MOVIE KINGDOM Ⅱ

映画に関する話題やライブ&イベント、ローカルなグルメ情報など色々話題を広げて行きます
ポイントは★~★★★★★★

No.065 「アポカリプト」 (2006年 米 138分 ビスタ)

2007-06-30 00:40:37 | 2007年劇場鑑賞
監督 メル・ギブソン
出演 ルディ・ヤングブラッド
    ダリア・エルナンデス
    ジョナサン・ブリューワー



「マッドマックス」「リーサル・ウェポン」シリーズの主演でお馴染みのメル・ギブソン監督の最新作。
前作「パッション」ではキリスト最後の半日を徹底的なバイオレンス描写で描き、イエス・キリストをここまでシバキ倒した映画は今まで無かったぐらい壮絶なインパクトを植え付けてくれました。
そして今回の「アポカリプト」も噂によれば画面から死臭が漂うような血生臭い作品だとか・・・色んな意味で期待を込めての鑑賞です。

(あらすじ)

誇り高き狩猟民族の血を受け継ぐジャガー・パウ(ルディ・ヤングブラッド)は、妻や仲間とともに平和な暮らしを送っていた。
ところが、ある日、マヤ帝国の傭兵による襲撃を受け、仲間とともに都会に連れ去られてしまう。
そこで彼らを待ち受けていたのは、干ばつを鎮めるためにいけにえを捧げる儀式だった。

冒頭の野ブタを追う場面からスピーディなカメラワークで、見るものの視線をスクリーンに釘付けにします。
この映画はジャングルをとにかく縦横無尽に走りまわるアクション映画として充分楽しめると思います。
そしてスプラッター満載、人体損壊描写テンコ盛りの大虐殺映画でもあります!

マヤ文明についてはそれほど知識もないので、細かい事は判りませんが、学者などからクレーム付いたらしいですね。
でも全編マヤ語のセリフにしたり、ジャングルの向こうにそびえたつピラミッドを再現したりと、彼なりには相当リサーチしてるようですね。
彼のこだわりは相当なものかなと思います。
何かとバッシングもあるようだけど、前作「パッション」同様、徹底的なリアリズムの追及は形は例えバイオレンス描写であれ表現者としてはアリかなと思います。

ピラミッドの階段から、はねられた首がコロコロと転がり落ちるシーンでも、時には大きく弾んでいたり細かい動きをしてるのも非常にリアルですね~
また、首の無い胴体が落ちるシーンでも不快なまでのリアルな体の質感はさほどアップでもないのによく出来てるなぁ~と不思議に思ってたら、何と実際のスタントマンが転がり落ち、首はデジタル処理で消してるそうな(へ~!!!)そらぁ迫力あるわな~!
首なし死体が山積みされてるカットなどたしかに嫌~な匂いが漂ってきそうなぐらい・・・
メル・ギブソンはオスカーを取ってるだけの事はあると思いますが、安全圏のようなハリウッド映画でなく、こう言う未知の題材で、しかも観客を色んな意味で刺激するような作品を撮るのは彼のキャリアから考えれば結構勇気いるかもね?

後半の見所のジャングルの中での追跡シーンは人間の体一つで「走る」という単純なアクションであそこまでの迫力が出せるのも凄いと思いますよ。
あの疾走感はかつての「マッドマックス」シリーズのカーアクションで彷彿させるほどでしたね。

愛する妻子のため命をかけてジャングルを逃亡していく主人公の悲壮感も出てるし、やがて逃げるだけでなくランボーばりに反撃に転じていく終盤など「パッション」より娯楽色が全面に出ていて良かったと思います。
前半から中盤にかけて、和やかな村の情景から一転、大虐殺による地獄絵図を描き、生け贄にされるため長い棒に首を繋がれジャングルを連れまわされていく・・・ここまでが結構時間を割かれて描かれており、くどいように感じがちだが、全て後半の為に必要だったんでしょうね。
主人公が悲惨な運命をたどったり、悪役が徹底的にワルなほど後々の爽快感が強くなりますからね。

その悪役だけど何となく皆「マッドマックス2」に出てきそうな暴走族を連想してしまうんだけど気のせいかな~?



