MOVIE KINGDOM Ⅱ

映画に関する話題やライブ&イベント、ローカルなグルメ情報など色々話題を広げて行きます
ポイントは★~★★★★★★

No.074 「ゴースト・ハウス」(2007年 米/カナダ 90分 ビスタ)

2007-07-31 00:27:19 | 2007年劇場鑑賞
監督 オキサイド・パン 、ダニー・パン
出演 クリステン・スチュワート
    ディラン・マクダーモット
    ペネロープ・アン・ミラー


監督や脚本家などの映画作家の中で結構良く聞いたり読んだりするのにホラーファンが多いこと・・・ヒッチコックやダリオ・アルジェント、ジョージ・A・ロメロをリスペクトする映画作家って結構多いように思います。
ダークキャッスルエンターティメントを立ち上げたロバート・ゼメキスなんかもその一人で、彼がプロデュースする作品のホラー映画はホラーファンとしては結構楽しめるし高い水準の作品を送り出してると思います。

そして「死霊のはらわた」で一躍有名になり、B級ホラー映画の枠を飛び越え今や超メジャーな存在となり「死霊のはらわた」というよりも「スパイダーマン」のと言っていいぐらいのサム・ライミ率いるゴーストハウスピクチャーズの最新作がこの「ゴースト・ハウス」です。

(あらすじ)

大都会シカゴを離れ、ノース・ダコタの人里離れた農場に引っ越してきたソロモン一家。失業中の父ロイ(ディラン・マクダーモット)はここでのヒマワリ栽培に賭ける一方、家族の心をバラバラにした問題児の長女ジェス(クリステン・スチュワート)の存在に頭を痛めていた。
そんな中、ジェスは家の中で怪現象の数々に遭遇し始める。

古くは「たたり」や「ヘルハウス」「家」「悪魔の棲む家」などいわゆるお化け屋敷ものの映画は多数公開されてきました。
古い家、地下室に壁の染み、悩めるヒロインと幼い弟(またこの子だけに幽霊が見えたりするんだな)etc・・・このテの映画では定石のアイテムと設定がしっかりと押さえられていて、今までのお化け屋敷ムービーに乗っ取ったパターンでストーリーは進行していきます。
しかしそれまでの作品とは全然違った事は作品全体の雰囲気が一味違うことでした。
それはお化け屋敷にとりついてる幽霊の見せ方や恐怖演出がJ・ホラーに代表されるようなアジアンテイストなことです。
監督があのタイ産ホラー映画である「the EYE[アイ]」を監督したバンブラザースって事で納得!
これがハリウッド進出第1弾との事で今後期待したいですね。

アメリカのホラー映画らしくない幽霊の見せ方はアメリカの観客には「THE JUON/呪怨」などで慣れてるだろうけど、似た系列の作品である「家」や「悪魔の棲む家」などとは明らかにタッチがJ・ホラーでした。

ヒロインの背後に迫る不気味な幽霊をヒロインの子にピントを合わせることで背景の幽霊をボケさせて得たいの知れないものとして観客に見せる演出や、ドアの向こうから無数の腕が伸びてきて部屋へ引きずりこもうとしたり・・・このハリウッドホラーらしからぬムードは結構良かったですね。

また最近よく使われる手段として大きな音で驚かせる恐怖演出がありますが、この作品もそういうところが見れますが、ただ音を大きく出して驚かせるだけでなく、ドルビーデジタルサラウンドなどの効果を上手く利用した音響の使い方で観客に幽霊たちに一瞬囲まれてるかのような錯覚に陥るような音響を聞かせてくれます。
まぁここらは劇場の音響の良し悪しで多少違うでしょうけどね~
是非とも音響のいい劇場での鑑賞をオススメします。

今回はそれほど有名な俳優は出ていないけど、ヒロインを演じるクリステン・スチュワートの地味な可愛らしさもいいですね。
スラッシャーものでありがちなバカカップルも出てこないし、彼女に惹かれて友達になる少年も活躍しそうで結局はまったく役に立たなかったりと結局このヒロインが一人で立ち向かう事になるんだか、よくこう言うホラー映画ヒロインにありがちなナイスバディな色気のある子でもない(勿論、巨乳でもない!)美人だけどやや影のある地味な女の子ってところがまたいいな・・・ついつい応援したくなるよ。



