MOVIE KINGDOM Ⅱ

映画に関する話題やライブ&イベント、ローカルなグルメ情報など色々話題を広げて行きます
ポイントは★~★★★★★★

No.010 「プルーフ・オブ・マイ・ライフ」 (2005年 米 103分 シネスコ)

2006-01-29 01:00:45 | 2006年劇場鑑賞
監督 ジョン・マッディン
出演 グウィネス・パルトロウ
    アンソニー・ホプキンス
    ジェイク・ギレンホール



ちょうど同時期に日本映画で「博士の愛した数式」が公開され日米の数学映画(?)対決のような格好になりましたが、私は2本続けて1日鑑賞したためにややこしい数式やら数学用語が頭の中を飛び交いました(数学は永遠の天的!)

この作品ではアンソニー・ホプキンスが天才的な数学者演じておりますが、「博士の愛した数式」の寺尾聡のような繊細な雰囲気とは対照的に豪傑なオヤジの雰囲気があり、まぁお国柄もあるかもしれませんが対照的でしたね(アンソニー・ホプキンスの方が体がデカイせいもあるだろうけど)
この数学者はかつて天才と言われたが晩年は精神を病み逆に変人扱いされている・・・て言うのは「ビューティフル・マインド」でラッセル・クロウが演じたジョン・フォーブス・ナッシュ・ジュニアがそうだったように天才すぎてその向こうには凡人では考えられないような障害のようなものが起きるんでしょうかね~
そんな彼に2人の娘がおり長女はニューヨークでキャリア・ウーマンとして成功し、ある意味自由気ままに生活していて、次女は数学の道を志ながらも父の面倒を見るため大学を中退しひたすら父の介護を続けながら生活をしている。
そんな次女をグウィネス・パルトロウが今までの役とは違った一面を見せてくれています。
ほとんど笑うシーンなんてなかったと思いますが、疲れた表情がなかなかよろしかったですよ。

父の死後、全てのことにやる気を失せてしまい大事なものまでも見失い、人生に迷子になっていくヒロインの姿に姉は彼女の為を思いニューヨーク行きを進めたり、父と暮らした家を売り彼女を再出発させようと色々と手を尽くすが、本人にとっては大きなお節介(姉の気持ちもわかるが・・・)
序盤で描かれるこの当りの場面は姉妹それぞれの心境が良く出ていたと思いますね。
今まで父親を押し付けて置いて今更・・・て言う言い分も痛いほどわかります。

そういえば葬儀のシーンで多数の参列者の前で思い出話のスピーチを聞いていた妹が「こんなに友人が居るなんて・・・もっと元気な時に訪ねてきたら!」と逆ギレする場面も印象的でした。
そんな彼女に数学者の男と出会いが序々に彼女を変えていく・・・この辺はラブストーリー仕立ての物語ではありますが、彼との出会いとそしてある発見が彼女の人生への答えを見つけ自らの才能に目覚めていく。
そんな時また亡き父との絆が数学を通して更に深まっていく・・・感動の物語でした。



★★★ 2006.1.26(木) 動物園前シネフェスタ4 シネマ3 18:45 9列目端付近

No.009 「博士の愛した数式」 (2005年 日本 117分 ビスタ)

2006-01-27 00:45:25 | 2006年劇場鑑賞
監督 小泉堯史
出演 寺尾聰
    深津絵里
    浅丘ルリ子



数学と言うものに元来苦手なものですが、この作品は数字というものに色々当てはめていくとそこには気づかないような発見が沢山あるんですね。
そんな事を教えてくれる作品でした。

交通事故で80分しか記憶が持たない数学者とその彼の身の回りの世話をする為に雇われた家政婦の杏子とのふれあいから始まる物語だが、最初は彼の奇行にとまどいながらも彼の全ての事を数字に当てはめてしまう数学者としての人間味溢れる言葉に尊敬し、彼女の息子と3人の家族にも似た絆で結ばれていく。

