MOVIE KINGDOM Ⅱ

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ポイントは★~★★★★★★

No.065 「アポカリプト」 (2006年 米 138分 ビスタ)

2007-06-30 00:40:37 | 2007年劇場鑑賞
監督 メル・ギブソン
出演 ルディ・ヤングブラッド
    ダリア・エルナンデス
    ジョナサン・ブリューワー



「マッドマックス」「リーサル・ウェポン」シリーズの主演でお馴染みのメル・ギブソン監督の最新作。
前作「パッション」ではキリスト最後の半日を徹底的なバイオレンス描写で描き、イエス・キリストをここまでシバキ倒した映画は今まで無かったぐらい壮絶なインパクトを植え付けてくれました。
そして今回の「アポカリプト」も噂によれば画面から死臭が漂うような血生臭い作品だとか・・・色んな意味で期待を込めての鑑賞です。

(あらすじ)

誇り高き狩猟民族の血を受け継ぐジャガー・パウ(ルディ・ヤングブラッド)は、妻や仲間とともに平和な暮らしを送っていた。
ところが、ある日、マヤ帝国の傭兵による襲撃を受け、仲間とともに都会に連れ去られてしまう。
そこで彼らを待ち受けていたのは、干ばつを鎮めるためにいけにえを捧げる儀式だった。

冒頭の野ブタを追う場面からスピーディなカメラワークで、見るものの視線をスクリーンに釘付けにします。
この映画はジャングルをとにかく縦横無尽に走りまわるアクション映画として充分楽しめると思います。
そしてスプラッター満載、人体損壊描写テンコ盛りの大虐殺映画でもあります!

マヤ文明についてはそれほど知識もないので、細かい事は判りませんが、学者などからクレーム付いたらしいですね。
でも全編マヤ語のセリフにしたり、ジャングルの向こうにそびえたつピラミッドを再現したりと、彼なりには相当リサーチしてるようですね。
彼のこだわりは相当なものかなと思います。
何かとバッシングもあるようだけど、前作「パッション」同様、徹底的なリアリズムの追及は形は例えバイオレンス描写であれ表現者としてはアリかなと思います。

ピラミッドの階段から、はねられた首がコロコロと転がり落ちるシーンでも、時には大きく弾んでいたり細かい動きをしてるのも非常にリアルですね~
また、首の無い胴体が落ちるシーンでも不快なまでのリアルな体の質感はさほどアップでもないのによく出来てるなぁ~と不思議に思ってたら、何と実際のスタントマンが転がり落ち、首はデジタル処理で消してるそうな(へ~!!!)そらぁ迫力あるわな~!
首なし死体が山積みされてるカットなどたしかに嫌~な匂いが漂ってきそうなぐらい・・・
メル・ギブソンはオスカーを取ってるだけの事はあると思いますが、安全圏のようなハリウッド映画でなく、こう言う未知の題材で、しかも観客を色んな意味で刺激するような作品を撮るのは彼のキャリアから考えれば結構勇気いるかもね?

後半の見所のジャングルの中での追跡シーンは人間の体一つで「走る」という単純なアクションであそこまでの迫力が出せるのも凄いと思いますよ。
あの疾走感はかつての「マッドマックス」シリーズのカーアクションで彷彿させるほどでしたね。

愛する妻子のため命をかけてジャングルを逃亡していく主人公の悲壮感も出てるし、やがて逃げるだけでなくランボーばりに反撃に転じていく終盤など「パッション」より娯楽色が全面に出ていて良かったと思います。
前半から中盤にかけて、和やかな村の情景から一転、大虐殺による地獄絵図を描き、生け贄にされるため長い棒に首を繋がれジャングルを連れまわされていく・・・ここまでが結構時間を割かれて描かれており、くどいように感じがちだが、全て後半の為に必要だったんでしょうね。
主人公が悲惨な運命をたどったり、悪役が徹底的にワルなほど後々の爽快感が強くなりますからね。

その悪役だけど何となく皆「マッドマックス2」に出てきそうな暴走族を連想してしまうんだけど気のせいかな~?



★★★★ 2007.6.28(木) MOVIX堺 シアター6 16;20 H-4