黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『歌集 森の莓』野原亜梨子(本阿弥書店)

2013-07-22 | 読了本(小説、エッセイ等)
肋骨の浮く痩身のしどけなく少女人形横たはりをり
人形の肩美しく整ひて水鳥の羽の静けさ思ふ
あどけなき少女の顔した人形は髪から宙に溶けさうにゐる
ひとりでにオルギネットが歌ひだす 春の夜なれば狂ふ半音
怖いのはおとぎ話の終わる時 柱時計が鐘を打つ時
緩慢なる死もありぬべし硝子器に日々壊れゆく薔薇の紀
君とゆく金色の庭 蜜蜂は翅音を曳きて遠ざかりたり
眠りたるわれを野ばらが焼き尽くす幻影なれど怖ろしき薔薇
幽閉の王女のごとく暮らしゐてこの部屋はもう聖なる柩
人形となる練習をして立ち尽くす驟雨のなかに身を震はせて

「初のゴスロリ歌集」と帯にはあるのですが、どちらかというとロリータ要素多め。表紙もピンク&レース柄で絵本風な判型だし。お人形も作られる方で、表紙を飾っている人形もご自分の作品のようですが、私的な好みからいうとちょっとテイストが甘過ぎかな…。
歌のモチーフ的には、薔薇、人形などが多いです。

<13/7/22>