★★★★ 2007.6.28(木) MOVIX堺 シアター6 16;20 H-4

No.064 「憑神(つきがみ)」(2007年 日本 107分 ビスタ)

2007-06-29 02:22:57 | 2007年劇場鑑賞
監督 降旗康男
出演 妻夫木聡
    香川照之
    夏木マリ

駒川タナベキネマという街中の小さな映画館に朝から出かけました。
そもそもここの招待券が今月末で切れるので慌てての鑑賞なんですが、ここで公開されてる作品が「憑神」という作品。
朝の平日ってことでお客さんはほとんど居ないんやろな~と思って見に行ったら、意外にも半分近くは席が埋まっていた・・・月末の招待券恐るべし!?
街中の映画館ってこともありご近所の主婦って感じの人が多いですね。
中にはご年配の夫婦などもチラホラ・・・繁華街のシネコンとはまた一つ雰囲気が違いますね。

(あらすじ)

うだつのあがらない下級武士の別所彦四郎(妻夫木聡)は、ささやかな出世を願って神様に懇願するが、祈る稲荷を間違えたために貧乏神・疫病神・死神という3人の災いの神に取り憑かれてしまう。
社会や家からのけ者扱いされて日々を過ごしてきた彦四郎だったが、突然の災難に見舞われたことによって、次第に自分の人生の意義について目覚めていく。

結果として意外に面白かったし、何箇所か笑ってしまいました。
まるで落語のような雰囲気の前半はドタバタ喜劇のような感じだが、ストーリーが進むにしたがって作品の雰囲気が幕末の乱世の時代の中で侍として、また人間として目覚めていく彦四郎の成長のドラマとなっていく。

貧乏神・疫病神・死神とそれぞれを演じる西田敏行、赤井英和 、森迫永依とそれぞれのキャラの面白さがこの作品の持ち味で、お馴染みの芝居で笑わせる西田敏行、相変わらずセリフが棒読みの赤井英和 、そして死神に限って可愛らしい少女という意外性を狙った森迫永依(「ラストラブ」で田村正和の子供役してたね)らが個性的な災いの神を演じていて、妻夫木聡に絡んでいきます。

また佐藤隆太もTVの「バンビーノ」のシリアスな芝居とはガラッと変わり気の弱いおっちょこちょいな家来を演じていて、彼と西田敏行と妻夫木聡の3人の絡みは結構笑わせてもらいました。

「宿替え」という神の中でも秘法中の秘法で自分の災いを他人に降り返らせて、何とか災いから逃れた主人公がいざ死神と対峙した時、自らがその運命を受けようと心に決心するあたりは教訓じみたメッセージを感じとれるが、ここらから後半は少し映画のタッチが変わったように感じました。
単にドタバタ喜劇で終わりそうな話だけど、侍として、人間として自分が本当にやらなければならない事に皮肉にも災いの神と出会い気付いていく・・・

時代劇だけどテーマは何となくニートやフリーターが全盛の今の現代に当てはまるような作品。

ラストに流れる米米クラブの主題歌「御利益」は明るい楽しい曲だけど、合間のコーラスはモロにマイケル・フォーチュナティの「ギブ・ミー・アップ」のパクリやね~?(と言うより替え歌かな)



★★★★ 2007.6.28(木) タナベキネマ 9:40 3列目中央





「美人モデル惨殺の古城」

2007-06-27 00:30:01 | DVD&ビデオ&テレビ(地上波/CS)
古い屋敷に撮影目的で侵入した雑誌編集者やモデルにカメラマン。
しかしそこはいわくのある拷問の館で一人、また一人拷問されていく・・・

「ホステル」を思わすような話だけど、時代が1966年のB級ホラーってことで全体的に安っぽいし、拷問シーンも甘い手口で、昨今の作品を見慣れてる人には物足りないでしょうがね~

蜘蛛の巣のように張り巡らされた紐に磔になったり、回転式のトタンのようなものに縛られた女数人がクルクル回されてナイフで胸を切られ、鎖で首を吊り上げられたり・・・とどれもチープで怖さはないけど、ただ檻に入れられて火あぶりにされるシーンと、石のベッドに裸で縛られてベッドの下が釜になっていて火をくべられる場面は熱い!!!

