MOVIE KINGDOM Ⅱ

映画に関する話題やライブ&イベント、ローカルなグルメ情報など色々話題を広げて行きます
ポイントは★~★★★★★★

私の名曲100選 014「So in Love」By Morton Gould

2021-08-30 10:02:43 | 私の名曲100選
So in Love Morton Gould.mov



日曜洋画劇場のエンディング曲
映画が終わり淀川長治さんが出てきて締めの解説をした後、来週の作品の予告が流れてもう一度淀川長治さんが出て
「はい、それでは次週をご期待ください さよなら、さよなら、さよなら」のセリフの後、吹き替え声優の名前の紹介画面に切り替わり
そのとき流れる曲がこれ!
もう我々TV洋画劇場黄金期世代にはたまらない名曲
以前にも別カテゴリーの話題で紹介しましたが、この曲聞けば日曜が終わり明日から学校か...という楽しさの後の空しさを感じた当時の日曜の夜の雰囲気が思い起こされる
まさに日曜日の締めを飾る曲でありました
きっと我々世代の映画ファンでTV洋画劇場をみてた皆さんは、この曲を聞けばそれぞれ当時の家庭の風景(それも日曜日の23時前)が甦るのではないでしょうかね

ミュージカル「キスミーケイト」の中の曲ですが、私にとっては日曜洋画劇場の最後の曲...それもこのモートン・グールドの音源でないとダメですね

「年末時代劇スペシャル 忠臣蔵 前編「君、怒りもて 往生を遂ぐ」後編「我、一死もて 大義に生く」」

2021-08-23 17:47:00 | DVD&ビデオ&テレビ(地上波/CS)





1985年(昭和60年)の年末の時代劇スペシャルとして日本テレビで放送された作品
これか紅白歌合戦の裏番組としては当時はかなりの高視聴率を叩き出し、後に毎年紅白の裏番組に日本テレビは時代劇を放送するのが数年続きました
私は数ある忠臣蔵の映像作品の中でこのドラマが1番好きなんですね

忠臣蔵と言えばオールスターキャストと言うのが定番ですが、この作品も大石蔵之介は里見浩太朗、吉良上之介は森繁久彌、浅野内匠頭は風間杜夫…その他にも名優から小粒なアイドルも含めて豪華なメンバーを揃えて大型時代劇の名に恥じない作品

二日間で約5時間のドラマだけに各赤穂浪士達のそれぞれの事情や夫婦愛、親子愛など細かいバックボーンも描かれています
短いエピソードだが、グッと来るような演出と情感のある三枝成章の音楽がいちいち泣かせます

このドラマで私が特に印象的なのは垣見五郎兵衛の下り
討ち入りを画作する大石蔵之介が垣見五郎兵衛の名を語り、潜伏する為に宿を取る
しかしそこに本物の垣見五郎兵衛が現れどちらが本物か?と対峙する
開き直った大石はガンとして自分は垣見五郎兵衛と譲らないんだが、決定的な証拠が出て偽物とバレる…しかし大石の風呂敷の家紋を見て本物の垣見五郎兵衛が事情を全て悟り、自分こそ偽物として敢えて引き下がる…まさに武士の情けを見せる垣見五郎兵衛扮する西田敏行の芝居がいいんです
深々と頭を下げる涙を浮かべ大石蔵之介…最高の役者が作り出す名シーンであります

基本的な流ればよくある忠臣蔵の展開だが、細かいエピソードの積み重ねが作品の幅を広げていき、そのエピソードもしつこく描かれる訳ではないのでダレる事なくテンポよく描かれる

森繁久彌扮する吉良上之介も圧巻の悪役ぶり、仇討ちされる前に舞を踊るのは不自然に見えるが、ある意味時代劇として一種の様式美なようなものか…
多岐川由美さん初め、女優陣も男のドラマの中にちょうどいいバランスで配置され、昨今ここまで上手く作られたTVドラマはあまり見かけない
下手なバラエティよりこう言う重厚で見応えあるドラマを復活させて欲しいです

