MOVIE KINGDOM Ⅱ

映画に関する話題やライブ&イベント、ローカルなグルメ情報など色々話題を広げて行きます
ポイントは★~★★★★★★

No.33 「ACIDE/アシッド」

2024-09-07 19:02:00 | 2024年劇場鑑賞




久々の映画鑑賞
半月ぶりか…
急遽見る予定になったこのフランス産「魔鬼雨」…ま、ちょっと違うけど(笑)
逃げも隠れも出来ない完璧なディザスターサスペンスとなるこの作品
まさに"溶ける雨"の恐怖が展開される

企業に対するデモで逮捕されて発信機をつけられて政府の監視下で生活するミシャル
彼には同じ活動の同志で足を負傷し病院で入院する恋人カリンが居る
異常気象による異常な強酸性雨がフランスに降り注ぎ、大パニックが各地づ起こり、ミシャル達の住む場所にも今にも降り出しそうな時、元妻のエリーズから連絡が来て、娘のセルマが寄宿舎の実習中にはぐれ酸性雨の危機にさらされてる事を知り救出に向かう
間一髪にセルマを助けるのに成功
元妻と娘を連れて強酸性雨から逃れようと避難をするのだが…まさに地獄の逃避行となる

元妻と娘を連れて強酸性雨から逃げるミシェル
彼とは犬猿の仲の元妻の兄から救出に行くと言われても、元妻や娘の意向を無視して恋人カリンの元に行こうとする姿はハリウッド映画ではありえないキャラ
故に元妻とは非常時であっても言い争いが絶えず
しかし群衆ひしめく橋の手前で警備隊と群衆の小競り合いに巻き込まれて元妻だけが橋の方に追いやられパニックとなった群衆もとも下の川に転落してしまう!
ここからミシェルとセルマの強酸性雨を避けながら避難するんだが…目指すのはやはりミシェルの恋人カリンのところ…
主人公となるミシェルは娘も救いたいが遠く離れたカリンも救いたい
空から容赦なく降って来る雨の前に打つ手無しの状態でこれは無茶な話
まさに"二兎を追うものは一兎も得ず"言葉が私の中で浮かんできた
それでも必死のミシェルは時には娘以上にカリンを気にかけ、携帯を充電してはカリンに安否の確認の電話をする

そもそも元妻が死んだ直後にカリンに今からそちらに救出しに行くと電話し、そのついでに救出しに行くと行った元妻の兄には片手間に一応1回は連絡したが繋がらずにすぐ諦めて、娘セルマに「叔父さんは全然繋がらないから恋人のカリンの元へ行こう」と勝手な事を言い、避難所から行き先変更してバスに乗る(セルマにしたら迷惑な話!)
この主人公でありながら、ちょいツッコミたくなるミシェルがある意味人間的と言うか実に非常時に本心が出るような展開は興味深かった
娘を気遣い、愛してるのもわかるがついつい自分本位の身勝手さが出てしまう
また酸性雨の中、家に入れてくれた透析してる子供を持つ若い母親の2人ぐらしの親子に対しても、食料不足で食べ物は貰えないと知るや、空き家となった近所の家から食べ物を盗んできて、逆に親子らに与えず娘のセルマと自分らだけでラザニアを食う…同じ仕打ちで返すと言う主人公にしては肩入れできない奴なんですね(笑)
しかも酸性雨でその家も崩壊寸前となり地下室に逃げた親子を助けずに車を奪ってさっさと娘と脱出する!
流石にこの非人道的な父親の行為にセルマがブチギレ!クライマックスとなって行く

しかし空前の非常時には人間は大切なものを守ろうしながらも、大事なものを見失う事もあるのかも知れません
この主人公は娘や元妻を守らないと思いながらも、その向こうに恋人セルマが常に居てるのがありありと分かる
(人によっては胸くそ悪いでしょうね)
私はそんな災害時の人間心理を感じました

しかし超強力な酸性雨とは恐ろしいアイデアですね
家に逃げても天井が溶けて落ちるし、水溜り踏んでは熱いし、水道水も飲めない(水が安全かどうか猫を使って試したりする)
まさに逃げ場無しとはこの事です
でも実際に異常気象の現代を思えば十分起こり得ますね

降りしきる酸性雨の中、建物などはダメでも何故か車は行けると言うのが謎(笑)
タイヤも溶けてもおかしくないのに…と言うツッコミもあるが私は面白かったです


★★★★  2024.9.6(木) TOHOシネマズなんば 別館 スクリーン12 20:30 G-10





「宇宙からのツタンカーメン」

2024-09-02 19:25:00 | DVD&ビデオ&テレビ(地上波/CS)