マッチョな赤い仮面の殺人鬼の仕業なんだが、その死に様が間抜け・・・

グルメスポットvol. 11 北海道らーめん 奥原流 久楽(ラーメン)

2007-06-26 00:05:28 | グルメ
北海道札幌市中央区北2条西1ピア2・1-1F 011-251-8824

北海道で見つけたラーメン屋さん
店の玄関がどう見てもラーメン屋に見えない高級な感じで、ラーメンののぼりや看板が無かったら、和食の店かと勘違いしそう。
扉を開けると更にもうひとつ扉がある二重構造の玄関を通りぬけて店に入ると、やはり店内は和風調でしたね。

ここの特長は白味噌の味噌ラーメンで白い味噌のラーメンは普通の味噌ラーメンと比べて味もまろやかで、これは美味です。

メニューも色々あるので試して見たいが何分に北海道なもんで・・・遠すぎ!

No.062 「ゾディアック」 (2006年 米 157分 シネスコ)

2007-06-24 01:15:35 | 2007年劇場鑑賞
監督 デヴィッド・フィンチャー
出演 ジェイク・ギレンホール
    マーク・ラファロ
    ロバート・ダウニー・Jr



この日2本目は・・・文字通りのハシゴでの鑑賞。
「プレステージ」を見終わって僅か「ゾディアック」本編まで3分の移動時間。
ま、布施ラインシネマ10の7階から5階に降りるだけだけど、慌しいの何の・・・
何かギリギリ間に合っての鑑賞。

もう10年ほど前ですが「週間マーダ-ケースブック」という雑誌があり、毎回購入していました。
実際の犯罪者、もしくは事件を一冊丸ごと掘り下げた雑誌で中々興味のある内容でした。

結構そういう実録物も興味あるので、ついつい集めてしまってましたが途中から買うけどあまり読まなかったな~
そんな意味でこの作品は実際の事件を映画化した作品だけあって注目しておりました。

(あらすじ)

1969年、自らを“ゾディアック”と名乗る男による殺人が頻発し、ゾディアックは事件の詳細を書いた手紙を新聞社に送りつけてくる。
手紙を受け取ったサンフランシスコ・クロニクル紙の記者ポール(ロバート・ダウニーJr)、同僚の風刺漫画家ロバート(ジェイク・ギレンホール)は事件に並々ならぬ関心を寄せるが……。

157分と言う長尺な作品ですが、この内容でこの時間は普通の感覚ではキツイかもね~
先に書いたようにこう言うのは個人的に好きなんで、全然苦にならなかったけど、普通にデートムービー感覚で来た人なんかは内容的にも重い気分になる157分だから辛いかも知れないですね。

この事件の詳細は名前ぐらいしか知らないけど、実際の事件を日付通りに描いていき、事件を独自に追う2人の記者ポールとロバートと共々見てる観客もこのゾディアック事件の渦中に陥れてくれます。
デヴィッド・フィンチャー監督の執拗なまでのゾディアック事件に対する興味や思いが映像となって迫ってきます。

事件を追う2人の記者を演じるジェイク・ギレンホールとロバート・ダウニーJrが実に好演してると思います。
どことなく新聞社のシーンや2人の姿を見てると「大統領の陰謀」と重なる部分がありました。
あの映画もロバート・レッドフォードとダスティン・ホフマン演じる2人の記者が事件を追って行くけど、何か今回の作品と被る雰囲気がありますね。
心なし画面の色調も70年代の映画のように感じたのは私だけかな・・・?

当時の現場写真を元に再現された殺人シーンを取って見てもこの監督の執拗なまでのリアリズムがヒシヒシと伝わりましたよ。
デヴィッド・フィンチャー監督はこう言うのん好きなんやろうね~



★★★★ 2007.6.21(木) 布施ラインシネマ10 北館 シネマ4 19:25 J-4

No.062 「プレステージ」 (2006年 米 130分 シネスコ)

2007-06-23 01:32:12 | 2007年劇場鑑賞
監督 クリストファー・ノーラン
出演 ヒュー・ジャックマン
    クリスチャン・ベイル
    マイケル・ケイン



マジシャン対決を謳った作品でMrマリック何かがコマーシャルで登場したりして、結構その部分を強調していたけど、マジシャン同士のマジック対決ってちょっと面白くない?
そんな期待をしての鑑賞でした。
監督が「メメント」のクリストファー・ノーランって事で、こういうトリッキーな映画はついつい期待度も高まりますね。

当初の予定では「ゾディアック」を先に見てこちらを見る予定だったけど、時間が間一髪間に合わなかったんで、少し時間を遅らせてこちらを先に見る事にした。
どちらも長い映画だから疲れそうだな今日は・・・

(あらすじ)