淡々とした流れの中で進んでいく物語に大きな展開もなく3人の心の交流が描かれていく。
一歩間違えるとダラダラと起伏のない単調な展開になりがちだが、この作品はまったく飽きることなく作品の流れに見るものも乗っていきます。
√(ルート)と名づけられた杏子の息子が大人になり数学教師となって教室で生徒たちに博士の話を聞かせると言う構成でストーリーが進んでいき、子供時代の回想と現代の教室の場面が交互で描かれてます。
このへんは上手にメリハリの利いた構成でうまい見せ方だと思いました。
また3人がそれぞれ純真な綺麗な気持ちを持ってる人間なので作品全体を包む「優しさ」が見るものに感動を与えております。
何度も同じことを聞かれたり、話しをされるけど嫌な顔を一つせず博士の話を聞いたり、質問にいつものように答える親子の姿に実に優しさ溢れる姿で清々しい印象です。
正直、私はまったく泣けるような場面なんかはありませんでしたが、これほど美しい人間味溢れる優しい作品は泣きの演出がなくても充分感動できるものだと思いました。

寺尾聰がとてもいい味を出しておりこの役は彼にうってつけでしたね。
役者として彼はホント名優の域に入ったと思いましたね。
とくに力を入れることなく自然体での演技は彼独特の個性となり見事にこの博士役をこなしてると思いました。
深津絵里も若いシングルマザーながら献身的に博士の世話もしながら、いつしか自分も博士と出会ったことで数字を通して色々なことを教わる女性をうまく演じております。
「踊る大捜査線シリーズ」の刑事役もいいけど、この作品でまた女優として大きくなってほしいものです。
義理の姉役の浅丘ルリ子はこの作品では何か怖い顔ばかりの印象。
たしか一度も笑わなかったのでは?
それもこの作品の中ではある意味一番辛い立場の女性であるわけで,その辺は悲しみに満ちた雰囲気がよく出てました
義理の弟は不幸にも記憶が80分しか持たなくなってしまったが、その半面その記憶の向こうに置いていった悲しみを義理の姉は背負い続けている・・・その辺が表情によく出ておりました。

数学とは苦手なもんだけど考えによっては面白くまた不思議なもんですね



★★★★ 2006.1.26(木) 動物園前シネフェスタ4 シネマ1 16:20 最後列右側付近



No.008 「フライトプラン」 (2005年 米 98分 シネスコ)

2006-01-23 01:08:33 | 2006年劇場鑑賞
監督 ロベルト・シュヴェンケ
出演 ジョディ・フォスター
    ショーン・ビーン
    ピーター・サースガード



久々の先行レイトショーでの鑑賞で少し早く劇場(シネコン)に着きロビーの待合でまってると、ド~と人の流れがやってきた。
前の回の上映がどうやら終わった見たいだが「結構入りはいいな~」と呑気に思ってたらふと気づいた・・・「そうそう、このままでは結末が耳に入ってしまうかも知れんぞ!」
すぐさまこの場から脱出しなければと急いでウロウロしてると離れた場所のエレベーターが来た!
すぐ飛び乗ると私に続いてどこから来たのか小学生の女の子を連れた親子連れが乗って来た。
「映画帰りの面々もここまでは来ないやろ・・・危ないとこやったわ」と安堵の私。
親子連れと私の乗ったエレベーターに暫しの沈黙が続いたが、おもむろに親子連れの父親が「あのラストでの・・・」と語りだした・・・助けてくれ~!堪忍してぇ~な~ 密室は危険!

高度1万メートルの上空を飛ぶ旅客機の中から忽然と少女が消えた!
母親は血眼になって捜すが、乗客や乗務員の誰一人としてその子の存在を知らないと言う・・・どうしてもヒッチコックの傑作「バルカン超特急」を連想してしまうプロットですが、大筋は勿論まったく異なります(ヒッチの方は老女が消えたけど)
大騒ぎする母親に機内はエアポートシリーズばりにテンヤワンヤな状況!
チョイこの辺はオーバーな気もしますが、夫を亡くしたショックもあるのでまぁ仕方ないとしょうか・・・

乗客全員が容疑者でありながら誰も動機がない矛盾!居るはずのない少女の存在・・・これは母親の瞑想か?それとも何かの陰謀か?観客の脳内に常に?をつけながら見せる展開はスピーディなテンポで見せてくれます。
98分という上映時間もほどよくて良いですな

