富士山麓に所有していた山荘での、夫・泰淳や娘・花、知己の人々との日々を綴った日記(昭和三十九年~五十一年)……『富士日記』(抄書き)、
“ことばの食卓”より、普段果物を食べなかった夫との枇杷のエピソードを描いた『枇杷』の他、『牛乳』『お弁当』『花の下』『夏の終り』『京都の秋』の7編、
“遊覧日記”より、浅草蚤の市にある剥製屋の話『浅草蚤の市』の他、『上野東照宮』『藪塚ヘビセンター』『世田谷忘年会』『あの頃』の5編、
飼い猫・玉のこと、みた夢、テレビで見た熊本の泥棒をつかまえたお婆さんの簡潔な日記に感心したことなど、<ある日>に思ったあれこれを綴る“日々雑記”、
作家・椎名麟三のエピソード『椎名さんのこと』、大岡山荘の人々とのエピソード『富士山麓の夏』の2編の単行本未収録エッセイを収録した一冊。
近代~現代の女性の随筆を集めたシリーズの5巻(選者は川上さんで、巻頭にエッセイも有)。小説家・武田泰淳氏の奥様、百合子さんの巻。
以前からその存在が気になりつつも、なかなか読めていなかったので、手に取ってみました。
『富士日記』が全体の半分くらいを占めていますが、買った日用品の値段、食事内容、有名人の訃報など些細なことも描きつつも、何だかおかしみ溢れる雰囲気で、思わず微笑んでしまったり(“池田前首相がガンで亡くなった。ほかの人は死なない”とか/笑)。自衛隊のトラックがセンターラインを越えていたのを、相手にバカと怒ったら、泰淳さんが男にバカとは何だと怒り出し、さらに百合子さんが意趣返しに彼を乗せた車で猛スピード出す、というエピソードも好き(笑)。
これは是非、それぞれ単独のも読んでみたい!
<12/9/2>
“ことばの食卓”より、普段果物を食べなかった夫との枇杷のエピソードを描いた『枇杷』の他、『牛乳』『お弁当』『花の下』『夏の終り』『京都の秋』の7編、
“遊覧日記”より、浅草蚤の市にある剥製屋の話『浅草蚤の市』の他、『上野東照宮』『藪塚ヘビセンター』『世田谷忘年会』『あの頃』の5編、
飼い猫・玉のこと、みた夢、テレビで見た熊本の泥棒をつかまえたお婆さんの簡潔な日記に感心したことなど、<ある日>に思ったあれこれを綴る“日々雑記”、
作家・椎名麟三のエピソード『椎名さんのこと』、大岡山荘の人々とのエピソード『富士山麓の夏』の2編の単行本未収録エッセイを収録した一冊。
近代~現代の女性の随筆を集めたシリーズの5巻(選者は川上さんで、巻頭にエッセイも有)。小説家・武田泰淳氏の奥様、百合子さんの巻。
以前からその存在が気になりつつも、なかなか読めていなかったので、手に取ってみました。
『富士日記』が全体の半分くらいを占めていますが、買った日用品の値段、食事内容、有名人の訃報など些細なことも描きつつも、何だかおかしみ溢れる雰囲気で、思わず微笑んでしまったり(“池田前首相がガンで亡くなった。ほかの人は死なない”とか/笑)。自衛隊のトラックがセンターラインを越えていたのを、相手にバカと怒ったら、泰淳さんが男にバカとは何だと怒り出し、さらに百合子さんが意趣返しに彼を乗せた車で猛スピード出す、というエピソードも好き(笑)。
これは是非、それぞれ単独のも読んでみたい!
<12/9/2>