若く野心に満ちたロバート(ヒュー・ジャックマン)とアルフレッド(クリスチャン・ベイル)は、マジシャン(マイケル・ケイン)の助手をしていた。ある晩、舞台の事故でロバートの妻が亡くなったことが原因で二人は敵対するようになる。その後、彼らは一流のマジシャンとして名声を得るが、その争いは次第に激しさを増す。

この映画の内容を聞いた時、最初に思ったのが「FX/仕組まれたトリック」という映画。
映画の特殊効果マンが持ち前の特殊効果のテクニックを使って活躍する話だけど、この映画もマジックと言う特殊能力を使ってのマジック対決の作品。

ヒュー・ジャックマンとクリスチャン・ベイルの2人が一流マジシャンとして腕を競う・・・と言うより騙しあいに足の引っ張り合いとレベルの低いケンカまがいの対決。
でも客のフリをしてショーを見に行き、しかも堂々と客として舞台に上がってマジックのネタの手伝いをして命まで狙おうとする命がけの足の引っ張り合い!


               ネタバレ軽報・・・
ネタバレまではしないですが、軽くオチについての感想なんで鑑賞予定の人は敢えて見ないほうが良いです
































予告で「130分全てのシーンに目を凝らせ!」てあるけど、細かい伏線などは数回見れば色々発見できそうですね~こう言う映画は。
ただ期待してたほど私はそんなに驚くことは無かったですね。
期待が大きすぎたのかも知れないけど、正直言って途中でネタが判ってしまった・・・これは多分ほとんどの人は見破ると思いますけどね。
色んな意味で大体の想像がつくんだけど、それを更にどう裏切るってくれるか?て言う期待が膨らむんだけど・・・残念ながらそのまんまだった。

ネタバレ出来ないからあまり書けないけど、マジックを使ったマジシャン対決らしい鮮やかなテクニックによるトリックで驚きたかったんだけど・・・そっちで行くか~ て感じで、そっち方面に展開すると何でもアリの領域になってしまうからチ~ト残念。



★★★ 2007.6.21(木) 布施ラインシネマ10 北館 シネマ7 17:10 M-13

No.061 「御巣鷹山」 (2005年 日本 80分 スタンダード)

2007-06-21 11:36:50 | 2007年劇場鑑賞
監督 渡辺文樹
出演 渡辺文樹
    堀田不同
    荻野祥子



もう10年ぐらい前になるかな・・・街中に突然あらわれた不気味なポスター。
電信柱に1本おきぐらいの間隔で貼られた謎のポスターはどうやら「バリゾーゴン」という名の映画らしい。
しかもポスターの上に殴り書きで「失神者続出!」「生理不順な方ダメ!」「子供は絶対見るな」「吐くのは恥じゃない!」など「どんなショッキングな映画なんやろ?」とホラーファンでもある私はおおいに食指をそそられたものでした。
きっとこれはホラー映画だと誰もが思ったハズだと思います。

「原発のある村 女教員は便層の若い青年の腐乱死体を愛していた・・・」こんなコピーのポスターに「相当に吐くぐらいえげつない映画なんやろな」と思ったほどですが、後にTV報道でこの作品が広島で上映された時、観客が金返せ!と暴動騒ぎになったという事を知った。

この映画はホラーでもなければ残酷シーンも出て来ない、社会派ドキュメントであるらしい・・・この渡辺文樹という監督の作品は映画館では公開されず(劇場がトラブルを恐れて上映を嫌がってるらしいが・・・)自主上映という形で公民館などを借りて1日だけの上映会を全国でしてるようである。
しかもマスコミ媒体では取り上げられるまでもなく、その活動は神出鬼没で広告は電柱に貼られたポスターによる告知のみ!
しかもそれらポスターを監督自ら貼ったりしてるらしい・・・
あの妖しげなポスターが街の電柱を埋め尽くしたらヤツがその街にやってくるサインなのだ・・・

いつか機会があれば見て見たいな~と思ってたら、たまたま通勤で朝、チャリンコを転がしてたら久々に電柱で見つけた妖しげなポスター・・・「おお~また来るんか?」
今回は「御巣鷹山」と言う作品がまた上映されるようだ。
今回はついに時間が合いそうで見れる・・・しかも今回は3日間にわたり一気に渡辺監督の作品の特集上映のような形式で他にも「バリゾーゴン」「腹腹時計」など一気に見るチャンス!
ただ渡辺ビギナーの私は続けて見るのはキツそうだから初日の最終回上映の「御巣鷹山」を見る事にした。