40年くらい前にテレビ朝日の日曜洋画劇場で放映された「宇宙からやって来たツタンカーメン」と言う映画がありました
前週の予告で見た時に顔半分焼けた女が出てきてショッキングだった記憶ありまして、当日の放送は見る事はありませんでした
しかしその後にホラーファンとなった私はその作品がずっと気になってまして数年前にDVDが発売され、これは買わなあかんなとなってから現在…未だ買ってません(見たいのに(笑))
しかし嫁さんがU-NEXT3ヶ月無料のキャンペーンを利用したのをキッカケに色々検索したら何とありますやんか「宇宙からやって来たツタンカーメン」が!
タイトルは「宇宙からのツタンカーメン」に変わってますが、今やトンデモ系のカルト映画となったこの作品をやっと見れる事になりました

ツタンカーメンの墓から発掘されたミイラは宇宙人だった…(邦題でネタバレ)
このミイラ男は一緒に棺に入れられてた5個の光る玉を学芸員に盗まれた事から、光る玉を取り返すべく殺人を繰り返す…




いかにもなミイラ男(宇宙人)の造形が古典的なやつ
盗んだ学芸員によって古物商に売られたり、ガールフレンドらにプレゼントされたりと拡散された光る玉を求めて夜な夜な街中を彷徨う
割と出て来るチープなミイラ男目線の一人称カメラがちよっとダラけてきます

ミイラ男の身体に付着する緑の液体に触れると触れた箇所から身体に火傷が進行して死に至る
昔見てショックを受けた予告に出てきた顔の焼けた女がその状態

しかしこのミイラ男は人間を殺したいのではなく単に光る玉を取り返したいだけ…それがないと元の宇宙人に戻れないので結果的に光る玉を持つ者たちが犠牲者となる
なんだかんだで1番悪いのは一儲けしようと棺の光る玉を盗んだやつ
当然そいつも報いを受けます

終盤は無事に光る玉も戻り、無事に宇宙人に戻った所で、彼を守ろうとした主人公の博士を連れて宇宙に帰ると言う突然、殺人ミイラ男映画から「未知との遭遇」見たいになり画面に大きく「 to be continued…」何と「つづく」で映画が終わる(笑)
何じゃこりゃ?

たしかに脱力系のカルト映画になるのもわかります
最初からそう思って見ると腹も立たない、それなりに私は楽しめた作品でした
真面目に見てたら脱力必至でしたね
でもやっと念願かなって見ましたわ
で…DVDはいつ買う?
書いませんがな(笑)
1度見たら充分!(笑)

しかし淀川センセイはどう解説したのかな?



「稲川淳二 ミステリーナイトツアー 怪談喜寿」

2024-08-31 00:51:00 | ライヴ&イベント




恒例の稲川淳二さんの怪談LIVE
「ミステリーナイトツアー2024 怪談喜寿」を森ノ宮ピロティホール見てきました
ここはもはや稲川怪談の大阪の聖地ですね






相変わらずの人気公演で平日でもほぼ満席!
しかも4日間もありそのうち2日間は完売です
ご常連さんが多いとはいえ、中高年以上の男女に混じって若い女性も結構目立つんですね
もちろん親子で来てる方々とかもいます

昨年はニュースにもある事件と稲川淳二さんのある出来事がリンクした怪奇談がメインだったが、今回はオーソドックスな怪談て感じ
もはや熟練された怪談話芸は怖さと心地良さが合わさる
やはり10代の頃にABCテレビの関西ローカルの昼の番組「プラスα」の怪談特集で見たあの生放送で起こった"怪異"から稲川淳二さんを長年追いかけてきた者には癒しのような効果がありますな

後半の心霊写真のコーナーの最後の写真は久々に見たが、なんかより不気味に進化してたようで怖かったね
いつも心霊写真でないものも敢えて見せて、不思議なだけの写真と本当の心霊写真との違いを解説してくれる
怪談90分に心霊写真30分のきっちり2時間は今年もいつもの夏を体感させて頂きました

終演後に森ノ宮の居酒屋で一緒に行った友人と飲んでたら、友人の家に出た怪異を聞いて追加でゾーとさせられた



★★★★ 2024.8.23(金) 森ノ宮ピロティホール 18:30 指定席 R-43



さらば永遠の二枚目 アラン・ドロンさん死去

2024-08-20 13:57:00 | 映画の話題






先日に残念なニュースが届きました

仏俳優のアラン・ドロンさんが亡くなりましたね
平成以降産まれの人にはピンと来ないでしょうが昭和人間にすればまさに巨星墜つ!
そのハンサムな容姿から60〜70年代の日本でも女性達に大人気で映画はもちろんCMでも有名になり大人はもちろん子供でも知らない人いなかった
「太陽がいっぱい」「ボルサリーノ」「冒険者たち」「地下室のメロディ」「アランドロンのゾロ」etc…
当時の世の女性たちは彼に夢中!
作品が公開されるたびに劇場に女性ファンが詰めかけました
今で言うK-POPや韓流スター…しかしアラン・ドロンは圧倒的に世間に知名度がありましたね
映画雑誌の毎月の人気投票では1位かまたは上位に必ずいました
何よりも明らかに"手が届かない存在"ってのがまさに大スターでしたね

