黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『最後の審判の巨匠』レオ・ペルッツ(晶文社)

2012-09-18 | 読了本(小説、エッセイ等)
1909年の秋、ウィーン。著名な宮廷俳優オイゲン・ビショーフの自宅で、演奏会が開かれることになり、医学博士エデュアルド・フォン・ゴルスキ、エンジニアのヴァルデマール・ゾルグループ、そしてビショーフの妻・ディナの元恋人であったゴットフリート・フォン・ヨッシュ男爵が集まっていた。
そんな中、博士がビショーフが新たに取り組む舞台「リチャード三世」を披露して欲しいと言い出した。一度は断ったものの、熱意に負け披露することを承知したビショーフは、役作りの為と称し、庭の四阿に籠る。
ところがその後、銃声が鳴り響き、皆が駆けつけると、そこには拳銃を握りしめ、床に倒れた瀕死のビショーフが。
その時、現場は密室状態。ディナに未練のあるヨッシュが、ビショーフにショックを与える事柄を吹き込み自殺に追い込んだのではないかと疑う、ディナとその弟・フェニックスは、彼を糾弾する。しかし、ゾルグループは銃声を二発聞いたといい、犯人は別にいるという。彼の最期の言葉「最後の審判」の意味とは……

男爵の手記、という形で書かれているお話で、あらすじは本格ミステリっぽいですが、どちらかというと幻想小説寄り(著者的にはミステリではないらしい)。
先に読んだ『夜毎~』で興味を持って、手に取ってみましたが、だいぶ別な傾向かな。
最後まで読んだ後で、最初の部分を再度読み直すと、何だか捉え方が変わっておもしろいかも。

<12/9/17,18>