場所は大阪 森ノ宮青少年会館のプラネットホールというところで、街中にポスターがベタベタ貼られてる割には会場付近にはほとんで見かけない・・・会場内すら貼ってないのは意外だった。
開始20分前につき会場に着くとエレベーター前で「御巣鷹山」のチラシ(にしてはデカイが)を読んでるサラリーマンが一人・・・そうそうまず興味があるのはどんな客層なのか?て事です。

エレベーターで4Fにあがると目の前に机が置いてあって、その机の前に親子らしき女性と3歳ぐらいの女の子が座っていた。
ここが切符売り場見たいで、私を見つけるや否や「いらっしゃいませ」と女性の方が声をかけてきた。
そこで1200円払って「御巣鷹山」のチラシ(にしてはデカイが)をもらってたら奥から「いらっしゃいませ~」と言って出て来たのが渡辺文樹監督自身ではないか・・・どうやら女性と子供は監督の妻子のようですね。
3人が受け付けで何やら話してるのを見てたら、どうやら子供をトイレに連れて行きたいから、監督に受付をしばらく見ててくれと頼んで交代してる様子だった・・・

中に入ると雛壇式の小劇団が公演するような劇場で観客3名・・・でも上映間近には30人ぐらいに増えていた。
まばらに座ってるからソコソコ入ってそうだがキッチリ詰めて座らせたら3分の一ぐらいかな?
客層はほとんで30代前後の男性でほとんど一人で来てる模様で、中には背広姿の人も多く見かける。
女性が単独で来てる人は2名いらしたが、二人とも綺麗な人だったな・・・
フッと思ったけどまさか遺族の人とか居ないやろな・・・居る可能性もあるがね。

開始前客席後方の入り口から監督自ら挨拶と、この作品についての解説があった。
それもマイクを使わず地声でするから聞き取り難い部分もあり、久々に人の話に耳を大きく傾けたよ・・・前に出て言えばいいのに何故か後ろで喋るんやね~

その解説によると監督がある関係者から日航機墜落の真相を聞いたけど、「海外の航空関係者は皆知ってるけど、日本人だけが事実を知らないらしい・・・」と言われたとの事。
昨年も大阪で上映会をしたら、その後、映画を見た堺の元自衛官が土下座して渡辺監督に謝ったらしい・・・ホントかいな?
でも本人はいたって真面目に語ってたけどね。
「まぁキツイ映画ですけど最後までご覧ください・・・」(違う意味でキツイ?!)と言って監督自ら映写機を回して上映開始!(思えば場内のスタッフは監督と奥さんと子供の3人やね・・・子供は小さいから実質2人か)

この作品は1985年8月12日に日航機123便が御巣鷹山に激突墜落したのは自衛隊機による撃墜だった!
という奇想天外?な事実を描いた作品なのです

ミニシアター程度の大きさのスクリーンに映し出されたのは何とスタンダードサイズでしかもスクリーンの真ん中だけで収まる小さい画面・・・昔、学校の講堂で見せられた交通安全とか性教育の映画を思い出したぞ!
しかも内容もそのレベルの三文芝居が続くことに・・・

(あらすじ)

あるお寺で剣道の奉納試合に参加した中曽根首相の元の後援会の人間と名乗る男が面会を求め、首相と会談することになるが、霧が立ち込める寺の境内で渡辺(監督本人が演じてます)と名乗るこの男と中曽根との間で衝撃的な会話される・・・それは日航事故の遺族の若い夫婦がセスナ機の機中でパイロットを切りつけ機上から飛び降り自殺をしたと・・・この夫婦は実は渡辺の娘夫婦で、日航事故で子供を亡くし、記者だった夫が独自の調査で自衛隊機の撃墜である事を掴み、今は民間のパイロットをしている、撃墜を実行したパイロットに真実を語らせようといて及んだ凶行だった。
そして渡辺は中曽根の息子が乗っているジャンボ機に爆弾を仕掛け、中曽根にその事実を公表するように求める・・・

ほとんど渡部氏もテロリストやね~
ほろんど寺の境内で剣道の防具を付けた老人たちが見守る中での渡辺と中曽根の会話が中心で、回想シーンを交えながら日航機123便墜落事故の真相を描いていくけど、まずセリフと口の動きが終始ずれてるのと、口が動いていてもセリフが無かったり(笑)たまに画面や音声が途切れて真っ暗になったりフィルムが飛んだりと、かなりフィルムの状態が悪い!(出演してる素人の役者の下手な演技が気にならないぐらい)
内容云々よりそちらが何よりも気になりましたね。
そういえば始まる前にも画質が劣化してることは前もって言ってたけど・・・

