田辺聖子『田辺聖子珠玉短編集④』角川書店、1993年
著者は時々、女を相当に不細工に描きます。男の作家による表現だったら総スカンを食いかねなくても、女性の作家だから救われているようなところがあります。
また、甲斐性のない、意気地のない男が頻繁に登場するのもこの作家の特徴です。さえない男の典型は、この第4集では、「夢とぼとぼ」「おんな商売」「もう長うない」「二階のおっちゃん」に登場する男たちです。
依頼心が強く、ダメな女性が突然輝きだす「あんたが大将ー日本女性解放小史ー」は、強くなった女の前で、おろおろ呆然とする男を描いています。
「女の強さに屈服した男たちの自嘲のことば」、「男がいくら強がってみても、しょせん女にいいように味つけされているものだし、いくら気どってみても、いつのまにか女の尻にしかれていることに気づくのがオチ」(池内紀「解説」、p.286)、穿った田辺流男観の特徴づけです。
著者は時々、女を相当に不細工に描きます。男の作家による表現だったら総スカンを食いかねなくても、女性の作家だから救われているようなところがあります。
また、甲斐性のない、意気地のない男が頻繁に登場するのもこの作家の特徴です。さえない男の典型は、この第4集では、「夢とぼとぼ」「おんな商売」「もう長うない」「二階のおっちゃん」に登場する男たちです。
依頼心が強く、ダメな女性が突然輝きだす「あんたが大将ー日本女性解放小史ー」は、強くなった女の前で、おろおろ呆然とする男を描いています。
「女の強さに屈服した男たちの自嘲のことば」、「男がいくら強がってみても、しょせん女にいいように味つけされているものだし、いくら気どってみても、いつのまにか女の尻にしかれていることに気づくのがオチ」(池内紀「解説」、p.286)、穿った田辺流男観の特徴づけです。