また主題歌が良いんですよ
当時は忠臣蔵で音楽と言えば三波春夫先生が浮かんでくるイメージだったが、浪曲調ではなくいわゆるニューミュージック系の曲(今は演歌のカテゴリーに入るんかな?)
で堀内孝雄が歌う「憧れ遊び」

♪雪を掻き分けサクッ、サクッ、サクッ
と言った三波春夫節全開の浪曲調でなく
♪君を花に例えたら 笑うだろうか
から始まる小椋佳の詩による忠義の為に死んでいく男達のそれぞれの愛する人への想いのようなラブソングが絶妙な場面で流れて泣かせます




千葉真一さんと笑福亭仁鶴さんの訃報

2021-08-21 17:24:00 | 映画の話題








我々世代を楽しませてくれたスターが
立て続けにこの世を去りました
まずは千葉真一さん

子供心にキイハンターのキレのあるアクションのカッコ良さに魅了されて、ブルースリーを初めて見た時は千葉真一さんだと思った
色んな映画で千葉ちゃんの姿を見せてもらいました
「仁義なき戦い」の豪傑なヤクザ、「戦国自衛隊」のノースタントなアクション(アクション監督まで務めてましたね)
「魔界転生」の剣豪柳生十兵衛でのゾードアクション、「ゴルゴ13九龍の首」のデューク東郷、そしてこれこそ真骨頂のギャグと必殺技の緩急が堪らない「直撃!地獄拳」シリーズや「殺人拳」シリーズの空手映画
つい先日見た「赤穂城断絶」が私の見た最近の千葉真一さんの作品となりました
またCMでは奥さんの野際陽子さんと共演したハウスジャワカレーや「やったね千葉ちゃん」の車のCMの各シリーズ
映画だけでなく昭和のTVでは千葉真一さんが大活躍で、まさに我々のスターでした
多分、新世界東映で追悼映画月刊を設けるでしょう(高倉健、菅原文太、梅宮辰夫など東映スターが亡くなったら必ずやってる)
ライナップが楽しみです

千葉真一さんの訃報が出た時、友人達からLINEやメールが来ました…親戚やないんやからね
しかしそれだけ我々世代には(特に男子は)思いれのあるスターだったんですね

その翌日はなんと笑福亭仁鶴さんの訃報が…
仁鶴さんは何と言っても「ヤングおーおー」ですよね
他にも桂三枝(現分枝)、ザ・パンダ(桂文珍、桂きん枝、月亭八方、林家小染)など関西若手お笑い芸人が出ていて、仁鶴さんはその中でも少し上のような存在でした
あまり聞かなかったけどラジオでも活躍され、これまた我々世代では昔見ていたTVに大概出ていた人なんですね
落語家でありながら「どんなんかなー」を代表する軽妙なアクセントで笑わせるギャグはみんな真似してましたな

仁鶴さんといえば歌手デビューもしていて
ビル清掃しながら子供を育てる母親の心情を歌った「おばちゃんのブルース」が個人的に昔から胸に来る曲なんですね
私の母親が歌に出てくるような派遣のビル清掃の仕事しながら我々兄弟を育ててくれたんですが、子供の頃から「これ、おかんのテーマ曲やんな」とか言うてたもんです

続け様にレジェンドな2人が亡くなり、ちょっと寂しいですね
特に千葉真一さんはコロナに感染しての死去だけにますます残念です

お二人のご冥福をお祈りします







「ひきしお」

2021-08-18 16:19:00 | DVD&ビデオ&テレビ(地上波/CS)





カトリーヌ・ドヌーヴとマルチェロ・マストロヤンニが共演の作品
1972年の作品て聞いただけで昭和の映画館の看板や場内の雰囲気が目に浮かびます
こんな時代の映画をCSなどで上映してくれるとついつい見てしまいます

この映画は昔からタイトルなどは知ってましたが、今回が初見なんですが…こんな妙な映画とは思いませんでした(笑)

