文化七年。加賀藩の支藩である上野国甘楽郡七日市藩一万石の江戸藩邸で勤めることになった、元加賀藩士・生田数之進。
凡庸な外見ながら、勘定方としての能力を高く評価されていた数之進だったが、姉たちの作った多額の借財返済の為、幕府の意を受けて、諸藩の状況を監視する幕府御算用者という役目を負い、その為に潜入することになったのだ。
一昨年あたりから藩の財政が上向きになっているという七日市藩。その理由がどこにあるのかを調べるのが、今回のお役目。妙に彼のことを気に入り友だと慕う、藩主・前田利和付きの若侍・早乙女一角を騙すこととなり、後ろめたい気持ちになる数之進。
そんな中、厩近くで、中間が襲われ、その場に入れ子の箱が置かれているという事件が起きる。それの意味するところは何なのか。
一方、借財の原因となった姉たち…着道楽の二番目の姉・冨美と、食道楽の三番目の姉・三紗が江戸へやってきて、数之進はさらに頭を抱えることに……
浪費家の姉たちが作った多額の借金の為、幕府御算用者(現代でいうならマルサ的な)となって諸藩に潜入し調べにいくことになった青年の活躍(?)を描いたお話。要は藩取り潰しのための材料探しなのですが、何気に人の良さと優秀な能力を発揮して、商品をうまく売り込む方法を提案したりして、ちょっと楽しく読めました。
……ただ、もっと贅沢したいから金を稼げと彼をせっつく姉たちですが、実際問題として商人でもない、一介の藩士でしかない彼に金を稼げというのは、若干おかしな話なのですが(笑)。
<12/9/21>
凡庸な外見ながら、勘定方としての能力を高く評価されていた数之進だったが、姉たちの作った多額の借財返済の為、幕府の意を受けて、諸藩の状況を監視する幕府御算用者という役目を負い、その為に潜入することになったのだ。
一昨年あたりから藩の財政が上向きになっているという七日市藩。その理由がどこにあるのかを調べるのが、今回のお役目。妙に彼のことを気に入り友だと慕う、藩主・前田利和付きの若侍・早乙女一角を騙すこととなり、後ろめたい気持ちになる数之進。
そんな中、厩近くで、中間が襲われ、その場に入れ子の箱が置かれているという事件が起きる。それの意味するところは何なのか。
一方、借財の原因となった姉たち…着道楽の二番目の姉・冨美と、食道楽の三番目の姉・三紗が江戸へやってきて、数之進はさらに頭を抱えることに……
浪費家の姉たちが作った多額の借金の為、幕府御算用者(現代でいうならマルサ的な)となって諸藩に潜入し調べにいくことになった青年の活躍(?)を描いたお話。要は藩取り潰しのための材料探しなのですが、何気に人の良さと優秀な能力を発揮して、商品をうまく売り込む方法を提案したりして、ちょっと楽しく読めました。
……ただ、もっと贅沢したいから金を稼げと彼をせっつく姉たちですが、実際問題として商人でもない、一介の藩士でしかない彼に金を稼げというのは、若干おかしな話なのですが(笑)。
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