2007.7.28(土) MOVIX堺 シアター5 23:50 J-10








No.073 「傷だらけの男たち」 (2006年 香港 111分 シネスコ)

2007-07-30 00:21:04 | 2007年劇場鑑賞
監督 アンドリュー・ラウ 、アラン・マック
出演 トニー・レオン
    金城武
    スー・チー



香港映画史に残る・・・というよりリメイク版の「ディパーテッド」がオスカーを取ったことにより世界的な映画史に残る傑作といっていい「インファナル・アフェア」のコンビ、アンドリュー・ラウ&アラン・マックとトニー・レオンが再び手を組んだ作品。

どうしてもこの監督にこの役者となると「インファナル・アフェア」のイメージも持ってしまいますね。
全然違う話だし、作品のタッチも違うけどついつい期待してしまいますね。
正直「インファナル・アフェア」のようなシビレルような感動を薄いけど過去に傷を持つ2人の男のドラマはまた一味違った感動をもたらしてくれます。

(あらすじ)

2003年のクリスマス、ポン(金城武)が凶悪犯を逮捕した晩に、彼の恋人は自殺を図り還らぬ人となる。
3年後、酒浸りの日々を送っていたポンは、刑事を辞めて私立探偵になっていた。
彼の元上司のヘイ(トニー・レオン)は富豪の一人娘スクツァン(シュー・ジンレイ)と結婚し、幸福な生活を送っていたが、ある日、義父が何者かに惨殺され……。

一つの殺人事件から浮かび上がってくる過去の悲しいドラマ・・・犯人は早々に判るしくみの脚本で、後は何故その犯行に及んだのか?そしてその向こうにどんな真実があるのかか?
そんな過去のドラマが序々に明らかになっていく展開で、「インファナル・アフェア」
に比べると地味で淡々とした感じで、その分重い雰囲気の作品となっています。
過去に深い傷を持つ2人の男、トニー・レオンと金城武が作品全体に放つ悲しみに満ちた冷たい雰囲気は一歩間違えば心気くさい作風になるのを緩和させて救っているのがスー・チーの存在。
この人はどんな映画でもどこか抜けたキャラで汚れ役が多いんですが、今回の作品では
彼女のアッケらかんとしたキャラがこの作品の重いムードを見事に緩和しています。
彼女の存在はこの作品ではある意味重要だと思いましたね。(ま、劇中でも意外にも結構な働きをします)

事件の真相を追っていくうち悲しい過去の出来事が浮かび上がり、やがてその真実を知った時、また一つの悲劇が生まれていく・・・そんな余韻が残るエンディングに流れる浜崎あゆみのテーマ曲が何とも微妙な香港映画の佳作。



★★★ 2007.7.26(木) 布施ラインシネマ10 南館 シネマ9 19:30 G-3

No.072 「シュレック3」(日本語吹き替え版) (2007年 米 93分 ビスタ)

2007-07-28 02:10:02 | 2007年劇場鑑賞
監督 クリス・ミラー
出演 浜田雅功  
    藤原紀香
    山寺宏一



暑い!暑い!~梅雨も開けた関西地方は例年のように蒸し暑くなってきました。
そんなさなかに涼しい映画館での映画鑑賞・・・夏は冷房の効いた映画館で過ごすのが私に取っては一番ですね。
そして今日は久々のアニメの鑑賞・・・と言ってもCGのアニメだけど技術的な進歩はどんどん進んで行っておりますね。
この映画でも場面によっては遠景の人物が実写の人間に見えるほどだった。
日本のアニメ-ションのクォリティーの高さは世界一だと思うけど、こういうCGアニメはアメリカもどんどん進化していってますね。

で、洋画のアニメでもいつもは字幕版を見るんだけど、今日は他の映画とのハシゴする時間の関係上日本語吹き替え版での鑑賞となりました(ここ最近はこう言う作品は日本語吹き替え版を見るようになってきたな~)

(あらすじ)

遠い遠い国のフィオナ姫と結婚した怪物シュレックに、病に倒れた王様から王位を継ぐように言い渡される。
王位には興味のないシュレックは、ドンキーや長靴をはいた猫とともに、もう1人の王位継承権を持つアーサーを探す旅に出る。
その間、チャーミング王子とおとぎ話の悪役たちが王国乗っ取り計画を企て……。

