

舞台はパリ20区にある中学校のクラス。移民の子供たちがここで学んでいる。母国語も出身国も異なる生徒たちである。
このクラスの授業はなりたっているのか、いないのか。先生は国語の教師フランソワ(フランソワ・ベゴドー)で、フランス語を教えている。しかし、始業のベルが鳴ってもおしゃべりはとまらない。何ももたないで学校にきている生徒もいる。子どもたちは多くが反抗的で、先生のいうことなどきかない。教科書の朗読を課しても、拒否し、反抗的な口答えがかえってくる。フランソワの同僚の教師は、なげだしている。
日本にも授業が成り立たたず、「学級崩壊」という言葉が使われることがあったが、それとは比較にならない荒れようである。教師フランソワは、懸命に、真摯に生徒たちと向き合うが・・・。
全編ドキュメンタリータッチ。このクラスに救いはあるのだろうか。評価がわかれる作品である。原題の意味は「壁のなか」。
第61回カンヌ映画祭パルムドール賞受賞作。