黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『ナモナキラクエン』小路幸也(角川書店)

2012-09-24 | 読了本(小説、エッセイ等)
「楽園の話を、聞いてくれないか」
七月の夏休みが始まる手前の日曜日。そう言いかけて、突然亡くなってしまった父・志郎。あらかじめ自分の死後の為の準備をしていた父は、母の違う向井四兄弟…大学生の長男・山(サン)、高校生の長女・紫(ユカリ)、中学生の次男・水(スイ)、小学生の次女・明(メイ)のためにに手紙を遺していた。
家から去ったそれぞれの母親の行方が書かれており、会う必要があると考えるなら会ってこい、と。
父が遺したオールドカー、一九六一年製のモーリス・マイナー・トラベラーを駆り、それぞれの元を訪ねることにした夏休み。
父のいう『楽園』とは何を示すのか……

父と四人の母の違う子供たち、そして家政婦代わりに面倒を見にきてくれる朝美さん、で構成されていた向井家。突然父が亡くなり、それぞれの母に会いに行く、というひと夏のお話。
『東京バンドワゴン』とはまたちょっと違う感じで、家族小説。
血のつながりよりも人の心のつながり、というか、その場としての『家』に重きを置いているという意味では、同じかな。
悪い人は出てこず、それぞれのお母さんたちも穏やかに彼らを迎え入れてくれる、という小路さんらしい展開。
サンの彼女・はるかちゃんもよい子♪

<12/9/24>