黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『天使たちの課外活動2 ライジャの靴下』茅田砂胡(中央公論新社)

2012-04-24 | 読了本(小説、エッセイ等)
進級したリィとシェラが、ルウとともに始めた課外活動は、“困ったことがあったらご相談下さい”という漠然としたもの。
そして季節は冬。そろそろ雪がちらつこうかという、ある日。
先に知り合った、キャンベル大学で宗教学を学ぶ留学生で僧侶でもあるライジャから、相談事が持ち込まれた。
彼の元に匿名で届けられたという手編みの靴下。宗教上と本人の信念により、そのまま受け取るわけにはいかないというライジャの依頼で、その贈り主を探すことになった三人。
シェラの編み物の師匠ティルダおばさんこと、マティルダ・ラムによると、毛糸は、オルセット社のアペシリーズの赤。運良く大学名が入っていたことから、隣の大陸ログ・セールにある、ホーマー大学手芸倶楽部のものだとわかり、作った人間もそこの人間らしいと判明。しかし所属する人数が多過ぎ、人物の特定できない。
そんな中、同じ色のマフラーをバザーで見つけたリィ。誰が編んだか訊ねると、それを作ったのはビアンカ・ローリンソンだった。彼女に会いに行くと、そこにはヴァンツァーが。しかも彼女に対して、にこやかに接していることに驚愕する三人。
そのビアンカが、ライオネル養護院という施設に寄付された品物の中に同じような柄のスカートを見たという。ちょうど彼女がその隣の州立病院にボランティアに行くというので一緒に出かけることに。
結局そのスカートは違う作り手によるものと判るが、それをはいていた女の子が悪戯される事件が起きていたことを知る。同様に大学から寄贈されていた編み物の数々を、おかしな場所で発見したリィたちは……という本編の他、
サフノスク大学の古典図書館に出かけようとしたところ、派手な異様な一団を見かけたシェラ。彼らは図書館の前で陣取り、我らの神を待っているという。それはどうやらライジャ同様惑星トゥルークの僧侶たちであるらしいことから、彼らの目当ては図書館にいるルウであると推測したシェラは、彼に連絡を取る。図書館から出られずに困るルウ。
ライジャによると、その中心にいるんはライジャの師匠である、アドレイヤ・サリース・ゴオランらしい。先日、ライジャが、彼らの神である“大いなる闇”に遭遇したと手紙を書いたことが原因らしく……『お師匠さんが来た! 天使たちの課外活動外伝』を収録。

シリーズ第2作。課外授業を始めたリィたちのもとに、ライジャがプレゼントの派手な靴下について相談に。それが意外な方向に転がって…というお話。ビアンカは『ファロットの休日』に出てた子で、再登場。外伝のお師匠様の話は、時間的に本編の前にあたる話のようです。
お約束な展開満載で、何だか、もう水戸黄門のようなノリを感じる今日この頃(それが楽しいシリーズですが/笑)。

<12/4/24>