過去2作は全てマイク・マイヤーズ キャメロン・ディアス エディ・マーフィらの吹き替えで見ていたのでそちらのイメージが強かったですが、前々から大阪弁での浜田雅功の吹き合えが意外にも好評だったので一度日本語版も見てみようと思ってたので今回は良い機会でした。
日本では何かこちらの方が字幕のオリジナル版よりも「シュレック」のイメージが強いですね。

実はUSJのシュレックのアトラクションも日本語版で、ほぼ藤原紀香以下オリジナルキャストなんですが肝心のシュレックだけ浜田ではない!
何の理由かは知らないけど「浜田もUSJ版もしろよ~」と思ったもんでした。

でも私に取っての初の浜田版シュレックは一歩間違えればシラケテしまう関西弁の吹き替えだけど、これは上手く声優とキャラが噛み合って評判どうりよく出来てると思いました。

今回はシンデレラやフック船長、ピノキオなどが入り乱れてのアクションが後半の見せ場だけど、「移民の歌」や「死ぬのは奴らだ」などお馴染みの曲が実に上手く使用されたり、色々な小ネタ満載で楽しませてくれます。



★★★ 2007.7.26(木) 布施ラインシネマ10 北館 シネマ2 17:15 K-7


No.071 「プロジェクトBB 」 (2006年 香港 126分 シネスコ)

2007-07-24 00:33:16 | 2007年劇場鑑賞
監督 ベニー・チャン
出演 ジャッキー・チェン
    ルイス・クー
    マイケル・ホイ



ジャッキーチェン主演の最新作ですがこの作品はロードショー時は時間が合わなくて見逃していたけど 天六シネ5ビルでの再上映て事で夜の回の上映を見に行ってきました。
今回はジャッキーチェンと久々の共演になるユンピョウと更に懐かしい「ミスターブー」でお馴染のマイケルホイ!(ジャッキーチェンとは「キャノンボール」以来の共演になりますね)の懐かしのビック3による共演が一つの見所です。

(あらすじ)

サンダル(ジャッキー・チェン)、フリーパス(ルイス・クー)、大家(マイケル・ホイ)は腕利きの泥棒チームだ。
だが3人とも私生活では問題が山積みで、いつも金に困っていた。
そんな彼らに思わぬ儲け話が舞い込むが、それは彼らの意に反して赤ん坊を誘拐するという仕事だった。

まぁ分かりやすく言えばジャッキー版「スリーメンベイビー」と言った雰囲気の作品で、ジャッキーと相棒であるルイス・クー との子育ての奮闘ぶりがなかなか笑わせ所になってます。

しかしその赤ん坊が一歩間違えば幼児虐待ネタと取られそうなブラックなネタで可愛がられます。
自動食器洗浄器でクルクルと食器と一緒に洗われたり、乳母車ごと街中を車に引きずられ暴走したり、また空中高く放り上げられたと思ったら高い階段やアパートの屋上から落下させられたり・・・まさに践んだり蹴ったりの赤ん坊だがいつもニコニコでジャッキーらを癒して、体育会系の格闘野郎たちの父性本能をくすぐります。

ジャッキーお得意の体を張ったアクションは相変わらず健在で、特にアパートのクーラーの室外機を飛び移りながら下へ降りてくるシーンなどはさすがジャッキーらしいですね。たしかに年齢とともに昔の頃のような訳には行かないにしても50を越えてもこの身体能力の高さは驚かされます

久々のユンピョウも少しアクションを見せてくれるけど少し蹴りなどにキレがないように感じたなぁ~ 顔もふっくらしてたしね・・・
マイケルホイはアクションは無いし、ミスターブーのようなギャグをする訳でもないけどその風貌から生活に疲れたオヤジぶりが妙に哀愁があって良かったですね。

ジャッキーらと悪漢たちとの赤ん坊の争奪戦が繰り広げられるんだが 年老いた父親に心配をかけ、父親に悪いと思いながらも素直になれないジャッキーと父親や家族の人間模様があったり 妻を働かせ苦労させながらも、自分は女をはべらせて好き勝手にするルイス・クーや半分認知症を患わってる妻を気にかけるマイケルなど、皆それぞれに生活苦な模様が描かれて 最後は悪役にも哀愁がたたよってしまう・・・終わって見れば悪いヤツが一人も出てこないハートウォーミングな映画。


