浮上している。

そこで苦肉の策で編み出したのが、労働者には3年の縛りを課すが、受け入れ企業は労働者を入れ替えればその仕事を何年でも派遣で続けてよいということにすり替えた改正案である。
「派遣就業が臨時的・一時的なものであることを原則とする」と謳っているが、肝心の法律がそれと逆さまになっている

申し訳程度に、教育訓練をする、別の仕事を紹介する、派遣会社を国の許可制にする、などを付け足しているが、企業側に都合よいことばかり。
この際、「派遣労働者を期限無しに使えるようにしたい」と正直に語るべきだ


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