この作品一つの見所として旅客機の客室以外の内部の描写がよく見せてくれます。
「エクゼグディブ・デジション」でも見せてくれましたが、へ~こんな感じになってるのか・・・と感心します。
その内部をジョディ・フォスター扮する母親が死に物狂いで娘を捜す姿に母親の深い愛情と同時に異常なまでの執念を感じます

サスペンススリラーとしてはテンポも良く、また今のアメリカが抱えてる問題でもあるテロへの脅威や特定人種への偏見などもサラリと描きながらラストまで引っ張って行きます。



と、ここまでが作品としてのレビューなんですが、ここから先はこの作品の結末の部分で感じた事を書きますので未見の方はここから先は見ないで下さい


                 ネタバレ警報発令!

































しかしこの作品は途中から、もしかして「フォーガットン」に似てるぞ~何て思った方も多いと思いますが、夢かうつつか瞑想か?はたまた犯人が居て理論的に解決するのか?とまぁどちらかになってくるんですが、冒頭の場面がベンチに座る母親(J・フォスター)のカットとそこに夫がいかにも幻っぽく現れて、やがて誰かが死んだかのような霊安室の場面などフラッシュバックのように見せる始まり方だった為、観客の頭の中に母親は風通の状態ではないと言う意識があるので、この事件はやはり「フォーガットン」見たいな爆笑オチや瞑想系、もしくは夢オチとか「シックスセンス」見たいな霊的なものなどつい想像してしまうけども実際は普通に誘拐を利用したハイジャック事件・・・冒頭の思わせぶりな場面がフェイクとして用意されたもんならまずまずな手法でしょうがね。
でも途中、捜査官の目つきからして何かおかしいし、どうも不自然な態度から妖しさ満点になるので見破った方も多いんではないんでしょうか?
犯人の動機もそこまでする理由があまり説明されてないように思うし、少女死亡のガセねた等の捏造に関してもあまり説明されてない様に感じ不満が残ります
犯人もろとも吹っ飛ばすのも考えもののような気がしますな~
むしろ実は母親が死んでてこれあの世行きの飛行機だった・・・見たいな方が好みやね~





















★★★ 2006.1.21(土) アポロシネマ8 スクリーン4(先行レイトショー) 21:35 L-9



No.007 「スタンドアップ」 (2005年 米 124分 シネスコ)

2006-01-22 02:24:17 | 2006年劇場鑑賞
監督 ニキ・カーロ
出演 シャーリーズ・セロン
    ウッディ・ハレルソン  
    ショーン・ビーン



「モンスター」で肉体改造で醜く変化させて見事アカデミー賞を取ったシャーリーズ・セロンの最新作はもとの美しいお顔に戻って・・・と思ったら今度は顔は真っ黒に汚れ、目の下には赤いアザを作りとまたも汚れ役?
暴力亭主から逃れ、父親が違う子供2人を抱え実家に戻れば父からは冷たくされ唯一の見方は母親だけ・・・しかもレイプされた過去を持つ!
まさに不幸を絵に描いたような役柄を演じてますが、この女性が逆境を跳ねのけ立ち上がるまでの姿を実話に基づいて描かれてます

鉱山で働き生計を立てようとするが、そこは男たちがほとんどを占める職場!
数少ない女性は連日に渡りセクハラを受けている。
実際大きな社会問題の一つのセクハラだが、この映画では悲惨なまでの仕打ちを見せてくれます。
男社会の職場での女性への嫌がらせは性欲と言うよりは男から見た女性への偏見と反発から来るものなんでしょうが、ウンチで落書きしたり、簡易トイレのボックスごと押し倒したり弁当箱にチ○○コのオモチャを入れたりと低レベルな嫌がらせで同姓として情けない(勿論、オシリ触るのは日常茶飯事!)
でも実際はそんな行為もされてるとこあるんでしょうな~
またそこで働いてる女性も何か逞しい方々で根性が座ってそうな厳つい面々・・・でもその環境に順応する事=耐えることに慣れていた彼女たちの意識を主人公が動かしていくところは女性の強さのようなものを感じます。

