黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

甘金丹@リブラン

2013-09-09 | スイーツ




 スポンジの中にカスタードクリームが入った、シンプルなカスタードケーキ。
 富山らしい(=薬屋)レトロなパッケージがおもしろいです。

 リブラン:富山(富山) ※駅の近くで購入…

『泣き童子 三島屋変調百物語参之続』宮部みゆき(文藝春秋)

2013-09-09 | 読了本(小説、エッセイ等)
神田三島町の袋物屋三島屋の主人伊兵衛の姪おちかは、ひょんなことから黒白の間で客から不思議話を語ってもらう百物語の聞き手を務めている。
神無月はじめの頃。おちかと同じ年のころの娘が、三島屋を訪れた。
お文という娘で、父が地主岡崎一宇衛門の用人をしており、幼なじみの一郎太との祝言が決まっているという。その幼なじみのところへ嫁に行く前に、誰かにどうしても聞いてほしい話があるらしい。
それは、彼女の祖母が住んでいた岩槻にある池にまつわる言い伝えだった。鏡池という本来の名ではなく、魂取の池という別名で呼ばれるその池の神は、悋気持ちで仲の良い者たちがやってくるとただ別れさせるだけでなく、その後別れた相手が最悪の相手と結ばれるという念の入りようであるという。
祖母はその頃の相手と一緒に池へ出かけ……“魂取の池”、
口入屋の灯庵が連れてきた今回の客は、老境に差し掛かった上方の出の商人と妻……白粉問屋大坂屋の主であった長治郎と妻のお陸である。代替わりしてゆずったばかりだという。話をしにきたのは長治郎で、お陸は彼の身体が心配であるためその様子を次の間に控えて見守りたいという。
長治郎は、漁師町の生まれであったが十歳の頃に山津波で、一族親類や幼なじみたちを亡くし、天涯孤独の身となって地元の網元の屋敷へと引き取られることとなった。だが、くりから屋敷と呼ばれる大きく古い網元の屋敷で、不思議な夢を見る。行方不明になった友たちが夢に出てきた後、その亡骸が見つかるのだった……“くりから屋敷”、
霜月。三島屋の前で瀕死の老人が行き倒れた。店総出の看病の甲斐もあって、ようやく息を吹き返した老人は、三島屋の百物語の噂を聞き、話を聞いて貰おうとやってきたのだという。
そんな彼が語りはじめたのは、ある幼子のことだった。
差配をしていた男は、妻を産褥で亡くして以来、娘とふたりで暮らしてきた。成長した娘に婿を取らせようと考えたが、すでに彼女には好いた相手がおり、わがままに成長した彼女は彼のいうことを聞こうとはしない。
そんな中、看板屋の前に捨てられた赤子がおり、子沢山の看板屋に引き取られた赤子は末吉と名付けられていたが、ときどき大泣きするという癖があった。何か理由があるのではないかと考えた看板屋の娘・お七は店の見習いの蓑助が原因であると探り当てるが……“泣き童子”、
黒子の親分こと紅半纏の半吉がやってきて、「心の煤払い」と称して札差の井筒屋七郎右衛門が主催する怪談語りへとおちかを誘い、青野利一郎、お勝とともに出かけることに。
第一の男は、普請道楽だった父が建て増しした家の不思議な顛末えお、第二の女は、女中から聞いた転んではいけないと伝えられている橋で転んだ時の話を。第三の男は、千里眼の持ち主であった母のことを語る。そして親分は、まだ下っ端のころ、親分から番を頼まれたある病人について語る……“小雪舞う日の怪談語り”、
店に来て二度目の正月を迎えたおちか。
そんなある日、北国生れの若侍・赤城信右衛門が、おちかの評判を聞いてやって来た。お国訛りの口調で彼が語ったのは、故郷の山で出会った奇妙な獣と彼の亡くなったばかりの母のことだった。
彼は幼い頃、母・光恵の生まれ育った尼木村という村に預けられることになったが、ガキ大将の籐吉に目をつけられいじめられていた。
そんな生活に耐え切れず、夏の暑い日、家出をした彼はまぐると呼ばれる怪物に出会うはめに……“まぐる笛”、
半年前に夫を亡くしたという小間物屋の未亡人・お末が話を聞いてほしいと三島屋を訪れた。
彼女が語り出したのは伯父のことだった。
父の三蔵の兄である春一は、長男ながら放蕩の限りをつくし、生家を追い出されていたのだが、三十半ばを過ぎたころ正気を取り戻し、自分の弟である彼女の父を頼って、三両で一年間、身を置かせて欲しいと頼んだという。
彼の言葉を疑いつつも、物置で暮らし、真面目に倹しく働いていた伯父だったが、何故か二十四節気になるとどこかに出かけていた。お末はある日、そんな彼の秘密を知ることに……“節気顔”の6編収録。

シリーズ第三弾。ほろっとさせつつも怖いお話満載でした。
『節気顔』で再登場した(聞いてる話の中ですが)男が、これからもまだ出てきそうで気になるとこ。

<13/9/8,9>