黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『鯖猫長屋ふしぎ草紙』田牧大和(PHP研究所)

2013-07-28 | 読了本(小説、エッセイ等)
縞三毛の白茶鯖縞柄の雄猫の「サバ」は、根津宮永町にある割長屋「鯖猫長屋」で一番えらい存在。飼い主は、猫ばかり書いている売れない絵師・青井亭拾楽である。
以前サバは、祭りに出かけようとした長屋の大工与六おてる夫婦が出かけるのを止め、その後永代橋が落ちたのを予見したことがあり、それ以来一目置かれる存在なのだ。
ある日、そんな長屋にお智という女が越してきた。その彼女の絵を、拾楽が描いたというので、長屋に住む娘で彼に思いを寄せているおはまが気落ちしていると、仕切り屋のおてるが乗り込んできて……“其の一 猫描き拾楽”、
長屋の二軒奥の向かいに住む店子、魚の振り売り・貫八…おはまの兄が、拾楽のところに白無地の団扇を持ち込み、猫を描けとやってきた。希望通りに団扇を渡した拾楽だったが、その後、その団扇を貫八が富札が当たる御利益がある団扇だといって売っていたことをお智が知らせにやってきた。
やがてその団扇を買ったという小間物屋の徳右衛門が長屋に乗り込んできて……“其の二 開運うちわ”、
鯖猫長屋に、名の知れた読本作家・長谷川豊山が越してきた。どうやら彼は方々の長屋で騒ぎを起こしては家移りを繰り返しているという噂もあり、心配する長屋の人々。
そんな中、サバが姿を消し、心配していた拾楽だったが、その後豊山の元にいると判明。
ある物の怪退治の話を書いていた彼は、以来怪現象に悩まされており、それ故に家移りを繰り返しているのだという。サバが来てからその現象が止んでいることから、サバを貸して欲しいと頼まれるが……“其の三 いたずら幽霊”、
品川町の笠屋真砂屋の手代が、主の幼い跡取り息子が雄の三毛猫を欲しがっているからと譲って欲しいとやってきた。もちろん話を断った拾楽たちだが、金の力で何とかしようとする手代たち。そこへちょうど越してきたばかりの侍・木島主水介が現れて、追い返すのに力を貸し、事なきを得る。
だがその後、「成田屋」というあだ名を持つ北町定廻同心の掛井十四郎が長屋に現れ、件の手代が再びその話を蒸し返していることを知った拾楽。曰く、お智の知り合いである三次が間に入って話がついたといっているというのだが……“其の四 猫を欲しがる客”、
大晦日。拾楽の部屋の前に、犬が行き倒れていた。
長屋には赤子もおり反対もあったが、おとなしい性質でサバの云うこともよく聞くらしいことからその顔に免じて、しばらく長屋で世話することになり、「アジ」と名付けられる。そんなアジは誰かを探している様子だった。
そんな中、根津権現で大道芸を披露している主水介と出かけたアジが侍に噛み付いたという知らせが入り……“其の五 アジの人探し”、
春。花見を前に、長屋の差配磯兵衛が風邪を引いたという。
代わりの差配を引き受けることになった拾楽は、磯兵衛からお智の身の回りに気をつけて欲しいと頼まれる。その矢先、お智の部屋が荒らされる事態が発生。
彼女からこの長屋に越していた経緯を聞く……“其の六 俄か差配”、
磯兵衛の快気祝いを兼ねて、藤の花見に出かけた長屋の人々。そんな中、おはまが拐かされてしまう。
さらに三次が首を絞められた死体で見つかり……“其の七 その男の正体”を収録。

俺様な雄の三毛猫・サバが活躍する(笑)時代物。ちょっとミステリテイスト。
拾楽は表向きさえない絵描きを装いつつ、実はかつて義賊として名の知れた男で、死んでしまった弟分の遺志でそのうちに姿を現すらしい何者かに謝るために、その長屋にいるという(目印が鯖縞の猫)設定。
その用件に関わる話は各章の冒頭でいろんな視点から語られ、謎めいた人々の行動の理由とともに徐々に明らかにされていく様は、面白く読めました。
何はともあれ、サバが可愛い♪あ、アジも!

<13/7/26,28>

本なお茶会・その25@真昼造船

2013-07-28 | おでかけ
 今回のテーマは、色のシリーズ第2弾(笑)『青い本』でした。
 参加者は4名。
 わたしは、前回(雨の回)にちょっと悩んで止めた宮木あや子さんの『雨の塔』と、桑原弘明さんの『Scope』作品集(表紙が青い)、ちょうど前日買って読んだばかりの佐藤弓生さんの歌集『世界が海におおわれるまで』を持って行きました。
 他には、森さんの『スカイ・クロラ』(文庫)、太宰の『女生徒』(+写真集みたいな)、足穂の『少年読本』、河出のムック本『澁澤龍彦』、最相葉月さんの『青いバラ』、講談社ブルーバックスの簡単にできる手品の本等々。



 久々に本の画像も撮ったので(笑)。



 おやつは、おなじみトゥジュールさんのスイーツ。
 わたしは午前中に親知らずを抜いたばかりだったので、硬めのものは避けて、トマトのゼリー。
 +マカロン(←わたしの差し入れ分)。