主人公がその会社を告発し訴訟に持ち込んでいく過程において様々なエピソードがあるがフランシス・マクドーマンド演じる友人が不治の病にかかり衰弱していく所は泣かせますね。
その彼女を支えるショーン・ビーンもいつもの悪役ぶりとは打って変わって献身的に看病する姿はジーンとさせられます

また父親とのエピソードも後半は泣かせる場面が用意され、ある意味この作品の大きなハイライトとなっています
この辺の父親の取った行動はある種感動ものですね

また法定シーンはなかなか面白く、アメリカの裁判制は実に映画向きだな~といつもながら思ってしまいます。
弁護士のウッディ・ハレルソンがここでは活躍しますが、相手側の証人のセロンの元彼を尋問しやり込める場面はストーリー的には胸のすくシーンだが、どう見ても誘導尋問でしょう・・・とツッコミ入れてしまいました(どうでもいいけど裁判長がハマコーそっくりだった!)
女性のみならず、それまで嫌味な態度を取っていた男たちまでの心を揺り動かす彼女の行動はタイトル通りスタンドアップする勇気の大切さを感じました



★★★★ 2006.1.19(木) 角座2 18:55 O-17
   

No.006 「プライドと偏見」 (2005年 英 127分 シネスコ)

2006-01-21 02:03:00 | 2006年劇場鑑賞
監督 ジョー・ライト
出演 キーラ・ナイトレイ
    マシュー・マクファディン
    ドナルド・サザーランド



18世紀を舞台にしたラブストーリーで、美しい田園風景も印象的で18世紀のイギリスの片田舎を見事に表現しています。
その中に際立つキーラ・ナイトレイの美形ぶりがまたいいんですね~
前作「ドミノ」とは180度異なる役柄で今度は田舎の娘をハツラツと演じております。
5人姉妹に次女役だが、長女はまだしも後の3人とは顔立ちも似ても似つかないのが玉に瑕か・・・当たり前だがね

この時代の娘たちは嫁に行くのは色々大変なようで、ご近所に金持ちのイケメン男がご越して来ようもんなら村中が大騒ぎでやれ舞踏会やらお茶会やらの大騒動!てトコが微笑ましい描写ですね。
舞踏会での独特のダンスの場面は時代を感じさせますね~ 集団で踊るのはまるでフォークダンスのようです。
この舞踏会の場面での主要人物が行き交うロングショットは秀逸でしたね

その中でキーラ・ナイトレイ演じるエリザベスが初対面で貴族の男ダーシーに夢中になったと思い気や、ある事で偏見と誤解を持ち、嫌悪感を持つが心の中には常に彼の存在が・・・やがてある事件がキッカケで彼の本心を知る。
この辺はラブストーリーが盛り上がっていくところですが、どうもこのダーシーがクールと言うより陰気な男に見えたのは私だけかな?
あんなモッサリした奴のどこがええねん!何て思ったけどこれは演ずるマシュー・マクファーディンのキャラのせいか・・・?
BBCのTV版があったそうだがそれではコリン・ファースが演じてたそうですが、なるほどそっちの方がいいかもね

母親役のブレンダ・ブレッシンが娘たちの行く末を案ずる母親をコミカルに演じていて印象的です。
男が家を訪ねて来ようもんなら娘たち以上にテンション上がって大騒ぎ!この作品での笑わせ役といったところ
父親役のドナルド・サザーランドも物静かな雰囲気と好対照でいい意味でアンバランスな夫婦でよいですな

またジュディ・デンチが嫌味な役で登場し、偏見に満ちた貴族の奥様を堂々たる貫禄で演じています。
イギリスを代表する名優3人とキーラ・ナイトレイ初め若手とうまく溶け合って時代ものの恋愛映画でした

でもやはりキーラ・ナイトレイの美形ぶりが一番印象的だったな・・・



★★★ 2006.1.19(木) 千日前セントラル 16:05 中央座席付近



No.005 「シルバーホーク」 (2004年 香港 99分 シネスコ)