またツッコミ満載の珍ネタ揃いの映画でもありますね。
夏の事故のハズなのに時折吹雪になって雪山の中を歩いていたり、ラストの立ち回りは木刀を振り回してるのに何故か切れ味よく血しぶきが上がったり、大怪我をして全身グルグルに包帯が巻かれていて、顔中包帯だらけのミイラ男状態の顔の目の部分にメガネをかけてるというコントまがいの描写や更に産まれて数ヶ月の赤ちゃんが渡辺に抱かれて「じいちゃん・・・」て喋ったり(監督の娘?あの受付にいた子の小さい時かな)・・・その他モロモロのいい加減な描写もどんなに本人が事実と言っても信憑性が大きく薄れてしまうな~
また事実を知る人間が命を狙われ、謎の公安関係と名乗る組織の人間に保護されてついベラベラと真実を愚痴ると何とその公安関係と名乗る男が自分の顔をベキベキと引き剥がし、何とマスクの下から出てきたのは・・・・渡辺監督!(あんた天知茂の明智小五郎か!)

監督自ら掴んだネタでエンターティメントな活劇要素を入れようとして爆弾テロまがいの航空サスペンスや天知茂ばりの変装を使ったミステリアスなトリック、そしてクライマックスの数十人の老人相手の木刀でのチャンバラ・・・粗い編集とガタガタのフィルムで見せてくれるけど、どうも滑稽で仕方がない!
しかし渡辺監督の「それでもヤッテヤル!」という心意気は判るから不思議ですね。
決して確信犯的にバカ映画を撮ってる訳でなく本人はいたって真面目に取り組んでるのがヒシヒシと伝わってきたよ。
ま、自主上映でないとこれは無理ですね・・・商業映画ではないからね。

映画終了前のナレーションこの事件の真実が語られるがそれによると・・・

演習中の自衛隊の無人標的機が誤って123便に激突!123便はバランスを失いダッチロールを繰り返し、一旦はファントム戦闘機の誘導により神奈川県の横田基地に着陸しようとしたが、突然に日本政府及び米軍は拒否!再び迷走することになるが、別の場所へ胴体着陸を機長は試みようと決意するも不可能と判断、再び横田基地を目指すも、日本政府の命令により123便はファントム戦闘機により撃墜されることになる・・・123便に激突した無人標的機の残骸が突き刺さっており、このまま着陸させたら事故が発覚するのを恐れたのと、それと123便の貨物室には極秘に運搬していた日本政府のある“物”があったため・・・墜落による発覚を恐れて撃墜したらしい。(最後のこのナレーションだけで内容が伝わるんで、この部分だけで充分なんだけどね・・・途中のドラマはいらんね・・・)

墜落現場を早くから掴んで置きながら、発表を遅らせたのはその“物”をまず回収することが最優先されたことらしく、その“物“を回収後にあたかも墜落現場がやっと特定できたように情報を流したよう・・・“物“については今、街中であの妖しいポスターで溢れかえっていて渡辺文樹がやってくるのを心待ちにしてる方々が読んでたらいけないので伏せておきます(ま、想像はつくでしょうけど)

これが事実なら国家レベルの日本国最大のスキャンダルであり犯罪だけど、これらは渡辺監督は米軍関係者から聞いたことで、海外の航空関係者ならよく知られてるとのこと・・・ホンマかい!

この映画を中曽根元首相の地元の群馬で公開したところ現地の反応は「何も新しい事実を描いてないじゃないか!こんなこと地元では皆知ってるよ!」だって・・・ホンマかい!

撃墜に関わった2名のパイロットは一人はすでに死亡、もう一人は気が狂ってしまったそう・・・更に積まれていたある“物“の影響で事故現場で作業していた自衛隊員が一様にその後に体に変調きたしたそうな・・・ホンマかい!

でもネタの信憑性や映画の内容はどうあれ(本人はいたって真面目!)見る側の好奇心を揺さぶるのはこの人上手いですね。
見世物小屋的なポスターの張り紙や、ゲリラ的な宣伝方法と限られた空間のみ共有出来る上映方式・・・そこに行かなければ(または渡辺文樹監督が街に来てくれなければ)見ることの出来ない作品群はある意味カルトと言う言葉だけではない貴重さがあるかもね~
ただ映画としてのレベルは・・・?????

