黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『トゥルークの海賊 1』茅田砂胡(中央公論新社)

2012-09-12 | 読了本(小説、エッセイ等)
高齢を理由に政界を引退しながらもいまだ影響力を持つ、マヌエル一世に呼び出された、ケリーとジャスミン。
その席で、惑星トゥルークの高僧アドレイヤ・サリース・ゴオランと、ルゥの友人であるライジャ・ストーク・サリザンの両親…二人とも元トゥルークの高僧だったが、還俗して結婚…ダレスティーヤ・ロムリスとエルヴァリータ・シノークと対面。
現在連邦中枢で蔓延しているという謎の薬物<パーフェクション>。
ある一部の人間にのみ、過剰な効果をもたらすものであるらしいその薬物の成分は、トゥルークの僧侶のみが知る香・羅合と同様の成分…藍王木という植物と白籠岩という石材から作られるというのだが、折りしも頻発する海賊の被害に遭っている貨物船の積荷に共通するものが、その二つであるという。
海賊に精通するケリーとジャスミンは協力を依頼され、トゥルークへと向かうことになったのだが、高度三万六千キロメートル以下はけっして飛行しないという渡航条件やら、初っ端からその宗教的特徴からくる、あまりにも特異な人々の状況に困惑気味なふたり。
さらにトゥルークにおいて“大いなる闇”として崇拝されているルゥが発した一言の余波がダレスティーヤたちの僧籍復活問題まで引き起こし、ライジャの姉・エレクトラとその恋人・キースの問題に巻き込まれたり……

ひさびさに続き物(といっても一冊完結じゃないだけで、物語世界的には、いままで連綿と続いてるわけですが)。
一世の依頼で、問題解決の為、ライジャの故郷である惑星トゥルークに調査にやってきた怪獣夫婦。宇宙船で星に近づくともれなく撃ち落とされてしまうので(まるで悪意のない僧侶たちに)、ダイアナは近づけなかったり、いろいろ特殊な状況下(笑)。
説明満載で、ちょっと読みにくい巻でしたが(なにより僧の階級わかりにくいので巻頭に図解が欲しい…)、最後の最後にケリーの逆鱗に触れそうな輩がようやく登場して(地の文で『馬鹿』呼ばわり…/笑)、どう暴れるのか続きが気になるところ。
本編にかかわる前日譚(ルゥの問題発言云々のエピソードが出てくるらしい)が存在し、それが限定公開だったというので苦情があり、現在は中公HPで読めるようになったらしいのですが(続刊に収録されるまで継続)、何故かそのPDFが開けないので(エラー?)、わたしは未だ読めず;

<12/9/12>