2006-01-15 00:54:00 | 2006年劇場鑑賞
監督 シングル・マ
出演 ミッシェル・ヨー
    リッチー・レン
    マイケル・J・ホワイト             



普段は雑誌の表紙を飾るほどの金持ちのセレブだが一旦悪事の匂いを嗅ぎつけば銀の仮面に銀のコスチュームに身を包んだスーパーヒロインとして悪を退治するシルバーホークに変身・・・「SAYURI」で堂々たる花街のねぇさんを演じたミッシェル・ヨーが香港でお得意の娯楽アクションを見せてくれます。
ハリウッドの大作に出てもこの人はこう言うB級の娯楽作品でも違和感なく見れてしまいますね。
ホームグラウンドで本領発揮と言った感じですが、相変わらずスタントなしの格闘アクション見せてくれるけど、アクロバティックな動きは多分スタントでしょうね。
年齢的なものもあるでしょうが、かつて「007/トゥモロー・ネバー・ダイ」に出た時は「思うようなアクションシーンをやらせてもらえないわ」と嘆いていたけどハリウッドスタイルが身に付いてスタントに頼りだしたのかな?

シルバーホーク逮捕の命を受けてリッチー・レン扮する刑事リッチマンが赴任後最初に接触した女性がセレブで子供の頃兄妹の契りを交わした幼なじみのルル・・・彼女こそシルバーホークだった!
やがてルルの正体を知り悪の組織と手を組んで戦うことになる・・・とまぁ、先が読めるベタな香港アクションになっております

正月映画として公開されたけどイマイチにインパクトに欠ける作品で舞台が近未来の架空の街と言う設定だが近未来感ゼロな上に香港と東京のバレバレな風景。
B級映画とは言えもうチョットちゃんと作ってほしいもんです(ま、そこがB級映画の楽しいとこでもありますがね)

悪役でスポーンことマイケル・J・ホワイトが登場!こんなトコに最近出てるんか?
「キルビル」でも予告編でしか出てなかったし(公開された本編では出演シーン全面カットされてた)香港のほうで最近身を置いたか・・・?
ミッシェル・ヨーとマイケルとの対決がクライマックスで登場するけど、ワイヤー全開の香港アクション全開!
そういえば冒頭のシーンで手裏剣なんか出してたけど冒頭だけで後は特に武器見たいなものは出てこなかったね~色々出て来るかと思ったけど最初だけやったね。
強いて言えば無人でも走るバイクぐらいかな・・・バイクというより西部劇の馬みたいな扱われ方でピンチになると無人で走ってきてシルバーホークを乗せて立ち去っていく!
バットマンのバットモービルのパクリか?
正義の見方の正体が金持ちのセレブって設定もバットマン風やね



★★★ 2006.1.13(金) 天六ユウラク座 23:00 中央座席 

No.004 「輪廻」 (2005年 日本 96分 ビスタ)

2006-01-13 02:21:08 | 2006年劇場鑑賞
監督 清水 崇
出演 優香
    椎名桔平
    香里奈



「呪怨」でいっきに日本のマスター・オブ・ホラーになった感のある清水崇監督の最新作ホラーで、ここ最近「呪怨トリロジー」を作ってきてた清水監督だが、正直見る側としては「呪怨」も飽きてきた頃なのでここらで新しい題材で彼の作品を見たいところであった。
ホラー映画でも良く扱われる「輪廻転生」をテーマに持ってきたところはホラー作家としては定石パターンかな?
アメリカ映画で「オードリーローズ」て言うオカルト映画の佳作があるけどこの作品は子供の輪廻転生がテーマだが、今回も子供の輪廻に関わる物語。
「呪怨」では男の子を効果的に使ってたが、今回は女の子で小道具として人形が使われている(これが子供が持つようなシロモノでなくとにかく不気味!)
ヌ~と幽霊が現れたり人物の後方を子供が走りぬけたりするのは「呪怨」の雰囲気・・・て言うより「リング」から始まるアジアホラーの最近のパターンと代わり映えしないけど「呪怨」じゃないと思うと何か新鮮!?私はよほどこの監督に「呪怨」のイメージを持ってる見たいだ。
でも8ミリカメラのフィルムがカラカラと回る音が今回効果的に恐怖感を盛りたてていいですな

