【岩崎俊夫BLOG】社会統計学論文ARCHIVES

社会統計学分野の旧い論文の要約が日課です。

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尾形光琳生誕350周年記念「大琳派展ー継承と変奏-」東京国立博物館

2008-10-27 00:38:16 | 美術(絵画)/写真
尾形光琳生誕350周年記念「大琳派展ー継承と変奏-」東京国立博物館

            

 東京国立博物館(上野)で「大琳派展ー継承と変奏-」が開催されています(10月7日~11月16日)。琳派を代表する木阿弥光悦、俵屋宗達、尾形光琳、酒井抱一、鈴木其一の画を愉しめます。国内各地の美術館とともに、メトロポリタン美術館やファインバーグ・コレクションからの出展です。

 2008年は、江戸時代の芸術家、尾形光琳が生まれて350年目。光琳は、斬新な装飾芸術を完成させた人です。「琳派」という絵画・工芸の一派を形成しました。

 「琳派」は、世襲の画派ではなく、光琳が本阿弥光悦、俵屋宗達に傾倒し、その光琳を、酒井抱一らが私淑するという形で継承されたシューレです。「風神・雷神図」など同じテーマの作品を比較しながら見ることができます。それによって、琳派の系譜を具体的にたどることができると同時に、それぞれの画家の独自性も明らかになります。

 コーナーは4つに分かれています。「第1章:木阿弥光悦・俵屋宗達」、「第2章:尾形光琳・尾形乾山」、「第3章:光琳意匠と光琳顕彰」、「第4章:酒井抱一・鈴木其一」です。
 
 木阿弥光悦、俵屋宗達は、17世紀の画家。圧巻は「風神・雷神図屏風」です。宗達、光琳、抱一、其一の4点そろいぶみは28日以降です。源氏物語、伊勢物語の場面を描いた伝俵屋宗達の「源氏物語図・空蝉」「源氏物語図・夕霧」、「伊勢物語図色紙・芥川」「伊勢物語図色紙・長岡の里」「伊勢物語図色紙・水鏡「伊勢物語図色紙・月のうちの桂」「伊勢物語図色紙・梅のつくり枝」も印象的でした。

 光悦(1558-1637)は、刀剣の研磨、鑑定の家に生まれています。書で有名であり、「寛永の三筆」と言われました。琳派の端緒役であり、今で言うアート・コーディネーターの才にたけていました。

 宗達は生没年不詳です。その生涯はほとんど知られていません。京都で扇を描く「俵屋」という絵画工房を主宰していたようです。独特な構成と水墨技法で琳派の先駆者と言われています。

 光琳(1658-1716)は、呉服商の「雁金屋」の次男として京都で生まれました。膨大な財産を相続しましたが、派手で社交的、遊び人。画家として身を立てることで有名になりました。

 抱一(1761-1828)は、姫路藩主酒井忠以の弟として江戸に生まれています。隠居した尾形光琳の顕彰に力を注ぎました。俳味、機知に富んだ画を得意としていました。画風が洗練されています。時代が現代により近い19世紀というおkともあって色彩は垢抜けしていて、保存状態もよいようです。

 基一(1796-1858)は抱一の内弟子です。抱一の死後、個性を開花させ、モチーフの形の面白さ、大胆な画面構成など、多面的な美的特質を評価されています。