私はあらかじめどんな物か予備知識あったんで腹もたちませんが、普通の映画を見にきた感覚の人は「何んじゃこりゃ?」とご立腹されても不思議ではないと思います。

映画が終って明かりが付いてまだ何かあるのかな?と言うような場内の雰囲気があったけど、やがてゾロゾロと無言で帰りだした。
外では数人の人たちが遠巻きに受付の机の上の「家庭教師」と「バリゾーゴン」のパンフを眺めている。(見た目はしっかりした普通のパンフレットやな・・・誰か買ってたね)
そんな針のムシロのような机の前でまるで群集に囲まれるように奥さんが「ありがとうございました~」と居心地悪そうに言ってました。
その横でパンフを睨む群集に囲まれながら母親を真似て子供も「ありがとうごじぇ~ました~」と言ってたのが微笑ましかったよ。(この子に罪はないよ~(笑))
机の上に「ビデオあります」ていう張り紙あるけど現品がない・・・何のビデオやろ(多分唯一ビデオ化されたらしいデビュー作の「家庭教師かな?」)

さて皆はどんな気持ちで帰ったんだろうね・・・私は作品の内容はもう期待しないけど、暴動騒ぎにもなった「バリゾーゴン」とか見てみたいな~
聞けば最新作がすでに完成してるとか・・・いつかまた電柱にあの妖しいポスターが貼られまくり出す日がきっと来るだろう・・・それはフィルム缶と映写機を下げて渡辺文樹が街を来襲する時でもある・・・



★★ 2007.6.18(月) 森ノ宮青少年会館 プラネットホール 19:00 中央最後列

No.060 「ラストラブ」 (2007年 日本 110分 ビスタ)

2007-06-19 00:32:40 | 2007年劇場鑑賞
監督 藤田明二
出演 田村正和
    伊東美咲
    森迫永依



今日は休みで朝から映画館(いやいまは映画館と言うよりシネコンやからシネコンやな)に行きました。
まだ9時台やけど人多いね~久々にきた地元のシネコン、アポロシネマ8だけど早い時間から見にくる人多いね。
待合はレイト見にきた時ぐらいは人居てそうだが、ただ年配層がほとんどだけど・・・
そんな客層に混じって見に来たのが田村正和さんの久々の映画主演作で話題の「ラストラブ」です。

(あらすじ)

かつてニューヨークのジャズシーンで活躍したサックスプレイヤーの阿川明(田村正和)は、妻の死をきっかけにこれまでの生活を捨て、ひとり娘と静かに暮らしていた。
ある日、明は清掃局に勤める若い女性・結(伊東美咲)と最悪の出会いをする。
二度と会うことはないと互いに思っていたが、その後、ニューヨークで偶然再会する。

まぁテレビドラマのような雰囲気の映画だけど、年の差を感じるラブストーリーと思ってたら、愛してどうのこうの・・・と言うより、妻を亡くし半端人生を諦めた男と、結婚が破談になり傷ついた女が出会うことにより、互いの存在が気持ちの中で支えとして大きくなっていくと言う感じに私は感じました。
もちろんやがて恋愛感情は少しは互いに後半は意識していくような展開にはなるんですがね。

この作品で14年ぶりに銀幕復帰となるらしい田村正和の相変わらずのダンディぶりはいつもながら・・・一緒やね。
どの役やってても同じ見えてしまうのは私だけ(古畑任三郎は田村正和の演ずる役柄の中では少し異質のキャラだから違うか)かな~
ヒュー・グラントなんかもそんな感じを受けるけど、セリフ回しやキャラ(ついでに衣装も)などはどのドラマでも同じに見えてしまい、今回の作品でも一緒です。
まぁ~それだけ彼の個性が強いって事なんだろうけどね~
でも彼のキザ・・・て言うかダンディな雰囲気はニューヨークの風景に溶け込んでます。
チャリティコンサートのシーンでコール・ポーダーの名曲「ビギン・ザ・ビギン」をサックスで吹きながら袖から登場する場面は決まってて粋ですね・・・田村さんならではです。
まぁ正直、田村正和のワンマンショーのような映画ですね。
鑑賞後はとにかく田村正和しか印象に残ってないな・・・