よく心霊の体験談で深夜の山道で車を走らせてると人が飛び出てきて跳ねてしまい、車を降りて見て見ると誰も居なくて、その替わり漆黒の闇の木立の中から無数の顔が見えてきて・・・て体験談で出てきそうだが、それを映像化した場面がこの作品で出てきますが、これが気持ち悪いですね~ 「あのネタを映像にするとこんな感じか・・・」と思わず思ってしまいましたよ

この作品はプロットが少し複雑で、まず実際の惨殺事件があり、それを映画化する話があって、それの作品「記憶」を撮影している過程での怪奇現象を「輪廻」として我々が見てるという構成です。
どことなく「女優霊」を連想してしまう所もあるんだが撮影所てのはこう言う映画には持って来いの舞台ですね。

35年前の11人惨殺事件(チョイ八つ墓村?)の犠牲者が生まれ変わって・・・て展開は始まって早々に予想は付いてしまうけど、今回は最後に少し捻りを加えてるのが「呪怨」とは違うところで、ひたすら幽霊で見せる怖さと違いストーリーに多少のトリックを使い話的にもゾッとさせれるのを用意しております。
まぁ 途中で判らなくはないけど・・・でも「呪怨」からやや一歩前に出てくれたかな?と言う印象はあるので、そろそろ「呪怨」は打ち止めにして新しい題材にどんどん取り組んでほしいものですな(ハリウッド版のパート2するらしいけど)

この映画で特筆なのが優香の存在ですね。
その二コリともせずひたすら過去の恐怖に怯える姿は意外にも上手い芝居を見せてくれ、その堂々たる悲鳴の上げっぷりは和製スクリーミングクイーンの誕生の予感を感じさせましたよ(特にラストの優香は絶品でっせ~)

前世の業は生まれ変わっても憑いて回るものなのか・・・そんな思いにかられる作品でした



★★★ 2006.1.12(木) 千日前OSスバル座 18:30 スタンド前列端


No.003 「Mr.&Mrs.スミス」 (2005年 米 118分 シネスコ)

2006-01-13 01:19:28 | 2006年劇場鑑賞
監督 ダグ・リーマン
出演 ブラッド・ピッド
    アンジェリーナ・ジョリー
    ビンス・ボーン



正月映画らしい二大スター共演のド派手な映画で、やはりお正月はこれ位に派手にやってくれなきゃね~
ブラッド・ピッドとアンジェリーナ・ジョリーの今やスターと言うよりセレブて言葉がピッタリの二人がド派手な逆噴射夫婦振りを見せてくれるけど、でも激しいカースタントもあるし派手な銃劇戦に大爆発などなど申し分なく迫力あるのだが内容はアクション映画の形態を取ったコメディて感じですね。

お互い殺し屋と知らず恋に落ちて結婚し何年も互いが殺し屋と言うの隠したまま結婚生活送るて言う設定はそれだけでも面白いし、また互いに秘密の武器の隠し場所が自宅にあるてとこも生活感があって良いですね(妻はオーブンの中にナイフなどを隠し持ってたり)
途中から互いが殺し屋て事が判りそこからド派手な夫婦喧嘩が始る!
マシンガンをぶっ放し、手榴弾で家を木っ端微塵に吹っ飛ばす・・・もうコメディ以外何者でもないですね。
まさに逆噴射夫婦!そういう意味でホント面白い映画ですね~ 中身が無い分思いっきり派手にドンパチやってやれ!て感じで、まさにお正月番組にピッタリの作品

アンジェリーナ・ジョリーはこの作品でも相変わらず色っぽい雰囲気を出し、出だしの頃はあまり好きでない顔立ちだったんだが、ここ最近あの顔がやけに色っぽく感じだしました。
今回はあまりお色気のあるような場面はないけど、コートを脱ぐと中から黒いボンテージルックが現れ、髪をほどいて長い髪の毛をパラッと垂らすとこなどはこの人ならではのエロさとカッコ良さがありますね。
そのボンテージルックで男をムチでしばく姿も良くお似合いで・・・

