【岩崎俊夫BLOG】社会統計学論文ARCHIVES

社会統計学分野の旧い論文の要約が日課です。

時々、読書、旅、散策、映画・音楽等の鑑賞、料理とお酒で一息つきます。

内海聡『医学不要論』三五館、2013年

2013-10-10 23:44:20 | 医療/健康/料理/食文化

             

 問題提起の書として受け止めたい。内容は過激(?)。また、文章がねられておらず、言葉遣いに配慮がなく、頭に想いうかんだことをワープロを便利に使い、おしゃべりする感覚で(あるいは独り言を言う感覚で)、タイピングしてできあがった本なのではなかろうか(そういう本が増えています)。

  近年、この種の医学批判、医療批判の本が随分出ている。著者自身もこの本の前に、『精神科は今日も、やりたいほうだい』『大笑い!精神医学』という本を出版している。

 医学への過信に警告を発する本書の内容を以下に紹介する。

  多くの国民は誤った医学的常識に洗脳され、それが医療関係者を富ませ、社会保険を空洞化させ、患者が死へと追い詰められている。

   現代の医療は、そのほとんどが対症療法であり(アロパシー医学)、本来はほうっておいても治癒するものを、気休めに投薬し、よくても症状を軽くしているにすぎない。本質的な治癒のための処置をほどこしているのではない。病院に行かなくとも治るものを、そうはしないで意味のない診察を受け、薬を出してもらって、安堵している。社会保険制度、国民系保険制度の弊害である。

   最悪なのは、「医原病」である。「医原病」とは、医学的措置が病気の原因となるもので、先進国に多い。どうしてこのようなことになってしまったのか。著者はそれが「イガクムラ」の陰謀であるという。イガクムラの住民は、厚生労働省、医師会、医学関係の学会、病院協会、製薬会社、患者会、家族会、病気の啓蒙を行う慈善団体、NPO法人、医療ジャーナリスト、医学雑誌社である(著者は他にも「彼ら」「支配層」という名称で、この社会を牛耳る人々を糾弾している)。彼らの行動原理は、「カネ」であり、業界による社会の支配、統制である。

  そして「社会毒」がでまわっているのも、今日の社会の特徴。「社会毒」とは、人間社会がもたらした古来の生物的世界とは反する内容をもった物質の総称で、具体的には、西洋薬に代表される薬と呼ばれる物質、農薬、食品添加物、遺伝子組み換え食品、環境ホルモンなどである。

  このように、医学不要論の基礎理論を組み立て、著者は「治す」ではなく「その場しのぎ」の治療、不要なX線撮影、薬効の捏造、基準変更による病気予備軍の創出、代替医療のまやかし、などを次々暴いている。

  著者はこうした現状へのアンチテーゼとして、生命維持のための必要物を提言している。それはロジャー・ウィリアムズのいわゆる「生命の鎖」(46種の栄養素)にプラスする「精神の輪」である。以上が本書の第一部で医学不要論の「原論」であり、第二部では個々の病気にどう対応するかが、解説されている。原論の応用編である。


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