★★★ 2007.7.20(金) ホクテンザ2 22:40 中央端付近

No.070 「ダーウィンの悪夢」 (2004年 豪/ベルギー/仏 112分 ビスタ)

2007-07-18 01:25:49 | 2007年劇場鑑賞
監督 フーベルト・ザウパー



今年よくシネコンで東大阪市の布施ラインシネマ10というところがあるんですが、ここが10周年の記念イベントとして7月~9月にかけて「ワンコインセレクション」という企画があり、過去の名作や最近の話題作がワンコイン=¥500-で鑑賞出来るという実にありがたい企画であります。
ラインアップは近作では「誰も知らない」「チャーリーとチョコレート工場」「デイジー アナザーバージョン」や古くは「座頭市物語」「イージーライダー」「荒野の七人」そして個人的に嬉しい「ゾンビ DC版」などなど・・・

まぁ、ワンコインセレクションというのはよそのシネコンでも開催してますが、嬉しいことに布施ラインシネマ10は何と会員はタダ・・・つまりワンコインセレクションに関しては無料で見れるというのがいいですね。
DMで送られてた来た作品別に綴りになった無料のチケットを持って見にいったのが「ダーウィンの悪夢」という公開時話題を呼んだドキュメンタリー映画。

(あらすじ)

半世紀ほど前、タンザニアのヴィクトリア湖に何者かが外来魚ナイルパーチを放流する。その後、この肉食の巨大魚は増え続け、湖畔にはこの魚を加工して海外に輸出する一大魚産業が誕生する。
セルゲイら旧ソ連からやって来るパイロットは、一度に55トンもの魚を飛行機で運び、彼らを相手にエリザたち町の女性は売春で金を稼ぐ。

日本でもブラックバスの氾濫で琵琶湖の生態系が崩れたりしてますけど、こちらはアフリカを舞台にしての内容で、琵琶湖の問題も大変だけどこちら相当色々な意味で大変な弊害が出ています。

ナイルバーチという肉食魚の為に生態系が崩れたという話から、意外な問題を実は含まれているというのが映画が進行していく内にわかるようになっていく・・・と言う実は恐ろしいドキュメンタリー映画だった。

ナイルバーチと言う白身の魚をヨーロッパなどに輸出することで、加工業者などが潤い、その反面末端の子供たちは食べ物を食べるのも争いながら食べるというアフリカの社会構造の格差を交合に見せてくれます。

白身の切り身は海外に輸出され(日本にも入って来てるらしいから何度かは食べてるかもね。)、残った骨や頭は現地の人間が食べるというのも凄かったね。
山積みされた頭付きの骨を見てるだけでも凄い匂いが画面から漂ってきそう・・・

輸出に使う飛行機には帰りは魚で一杯になって帰るけど、来る時は武器や弾薬が積まれていて、それがアフリカでの戦争や扮装などに使われていく(結局そちらの方に後半は比重が置かれてる)
またその為に海外からきたパイロットなど相手に売春婦が横行し、その弊害としてエイズなども発症したりする。
魚の生態系どころか人間の生態や生活にも多大な影響を与えるナイルバーチという恐ろしい魚の話の中にアフリカの貧困による生活の格差も見せつけられると言う社会派ドキュメンタリー映画。(それにしてもポスターの写真はインパクトあるなぁ~ 「どんなけ怖い映画やねん!」て感じですがね。)

ドキュメンタリー映画と言うことで淡々と内容が進行していくので正直シンドイ部分があるが、内容的には深いテーマで一見の価値はあるかも・・・



★★★ 2007.7.17(火) 布施ラインシネマ10 北館 シネマ2 17:30 K-15

No.069 「かちこみ! ドラゴン・タイガー・ゲート」 (2006年 香港 94分 シネスコ)

2007-07-13 00:43:10 | 2007年劇場鑑賞
監督 ウィルソン・イップ
出演 ドニー・イェン
    ニコラス・ツェー
    ショーン・ユー



今週は映画を見に行く時間がないので諦めていたけど、休日に予定していた仕事が無くなり、朝に時間が出来たので何か時間的に合う作品を新聞の映画欄で色々探していたら、近隣の新世界の国際劇場でロードショーでは見逃していた「かちこみ! ドラゴン・タイガー・ゲート」と言う香港のアクション映画を発見!
時間見たら後20分で始まるではないか・・・慌てて出かけました。

