話題沸騰中のNetflixのドラマ見ました!
ゆりあんレトリィバァが女子プロレスの大悪党ダンプ松本を演じる事で話題になってるこの作品
ダンプ松本の半生を描かれているんですが、そこには夢を求めてプロレス界に飛び込んできた女子達の夢や希望だけでなく挫折、嫉妬、憎しみと男子とはちょい違った感情が入り乱れる凄まじい人間ドラマとなっている
ダンプ松本とクラッシュギャルズの長与千種、ライオネス飛鳥の3人が中心でドラマは周りますが、ドラマはビューティーペアからスタートするのが好感持てます
全てあの2人から後の女子プロレスの世界が始まるだけに、ここを出発点にしたのは良いですね
それぞれがジャッキー佐藤に憧れている姿…当時の女子プロレスの選手たちは皆そうだったんでしょうね
長与とダンプの落ちこぼれ2人の友情から血で血を洗う抗争を展開するまではちょい端折り気味で駆け足感を感じましたが、全5話でここまで詰め込めるんだから、それは仕方なし
しかし我々のようなリアルタイム世代からしたら再現度の高さが秀逸でした
唐田えりか演じる長与千種は最初はイメージがどうかと思ったが、後半ある時に鋭い視線をダンプに投げかけた場面はまさに長与が憑依したかのような迫力がありました
剛力彩芽のライオネスも剛力彩芽てわからんぐらいになりきってたし、ゆりあんは悪役になってからはダンプ松本そのもの!
特に長与との大阪城決戦はまさにゆりあんを捨ててダンプ松本になりきったかのような壊れ具合で凄まじい!
もはや演技ではなくダンプそのものでした
また宣伝カーの存在や会場に詰めかけるファンの女子達の髪型など当時を意識してるし、週刊プロレスや週刊ファイト(微妙に名前変えてるが)の表紙のレイアウトなどさりげなく再現
実況中継の放送席に植田コミッショナー(またそっくり!)がしれっと席ってるのもツボ(笑)
ここまで来たら松岡きっこも再現して欲しかった(笑)
実名でジャガー横田や大森ゆかり、クレーンユウ、モンスターリッパー(!)、デビル正美、ブル中野…そして阿部四郎
みんな役者さんが身を削って演じているのが凄い
全日本女子プロレスを運営する松永兄弟は斎藤工だけ昭和っぽく無かったが…(笑)
プロレスシーンも実際の名場面をアングルから見事に再現してたり、ドロップキックの飛び方や角度まで当時の女子プロレスラーらしく描かれている
会場の雰囲気、入場テーマ曲、リング上の歌謡ショー(「かけめぐる青春」、「炎のバイブル」)の雰囲気、リングアナのコールの仕方…もうタイムスリップでしたわ
女子たちが故に様々な人間模様があり、昭和らしい厳しい上下関係は今ではきっとアウトな事案ばかりですね
またチャンピオンのジャガー横田と人気No. 1のクラッシュギャルズとの確執も女子プロレス1強時代ならではのスター複数が並び立たずのような状況も生々しい
ダンプ松本をテーマに当時の女子プロレス界の内側を見せられてるような感覚にもなるくらい描かれてます
現代のプロレスの認識では避けて通れないアングル(劇中ではブックと表現されてる)あった上でのプロレスと言う所もきっちり描かれて、そこへアングル破りなのも出てくる
(あのクライマックスの伝説の試合がアングル破り?ほんまかいな)
クライマックスとなるダンプvs長与の髪切りマッチは当時現地観戦してた者としては雰囲気と臨場感は完コピ過ぎて悶絶!
当日の事を書けば大阪城公園駅を出て階段を降りたとこから行列が出来てると言う男子プロレスの大阪城大会を遥かに凌駕する光景にびっくり!
大阪城ホールのプロレス興行は新日本プロレスや全日本プロレスでも入場者10000人行くか行かないかの時代に対して、たしかこの日は12000人くらい入ったと思います
女子プロレスでこの数字は当時では破格だったんではないでしょうかね
もう会場はほぼ女子中高生!
当時は二十歳すぎの私でさえ浮いた存在!
そして壮絶な結末は長与が椅子に極悪同盟たちに押さえつけられ、ダンプがバリカンで長与の髪の毛を刈る!
「いやー!」「やめてーー!」「ちぐさー!」女子達の泣き叫ぶような悲鳴と嗚咽にまさにパニックとなった大阪城ホールの異常なまでの空気に圧倒され、ガチに長与千種の髪の毛が刈られていく姿に身体が震えた
その数年前に大阪府立体育会館で見た猪木vs木村の敗者髪切りヘアーマッチでの誰も坊主にされなかった予定調和な不完全燃焼試合とは大違い!
そしてこのドラマのクライマックスがこの試合なんだが、細部は覚えてないけどその入場からラストの髪切りまでの再現度が素晴らしい
会場の雰囲気はまさにあの感じ(またはそれ以上?)
プロレスが好き、リアルタイム世代とかと言うのも差し引いてもこのドラマは良く出来ていると思います
ゆりあんの熱量、さらに唐田えりか、剛力彩芽のスキャンダル先行だった2人が役者として大きく化けそうな可能性を感じさせてくれる熱演
この3人だけでなく、レスラー役の方々が実在の人物を決してものまねではなく演技で似せていく姿にも感動させられます
ラストの試合はちょい涙が・・・
実際の髪切りマッチは今では地上波では絶対放送不可能な試合ですが(普通に茶の間で放送されてた)
このドラマも地上波でも無理!
だからこそ振り切った演技と演出が出来た故の傑作ドラマ誕生!
昭和の出来事を今のコンプライアンスでは完全再現は厳しいね
それを成し得たこの作品は期待以上でした
YouTubeなどでここで描かれた実際の試合を見返すといかに再現度が高いか感心してしまいます