一方ブラッド・ピッドはなんか最近は似たような役が多いような気がします。
ここらで新境地を見てみたいもんですね。

ブラッド・ピッドとアンジェリーナ・ジョリーがダンスを踊る場面があるがこの二人が踊ってるて言うだけで豪華な雰囲気が感じられました。
やはり華のある役者が出るのと出ないのとではそれだけで映画の雰囲気って左右されるな~と何か感じてしまいました
この二人がジョン・ウーの映画張りに特攻するクライマックスに見せる派手な銃の撃ち方もカッコよろしいわ!
回転しながらの十字架撃ちをブラピとアンジェリーナで見れるとは想像も出来なかったです。
お正月一番のお気楽ド派手コメディです



★★★ 2006.1.12(木) アポロシネマ8 スクリーン7 15:55 K-3




No.002 「男たちの大和/YAMATO」 (2005年 日本 143分 シネスコ)

2006-01-09 00:42:15 | 2006年劇場鑑賞
監督 佐藤純彌
出演 反町隆史
    中村獅童
    松山ケンイチ



「戦艦大和」と言えば、昔プラモデルのウォーターラインシリーズなどのプラモデルを良く作りましたね。
かなりデカイ模型何かも売っててプラモデル店のウィンドウによく飾っていた・・・だいたい店のウィンドウに軍艦が飾ってれば大和でしたね。
まぁ、それほど今だに日本の戦艦=大和と言われるぐらい日本を代表する船だったんですね。
その割にはこの大和を題材にした映画って少なかったように思いますね
「連合艦隊」て映画はあったけど大和を題材と言うより太平洋戦争全体的な物語だったし・・・

この作品は実物大に再現された大和のセットが話題を呼んでいただけあってスタジオでのセットにない臨場感のある映像はさすがでしたね。
多少CGは甘いとこもあるが、邦画にしては実にうまく出来てると思いまいたよ。
戦闘シーンは大きく分けて2回あるけど、中盤で描かれるレイテ沖海戦の場面の戦闘シーンは何ともショボイ感じで「相変わらずアカンなぁ~クライマックス大丈夫かいな・・・」
昨今の戦争映画の戦闘場面はS・スピルバーグ監督の「プライベート・ライアン」以降は徹底したリアリズムな迫力で描かれるパターンが多いので{迫力}と言う点では結局は所詮邦画の特撮止まりか・・・と感じてたが、クライマックスの大和が沖縄へ向かう途中に米軍に攻撃される場面はそれは戦闘シーンと言うよりは玉砕シーンと言った方が当てはまりそうなノーガードで成すがまま状態!
スクリーンが終始真っ赤な鮮血で彩られる悲惨な地獄絵巻を見せてくれます。
血しぶきを上げて数十人の兵隊が悶絶し倒れこみ、階段を何重にも折り重なり合って人が転がり落ちてくるし、爆風で数名の人間が木っ端微塵に吹き飛ばされる・・・これを手持ちカメラのブレた映像で見せ、しっかりそう言う意味では「プライベート・ライアン」してます。
日本の戦争映画でこんなに壮絶な描写はさすがに過去には無かったですね。
そして死んで行くほとんどが十代の若者たち・・・それまでのエピソードの流れがあるだけに、この戦闘場面は辛く悲惨に思えてくる

反戦映画て意味ではその戦闘場面を一つ取って見ても戦争が愚かしくも残虐な行為だと言うのが感じ取れるのだが、しかし単に反戦と言う意味だけでなく、これはその時代に生きてきた人間の運命の物語て感じがします。
「戦争」「大和」と言うものに対し、その運命に立ち向かって生きてきた少年兵やその家族や恋人たちの群像劇でもあると感じました。
現代の場面で年老いて漁師をしてる神尾(仲代達也)に付いてる少年が大和の若い乗組員は自分と同じような年齢で乗船していた事を知り絶句する場面が出てくるが、もしこの少年があの時代に生まれていたら・・・・逆にあの時代の若者がこの現代に生まれていたら・・・そう思うと本当に運命と言うものを感じてしまいます。
その運命に対し一生懸命生きていく大切さ、今の大切なモノを守る気持ち、たまたまあの戦時下に生まれ生きてきて大和と共に運命を共にした人たちからのメッセージを感じます。