地中海の島で妻子をフランスに残し犬と生活しているマルチェロ・マストロヤンニ扮する男ジョルジュオの前に突然1人の女性リザが漂着してくる
もちろん演じるはカトリーヌ・ドヌーヴ
漂着と言うよりは男女グループでボートに乗っていたリザが恋人とケンカした挙句怒りまかせに海に飛び込み島に辿り着いたと言う勝手な姉さん
2人がいつしか一緒に行動を共にし、愛が芽生え…と言うラブストーリーなんですが、リザがスッポンポンでジョルジュオの愛犬を誘って海に泳ぎに行く辺りから様相が変わります
愛犬は結局リザの泳ぎに付いて行けず溺死(多分)2人で愛犬を埋めてやるんだが、ここから本当にジョルジュオと2人っきりになったリザが死んだ犬の首輪を自分の首に巻き、犬のように舌を出しジョルジュオの手を舐め回したり、ジョルジュオの足元にうずくまったりと犬化してしまう変な関係になっていく
ジョルジュオもリザを犬のように扱い、頭を撫でたり、物を投げて取りに行かしたりする
この映画ってこんな映画やったんやね(笑)

ちょっと変人な女の人が愛を求めるあまり、愛する男の飼い犬にまで嫉妬し、殺してしまい男を独占してしまうと言うのをカトリーヌ・ドヌーヴがある種の怪演で見せてくれます
途中、ジョルジュオがフランスに残した妻が自殺未遂したと息子から聞き、フランスへ会いに行くが、久々の家族の団欒の夕食にも途中からリザが珍入!
無礼な振る舞い(笑)をして家族を呆れさす
そして島に2人で戻るがやがて食料が尽き、島を出ようと決心する…
とにかく妙な設定のラブストーリー

しかしカトリーヌ・ドヌーヴの水に濡れた白い服がびしょ濡れで肌にぴっちり付いたエロさやスッポンポンで裸体を披露したりとフランスを代表する人気女優の変な奇行ぶりの芝居と合わせて妖艶なとこも見所です

ちょっと変わった感覚の女性が愛に飢えて、ジョルジュオに犬が可愛がられる姿を見て、あんな風になれば可愛がれて愛される…そう考えて犬になり変わるちょっと異形の愛のドラマ?
しらんけど(笑)
でもちょっと何かしんどくなる映画でしたな




「赤穂城断絶」

2021-08-15 13:09:00 | DVD&ビデオ&テレビ(地上波/CS)





私この映画は今回が初見なんですね
忠臣蔵を題材にした東映の作品であり、「柳生一族の陰謀」の大ヒットを受け東映が時代劇よ再び!とばかりに製作した大作であります
公開当時、近鉄線阿倍野橋駅のコンコースの片隅に小さいモニターがあり、そこでアポロローズやアポログリーンを始め天王寺周辺の映画館の上映作品の予告編が流されてまして、近映大劇場で上映されてたこの作品も流れてるんですが、これがサングラスかけた萬屋錦之介が時代劇への思いれを淡々と語ってるインタビュー映像だけが流れるシュールなもんだったんですね(予告編と違うやん)

そんな思い出しかないこの作品を初めて見ましたが、今まで見た忠臣蔵のストーリーを王道的に描きながら軽くサイドストーリー的に討ち入り前に金の為に女房を女郎屋に働かせたり、身を滅ぼし死んでいくものが描かれたりして浪士達の別の視点も描かれたりしている

萬屋錦之介の大石内蔵助は眼光鋭く鬼気迫るような強面の内蔵助で、ここはさすが萬屋錦之介のキャラが良く出ていると思いました
クライマックスの討ち入りシーンの立ち回りはさすが深作欣二監督らしく、70年代の東映映画らしい時代劇らしくない(笑)軽快な音楽とともにスピーディーで迫力がアクションシーンとなり、特に忠臣蔵の討ち入りシーンではあまり見かけない、赤穂浪士の千葉真一と吉良側の渡瀬恒彦との剣豪対決による一騎討ちが時間をかけて描かれる
ここではさすが千葉ちゃんぶりを見せてくれます

吉良上野介を演じた金子信雄はさすがの当たり役、もっと嫌らしくても良かったと思うくらいです
しかし出番は少ない目でした
そう言う意味では大石内蔵助も出番は思ったより少なく感じましたね
赤穂浪士達がスパイ戦を展開しながら、それぞれの思いを持って行動してる場面も多々描かれてるので1人に焦点充てるのでなく、映画としてはテンポよくメリハリのある展開でクライマックスの討ち入りまで一気に160分見せてくれました