彼の相手役の伊東美咲さんも頑張ってたけど、親子ほどの差がある田村の相手役は意外と自然に似合っていて、この人は年増の相手役の方があうかもね。
ただ一人、浮いてたのがユンソナ・・・外国人の役なのか日本人の役なのかわからないけど、もし普通に日本人の役なら訛りのあり日本語は違和感あり・・・何故彼女がキャスティングされたか疑問やね。



★★★ 2007.6.18(月) アポロシネマ8 スクリーン7 10:00 G-12

No.059 「あるいは裏切りという名の犬」 (2004年 仏 110分 シネスコ)

2007-06-18 02:02:41 | 2007年劇場鑑賞
監督 オリヴィエ・マルシャル
出演 ダニエル・オートゥイユ
    ジェラール・ドパルデュー
    アンドレ・デュソリエ



今年の前半にミニシアター系で公開されていた作品が天六ユウラク座で上映される・・・
以前きた時にポスターで告知されていて知ってたが、最近天六はこう言う形で見逃した作品がよく公開される。
それだけ新作の公開が減ったていう事ですが、見逃した作品をしてくれるのは有難い反面、お馴染みのB級映画の新作が見れないのも寂しいね。
いつもなら時間的にはイビキをかいて寝てるオッサンばかりの場内だけど、作品の性質上かして、一人で見にきてる女性は居たりしていつものユウラク座とは少し感じが違う?
場内の雰囲気を知ってか知らないでか、勇気ある人やな~ まぁここは酔っ払いは居ても、あまり痴漢とは居なさそうやが・・・

フランス映画って結構苦手なジャンルなんですが、特に最近のフランス映画って見なくなりましたね。
でも古くはジャン・ギャバンやアラン・ドロンの犯罪映画なんかをテレビ洋画劇場で見て、子供心にたいへん面白く見ていたものでした。
「ボルサリ-ノ」「冒険者たち」「地下室のメロディ」・・・ジャン・ポール・ベルモンドの「恐怖に襲われた街」なんか劇場で見たいな~と思ったものでした。

そしてこの「あるいは裏切りという名の犬」はそんな時代のフランスの作品を邦題から連想してしまいます。
何とも70年代テイストのこの邦題がいかしますね!

(あらすじ)

パリ警視庁の警視レオ(ダニエル・オートゥイユ)とクラン(ジェラール・ドパルデュー)は、互いにライバル心を抱き、次期長官の座を争っていた。
現金輸送車強奪事件でクランが犯したミスによって、レオの親友エディ(ダニエル・デュヴァル)の命を奪ったのを機に、2人はますます対立の様相を深めていく。

久々のノワールな映画を見せてもらった印象・・・それもどことなく香港ノワールな感じの映画を・・・
ジョン・ウーやジョニ-・トゥあたりが描きそうな男たちの世界・・・でも香港ノワールに付き物の銃撃戦は香港映画ほどハチャメチャじゃないけどね。

ダニエル・オートゥイユとジェラール・ドパルデューが演じる2人の刑事の渋いこと!
2人のキャラが明確に判れてることでどちらが良い人で悪い人かってのがわかりやすく、見る側に感情移入しやすかったです。
でも単に善悪で判断出来ない複雑な警察内部の出来事と、かつて一人の女性を互いに愛してしまったと言う個人的感情が相まって重厚な人間ドラマが描かれています。

監督が元警察官ってことで、内部の描写なんて結構リアルなんでしょうね。
事件を背景に警察内の権力争いなども絡ませてるところなどは現場を生で体感してきた人ならではでしょうね。
ラストが少し呆気ないと言うか、さりげないく終ったのがやや拍子抜けだったけど(香港映画ならもっとドラマチックに派手にエンディングを飾りそうなものだけど)

パリの深い闇の中に男たちの怒りと悲しみが交差する・・・天六らしからぬ映画でした



★★★ 2007.6.16(土) 天六ユウラク座 22:15 中央通路前

グルメスポットvol 10 竜敏(寿司)

2007-06-17 01:20:03 | グルメ
北海道/小樽市堺町5-47/TEL : 0134-31-3888(寿司)

観光スポットの中心にある寿司屋
良質のネタの割りにはリーズナブルな価格で、北海道らしい寿司が食べれる
また、修学旅行生が多数来る街ながら学生よりも、ツアー添乗員や教師などが訪れる。
結構ツアー関係者からの紹介で訪れる人が多く、そんな場合一品、珍味をサービスしてくれたりもする(タコの卵とか)