朝の新世界はまだ人もまばらでパチンコ店の開店を待つおっちゃんやおばちゃんがチラホラ目立ちます。
通天閣のすぐふもとにある新世界国際劇場に上映2分前に到着!
足早に館内に入ると朝の1回目と言うこともあり、人もまばらでいつもより空気はまだ汚染されてない(日中ここへ来るとタバコの煙と異臭で喉がおかしくなるんです)
席につくや否や上映が始まったけど・・・気持ち音声が小さいような気が・・・ 
字幕でセリフが出るから良い物の、これ字幕の無い邦画なら何を言うてるか判りにくいね~(途中から治ったけど)

(あらすじ)

タイガー(ニコラス・ツェー)は、孤児たちが集まる道場龍虎門“ドラゴン・タイガー・ゲート”で育つ。
ある日、彼は食事中のレストランで秘密結社“江湖”の連中といざこざを起こす。
中でも一番の使い手ドラゴン(ドニー・イェン)の強さに歯も立たなかったタイガーだが、実は、彼こそが長年探し続けていた生き別れた兄だった。

あちらでは有名なコミックの映画化らしいけど、たしかに妙に長髪なドニ-や、怪人のような敵キャラなど漫画っぽいですね。
しかしこの映画を見て思ったのは、やはりこう言う映画は香港映画でないと作れないなぁ~て言うことでした。
日本では韓国映画に結構差を付けられた感じのする香港映画ですが、こう言うカンフー映画はまさに真骨頂ですね。
そう言うことを改めて認識させてくれるほど面白かったですね。

冒頭のレストランでの大乱闘などは「キル・ビル」での青葉屋の場面を連想しそうだが、戦う人数などはこちらの方が遥かに上!
この狭い限られた室内であれだけの大人数が乱闘を繰り広げる殺陣の素晴らしの何の・・・決めのポーズもバッチリで、くさいけどカッコいいんですね。(笑ってしまうほど)

また単にアクションの凄さだけでなく、そのアクションを引き出す様なカメラワークや構図なども工夫されていて、実に良く出来てると思いました。
例えばボスが夜のグランドで襲撃され、そのボスが倒れてる部分だけにグラウンドの照明がスポットライトのように当たり、画面の端から暗闇の中をドニ-が全速力で駆け寄ってくる時の砂の舞い上がりが暗闇の中でパッ、パッと白く光るシーンの暗闇との対比の美しさや、日本料理店でのこれまた大乱闘のシーンでの天井からの俯瞰の映像はニコラスと敵の集団の数の差を明確に表して、如何にニコラス一人で大勢と戦ってるかと言うのがよく判りました。

世話になったボスや師匠が殺されて復讐を誓う男3人が敵地に殴りこみをかけるのがクライマックスだが、ここまでの展開が全て予想通りに進んで行くのがいいですね~ 
ホント実に判りやすい展開の映画です。
しかしワイヤーやCGを使いながらもニコラスは廻し蹴りを連続で繰り返したり、ショーンはヌンチャクを縦横無尽にブン回す!
ドニ-指導による若手2人のキレのいいアクションが、中途半端な格闘映画とが違う本気度が感じられます。

とにかく香港映画ここにアリ!と思わせる香港映画ならではの気迫を感じさせられます。
この映画といい春先に見た「DOA」といい今年は格闘映画はハズレてないですね~



★★★★ 2007.7.12(木) 新世界国際劇場 9:40 8列目中央



No.068 「ストーン・カウンシル」 (2005年 仏 103分 シネスコ)

2007-07-09 00:35:09 | 2007年劇場鑑賞
監督 ギョーム・ニクルー
出演 モニカ・ベルッチ
    カトリーヌ・ドヌーヴ
    モーリッツ・ブライブトロイ



関係ないけど今日は2007年7月7日・・・七夕であると同時に777の日!
縁起が良さそうでいいですね~
昨年は2006年6月6日にリメイク版「オーメン」が公開されオーメンの日だとか言われてたけど、今回はパチンコ&パチスロ業界が盛り上がりそうな日ですな。