大石内蔵助の切腹シーンで血がバッと飛び散るとこで幕を閉じるが、深作欣二監督らしいバイオレンス美学をちょっと感じました


「フィールド・オブ・ドリームス」のロケ地でメジャーリーグ

2021-08-14 17:21:00 | 映画の話題





ケビンコスナー主演の名作「フィールド・オブ・ドリームス」のロケ地のトウモロコシ畑のグランドでメジャーリーグの公式戦が開催された
ホワイトソックス対ヤンキース戦が行われ、選手達は新聞の写真のように映画さながらのトウモロコシ畑から出て来ると言う粋な演出にさすがアメリカやなーと朝から感動しましたね
主演のケビン・コスナーも登場したり、しかも劇的なサヨナラホームランがトウモロコシ畑に飛び込んで試合が終わると言う映画のような展開!

こう言う粋なイベントと公式戦の融合はアメリカらしくていいですね
朝からほっこりしましたわ


「八甲田山」

2021-08-10 01:27:00 | DVD&ビデオ&テレビ(地上波/CS)




1〜2年前にCSでこの作品をまともに初めて見たんですが、その時は雪と画面の暗さで誰が誰やらサッパリ分からなかったが、今回は4K版として制作された「八甲田山」
画質がクリアで実に見やすい「八甲田山」
雪に遭難した役者の顔もバッチリで、しかも悲惨な遭難シーンはクリアになった分、発狂した兵士のおぞましい形相や雪にまみれ顔が凍りついた北大路欣也や三国連太郎、加山雄三ら名優達の悲惨な形相もバッチリとおがめます
更にる前に新田次郎の原作「八甲田山死の彷徨」を読んでの鑑賞

210人の雪中訓練遭難事故を映画化した作品
公開当時は日本映画最高興行収入の記録を樹立した話題作でもありました
天災、人災と様々な意見が言われておりますが、認識や情報の欠陥と指揮系統の混乱により兵士210人中199人が遭難した山岳事故
高倉健扮する徳島大尉の31連隊は困難な状況ながら、装備や計画も雪中訓練に対して完璧な準備をして全員無事に帰還したのに対し遭難した北大路欣也扮する神田大尉の第五連隊は素人はだしの無謀な装備や計画で、また山田少佐に指揮権を取られた事から混乱をきたし更にドツボにハマってしまう
この対象的な姿を交互に描く事で大自然の猛威の前に人間の無力さを知らしめてくれる
天は我々を見放したと言うセリフは全てを表している

「愛の亡霊」

2021-08-05 23:55:00 | DVD&ビデオ&テレビ(地上波/CS)





「愛のコリーダ」に続く大島渚監督のエロス作品
しかし私の今回見たバージョンは「愛のコリーダ」ほど過激な性描写は無く、むしろ吉行和子扮するせきと藤竜也扮する豊次の愛欲から犯した罪に付き纏われ破滅して行く2人の姿が印象的

車屋の塚田儀三郎の妻のせきに恋を寄せる豊次
ある日関係を持ったせきと不倫の中になり、2人で共謀して夫の儀三郎を殺害し古井戸に沈める
しかし妻のせきの前に儀三郎の亡霊が現れる

吉行和子さんの訛りのあるセリフ回しが、古風な日本の田舎のおばさんの雰囲気があっていいキャスティングです(身体つきも(笑))、また豊次と初の情事に営む場面で赤子の鳴き声が気になり、情事を拒むのかと思いきや、耳を塞いで豊次に身を任せる…欲情に駆られそして破滅の始まりとなる場面として印象に残りました
亡霊となって出てくる儀三郎は白塗りの昔ながらの特殊メイクだが赤く血走ったような目は悔しさと恨めしさがでていましたね
「愛のコリーダ」ほどセンセーショナルさは無いが、男女の愛欲と罪と罰を怪談映画の雰囲気を出しながら大島渚監督らしいフレーミングで見せてくれる作品でした