黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『菩提樹荘の殺人』有栖川有栖(文藝春秋)

2013-09-26 | 読了本(小説、エッセイ等)
ミステリ作家・有栖川有栖(アリス)は、たまたまできた時間のゆとりを利用し、しばし世間との交流を断って読書にいそしんでいた。
その間に巷で発生していた、通り魔連続殺傷事件に進展があったらしい。担当編集者の片桐から聞いたところでは容疑者は逃走し、指名手配されたものの、高校二年の未成年の少年であったことから、顔と名前が伏せられていて各所で批判もあるという。
そんな中、八尾市で尾木紫苑という少女が刃物で刺される事件が発生、続いて座間剣介という少年の遺体も見つかる……“アポロンのナイフ”、
三月半ば。人気上昇中の若手漫才コンビ<雛人形>のひとりである、メビナこと矢園歌穂が大阪市内の自宅で殺害されているのが発見された。彼女の遺体は何故か奇妙な舞踏をしているような格好をしていた。
彼女とコンビを組んでいたのは帯名雄大。二人は一緒に組む前それぞれ違う相手とコンビを組んでいたという……“雛人形を笑え”、
梅田で買い物をしていたアリスは、大学時代の顔見知りである阿川アリサに再会する。現在は法律事務所で働いているという彼女から、思いがけず学生時代の火村の話を聞くことに。
裕福な御曹司・片平幸彦の自宅でパーティーが開かれることになり、阿川と他数名の学生たち、そして火村も参加した。火村以外の人間は先に来ていたが、その中のひとりが途中で車の接触事故を起こしていた。頭が硬そうな火村には黙っておこうという皆の了解の元、遅れてきた火村には黙っていたのだが……“探偵、青の時代”
七月。テレビでアンチエイジングを謳って有名となったカウンセラー・桜沢友一郎が殺害された。菩提樹荘という自らの所有する家の池で、服を脱いだ状態だったという。彼は実年齢の割に若々しく、数々の女性と浮名を流していた艶福家。
姉の亜紗子によると、現在は北澄萌衣と長束多鶴という二人と付き合っていたが、北澄には別の相手がおり、長束は逆に彼から別れを切り出されたものの納得していなかったという……“菩提樹荘の殺人”の4編収録。

今回はいろんな意味で「若さ」がテーマである模様……年を取らない常若の住人である彼らですが(サザエさん状態/笑)。
久々に火村たちの出逢いのエピソードが出てきたような気がしますね~。

<13/9/25,26>