ここんとこ月1回ぐらいしか行かなくなった天六シネ5ビルでの鑑賞。
映画館の前には見逃した「ブロジェクトBB」のポスターが貼られていました・・・
まぁ、見逃した作品を公開して貰えるのはありがたいけど、新作が減ったのは残念だな~
もしかして閉館とか言い出しゃしないかと心配ですがね。
ま、ここ2~3本は新作の洋画が公開される予定見たいなので楽しみですがね。

そんな天六シネ5ビルの1階のメイン劇場であるユウラク座で公開してるのがいつも妖艶なモニカ・ベルッチ姉さん主演の「ストーン・カウンシル」 
題名聞いただけではピンとこないタイトルなんだけど果たしてどうかな?との思いで鑑賞に出かけました。

(あらすじ)

モンゴルから引き取った養子リウ=サン(ニコラ・タウ)の身体に不思議なアザが現れたころ、不気味な幻覚を見るようになったローラ(モニカ・ベルッチ)。
さらに、ローラの周辺にいる人たちが次々と殺害されていった……。
謎を解く鍵がモンゴルにあると感じたローラは、悪夢にうなされたリウ=サンが発した未知の言語をたどり謎に迫っていく。

オカルトサスペンスと言った感じの作品でしたが、正直盛り上がりがイマイチなくパッとしない印象でしたな。
それなりにドキドキさせるんだけどこれと言ったヤマがないのが個人的に残念でしたね。

秘密結社の存在も中途半端な感じだし、儀式がどうのこうのと言ってたけどキーワードのようにセリフに良く出てたけどイマイチようわからん・・・
何か中途半端な感じでやや期待ハズレでした。

「エンゼル・ハート」のような不気味な怖さがあればもっと面白かったんでしょうけどね。
カトリ-ヌ・ドヌーブも貫禄のある存在感でさすが大物女優って感じですが、ロバート・デ・ニーロばりの迫力があれば・・・って、まぁ比較するのはどうかとは思いますけどね・・・
こう言う作品はハリウッドなんかは派手に見せるのは上手いですね。
それが良いか悪いかは別としてフランス映画らしい淡々とした感じの雰囲気の映画です。

でもノーメイクで熱演していたモニカ・ベルッチは良かったと思いますよ。
作品の性質&役所からしてお馴染みのサービスカットは無いだろうと思ってたけど、キッチリと見せるところは見せてくれていて、そこら辺りは殿方も一応納得な一本てところか・・・



2007.7.7(土) 天六ユウラク座 23:00 最後列中央

No.067 「ダイ・ハード4.0」 (2007年 米 129分 シネスコ)

2007-07-06 22:36:03 | 2007年劇場鑑賞
監督 レン・ワイズマン
出演 ブルース・ウィリス
    ジャスティン・ロング
    ティモシー・オリファント



昨今はハリウッドによるリメイク&続編ブームでその中で今年は「ロッキー・ザ・ファイナル」が公開され、更に公開されたのが「ダイハード4.0」
第1作が公開されて見た時の衝撃は忘れませんね~

今回の相手がサイバーテロてのが時代を感じさせますが、武装テロでなく部屋の中から一歩も出てこない相手だけに今までと勝手違います。
当然 マクレーン刑事がそんな相手に頭脳戦で対抗するわけでもなく、肉体で勝負のド派手なアクションを見せてくれます。

(あらすじ)

デジタルによって制御されている全米の都市機能の壊滅を狙う謎のサイバーテロ組織が動き出し、システムがテロによって攻撃されようとしていた。
アメリカ政府ですら機能不全に陥ってしまう緊急事態のなか、これまで幾度となく危機を救ってきた元刑事のジョン・マクレーン(ブルース・ウィリス)が、再び事件解決に乗り出す。

前作から10年以上たってる事もあり、奥さんとは離婚してるし、娘が立派に成長していたり マクレーンの髪の毛がなくなってたり・・・時の流れを感じさせます。
しかしマクレーン刑事の派手な暴れっぷりは一段とパワーアップし、車を激突させてヘリコプターを大破させたり 戦闘機の翼に飛び乗って 挙げ句撃墜させたり・・・もうどちらがテロリストか分からない程の暴走ぶり!
アクションの派手さでは「ダイハード3」より上ですね ただ1.2作目よりは落ちますけどね。