CMでは紳士服メーカーのダーバンが有名で毎日アランドロン見てた気がする
ドロンがCMで言う言葉「ダーバン!◎△$♪×¥●&%#?!」とターバンの後に適当なフランス語言うて遊んでました(笑)
因みに同時期に男性化粧品のマンダムのCMはチャールズ・ブロンソン
ブロンソンの「う〜んマンダム」も決め言葉でした

相手に「あごさわってみ?」て言う
そして相手がさわると
すかさず「うーんマンダム」て言うてやるギャグも我々の中で流行ってました(何がおもろいねん(笑))


アラン・ドロンの話になると必ず私が書くネタなのですが、私の姉もドロンの大ファンで私が小学生の頃に大阪の谷九で喫茶店してまして、その店名を彼の作品「ル・ジタン」から取って「喫茶ジダン」にしてました(その喫茶ジタンに深夜に姉と兄と私と3人が集結して南街劇場の「オーメン」のオールナイトを見に行ったのはまた別の話な)



追悼を込めて私は昨夜から彼の作品「リスボン特急」を上映してます
ま、見てるの私だけですが…
こないだもアランドロンの「レッドサン」見てて、やはり永遠の二枚目やなーと思ってたとこでした



私が物心ついて映画ファンになった時は既に大スターでした
劇場で主演映画は見てないですが、野沢那智さんの吹き替えによる洋画劇場では色々と楽しませてもらいました



ご冥福をお祈りします
合掌

ところでハンサムな意味の「二枚目」って…もう死語?



No.32 「台北アフタースクール」

2024-08-12 15:07:00 | 2024年劇場鑑賞





閉館が決まったシネマート心斎橋へ
奥さんの用事の待ち時間に映画鑑賞
時間的に合ったのがこの作品
まったくのノーマークの作品

病床の予備校の恩師を尋ねチャン・ジェンハン、チェン・シャン、ワン・シャンハーのかつての問題児3人組
恩師シャオジーと過ごした、今は廃墟となったかつての予備後を訪れて懐かしさに浸っていると様々な青春時代が甦ってくる…

レスリーチャンによる吉川晃司のカバー「モニカ」が流れるオープニングでスタート
現在から過去へと話が飛び、ストーリーの中心が1994年の主人公たちの青春時代となります
ノスタルジーに満ちたドラマとなり、マドンナや飯島愛の写真集など世相を表すネタを入れながら3人の青春ストーリーが展開されていく
いつもドンパチな事やらかし、予備校長に怒られる(3人の1人が実は予備校長の息子)
しかしこの作品はノスタルジーな話だけでは終わらない

最初のシーンで恩師を見舞いに来た悪ガキ3人組
しかし1人が女性やったんですよね
これは誰?たしかに憧れのマドンナのような女子が出てくるが、その娘だとなんか不自然…
そう3人の主人公の1人が性転換してるんですね
ノスタルジー青春映画から、途中からジェンダー問題が絡んできます

チャン・ジェンハンとチェン・シャンはいつも2人一緒でジェンハンの家に入り浸ってるほどの間柄
ジェンハンはクラスの女の子に片想い、何とか彼女を射止めうとするのはよくあるパターンだが、いつも一緒にいるチェン・シャンがある日ジェンハンにキスをしてしまう…親友に突然キスせれブチギレて戸惑うジェンハン…

更にもう1人の仲間のワン・シャンハーが女装に興味がある事をカミングアウト!
そして彼らの恩師である型破りな授業で生徒の心を掴んでいた教師師シャオジーもゲイで…途中からこの作品は違った側面を見せて来ます
ジェンダー問題に直面した友人や周囲の人たち、更にその家族らの戸惑いを今の時代のテーマのように描かれていく作品でもあるんです

青春回顧録のような青春コメディと思わせてそんな問題定義も見せるのは意外でした
ちょい無理にこのドラマにそんな問題を付けなくても…と言う気はするが、これ実話らしいんですね
でもなかなか面白くは見れました
それぞれキャラがあって良かったです
しかしこう言う主人公たちのアホな連中は共感持てます(笑)



★★★★ 2024.8.10(土) シネマート心斎橋 劇場1 16:00 H-10