黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『昭和幻燈館』久世光彦(中央公論新社)

2012-04-05 | 読了本(小説、エッセイ等)
いつか隠れ家にしたいと願っていた同潤会アパート、職業軍人だった父そして軍服や制服への憧れ、人攫いに遭いそうになった幼少期の記憶と『ヴェニスに死す』、かつてどこの街にもいた狂女と少年の性、夭折した少女作家・久坂葉子への思い、そして消えゆく言葉への拘り……偏愛する、昭和という古き時代を彩る建築、音楽、映画等々、あれこれを語るエッセイ。

読みそびれていたのですが、久世さんの最初の著作だったようです。それだけに取り上げているものがかなり趣味全開(笑)。どこか仄昏く退廃的な印象と、各所に拘りの見える徹底した美意識が素敵。

<12/4/4,5>