互いに想いを寄せ合う若き日の神尾(松山ケンイチ)と同級生の妙子(蒼井優)とのエピソードも時代が違えば楽しい青春を送れていたんだろう・・・などと思ってしまうんだけど彼らもその時代の青春を一生懸命生きている。
特に妙子の明るい笑顔が可愛らしいほどそんな事を思うと痛々しく感じてしまうのです。

大和の甲板の黒板に書かれた「死二方用意」て文字が胸に気ますね
国家の為に命を捧げるのが当たり前の時代に様々な思いを抱き大和とともに運命を共にした若者たちの物語

ところで映画を見てる途中からややピントがボケて来た・・・見れない事はないんだが、あきらかにソフトフォーカス!結局最後まで直らずだった。
後半登場する渡哲也はソフトフォーカスのままでしたわ
鑑賞した劇場は町の昔ながら2番館的な劇場・・・ま、苦笑いで済ましておこう



★★★★ 2006.1.7(土) タナベキネマ 21:20 後方3列目中央 



No.001 「ハリー・ポッターと炎のゴブレッド(日本語吹き替え版)」 (2005年 米 157分)

2006-01-06 00:01:12 | 2006年劇場鑑賞
監督 マイク・ニューエル
出演 ダニエル・ラドクリフ
    ルバート・クリント
    エマ・ワトソン



相変わらず人気ありますこのシリーズ
連日シネコンはチケット売り切れの札が絶えません!
二昔前なら劇場のドアが閉まらないぐらいの立ち見が1日中続いたでしょうね(懐かしい!)

ハリー・ポッターシリーズの第4作はますますとダークファンタジー色が強くなり、吹き替え版とはいえ小さいお子様にはだんだん難しくなってきた印象です。

前半から中盤ぐらいまでは魔法学校対抗試合が中心で描かれ、それに絡んでハリーとロンの友情が壊れそうになったり、ハリーが妙に色気(?)づいたりとハーマイオニーと合わせて主役3人の友情あり恋ありといった青春ドラマチックな進行だが、終盤はガラリと変わって前作の「~アズカバンの囚人」のようにダークな雰囲気な展開になりますが、ここらから正直前作は劇場公開中に1度見たきりであまり細部まで憶えてない私はチト展開について行けなかった(情けない・・・)
この辺はこのシリーズを見てる人と見てない人では当然ながら差が出るでしょうね

3度にわたって展開される対抗試合のシーンはこの作品の大きな見せ場でありますが、ドラゴンとの死闘や水中でのカエル人間見たいな奴(スマン!こんな知識で)とのカラミが何か呆気なく感じ、もっと色々盛り上げれたのではないかと感じましたが、まぁ原作もある事なんでどうでしょうね。
でもこの辺はもっと面白く見せれたのではないかなぁ~
シリーズ最高の見所のあるような宣伝ですが、私はなんか地味な印象・・・
でも評判は結構いいみたいですね~

後3作このシリーズ続くはずだがいつまでこの3人の役者で行けるだろうか・・・
ま、このまま押し切ってしまうかも知れないけどだんだん無理になってくるのは目に見えているので、そこら興味もあります。
多くのファンは少なくともハリー=ラドクリフで最後まで行ってほしいと思ってるでしょうね。
今回アラン・リックマンが出番少なかったですね
セリフもあまり無かったような気がしますが、その替わりヴォルデモート卿役のレイフ・ファインズが不気味な怪演を見せてくれてます。
正直レイフ・ファインズとは後で知りましたが・・・それ同様ゲーリー・オールドマンも素顔では出ず、誰やら判らん状態で登場してました

1作目からもそうなんですが、いつも気になるのが上映時間の長さです。
いづれも2時間半前後で、この手の作品は2時間ぐらいが適当かと個人的に思います。
ファンの方にはこれでも物足りないようですけど・・・
子供には結構辛いと思うんですがね~(大人もだけど)



★★★ 2006.1.5(木) アポロシネマ8 スクリーン4 16:30 L-2