アクションの派手さは見た目には面白いけど冷静に見ると・・・無茶やね~
有り得ない場面が多くリアリティのカケラもないけどダイハードってタイトル付いてる限りはこれぐらいやってもらわにゃ~面白くないですね。
ただ途中そこまで派手にやらかして起きながらラストが呆気なく地味なのが少し残念です。

敵役の一人が香港映画「レディ・ウェポン」のマギーQさんが出てました。
「MI:Ⅲ」に続いてのハリウッド大作での抜擢のようだが、ブルースとの格闘アクションが見せ場か?と思ったけど、出番のシーンが少ししかなかったね。
でも今後いろんなハリウッド作品に登場するような予感がしますね。

今回見たのが字幕版だったけど野沢那智さんの日本語吹き替え版でも良かったかもな~



2007.6.30(土) MOVIX堺 シアター5 23:20 K-20

No.066 「あるスキャンダルの覚え書き」 (2006年 英 92分 ビスタ)

2007-07-02 00:41:05 | 2007年劇場鑑賞
監督 リチャード・エアー
出演 ジュディ・デンチ
    ケイト・ブランシェット
    ビル・ナイ



この映画は大阪市内はミニシアター系で上映されてる作品ですが、普段なら見逃してる所だけどシネコンのお陰で鑑賞できました。
以前から見たいと思ってた映画で、ジュディデンチとケイトブランシェットと言う2大オスカー女優共演と言うだけで興味が沸いてきますね。

(あらすじ)

ロンドン郊外の中学校で歴史を教える初老のバーバラ(ジュディ・デンチ)は、若く美しい新任の美術教師シーバ(ケイト・ブランシェット)に興味を抱く。
家族も親しい友人もおらず、飼っている猫だけが心のよりどころだったバーバラは、シーバとの友情に固執するようになる。しかし、ある日、シーバの秘密を知り……。

孤独な女教師のバーバラを演じるジュディ・デンチの射抜くような視線が印象的。
ほとんどニッコリともしない能面のような表情で若く美しいシーバに興味を抱いていくのだが、ろくに友達も居ないバーバラにとって彼女は友人というより、恋人のようにさえ思えてしまうような危うい感情を抱いてます。

この孤独な老女は生徒と関係を持ってしまったシーバに対して嫉妬と同時に彼女の秘密を握ることで彼女を支配できる(あるいはますますシーバにとって自分が特別な存在になっていく)ようになり、ある意味喜んでいるようにさえ思えてしまう。(怖いね~)
初めてシーバの家に招待された時のバーバラのテンションの上がりっぷりは笑ってしまうほでで、ランチを食べに行くだけなのに美容院に行き、服装もおめかしして出掛ける・・・その感覚のズレと言うか、やや異常とも取れるバーバラの行動の可笑しさと同時に陰気なまでの不気味さを感じ取れてしまいます。(「エエ年したおばちゃんが何してんねん!」と笑えそうで笑わせない凄みがこの場面ありますね)

そのシーバも満たされた家庭を持ってるようで実はフラストレーションの溜まる生活の中で出会った若い生徒(若すぎるがな~)と肉体関係を持ち、忘れようにも忘れられない禁断の関係を続けていき苦悩していく・・・ケイト・ブランシェットがまた見事な芝居を見せてくれてますね。

しかしこれはもう完璧な心理サイコサスペンス映画と言っていいでしょうね~
それもジュディ・デンチ扮するバーバラによるレズビアンの老女教師の恐ろしくも悲しい恋愛日記と言う名のスキャンダルの覚え書きによって語られていく。
しかも思いどうりにならなければ、恐ろしいほどに陰湿にジワジワと攻撃を仕掛ける陰気さ・・・その餌食?になったシーバも決して許されるものではないけど、自分の娘よりも若い男子学生と関係を持ってしまい、それをバーバラに見られた事が運の尽きですね。
そのせいで秘め事が秘め事でなくなっていき、色んな人々が傷ついて行くことになる。
まぁ一番気の毒なのはシーバの家族でしょうな・・・

ラストシーンでのバーバラの行動はもはやホラー映画に良くありそうな終わり方で、ホントこれ怖い映画でしたわ・・・



★★★★★ 2007.6.28(木) MOVIX堺 シアター12 20:40 N-32