黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『マリア様がみてる リトル ホラーズ』今野緒雪(集英社)

2009-08-13 | 読了本(小説、エッセイ等)
黄薔薇さまである由乃と姉妹になった菜々。由乃と同じ剣道部に所属した彼女は、部活の集まりにこない由乃を捜しに、薔薇の館にやってきた。
しかし、そこにいた白薔薇さまの志摩子と白薔薇のつぼみの乃梨子から、ここにはいないと言われ、乃梨子とともに校内を捜すことに……“リトル ホラーズ”、
入学早々インフルエンザにかかり、初登校が10日後になってしまった綿貫照。
彼女が休んでいる間授業のノートを作ってくれていた隣の席の日比野千波が、彼女の出席と入れ替わりに、海外へ病気の治療にいってしまう。そんな千波がやってくるのを心待ちにしながら彼女の為にノートを書いていた照は、突然、千波の席に現れた、夏蜜柑ほどの大きさの薄緑色の球形の物体に話しかけられた。それを“チナミさん”と呼びはじめたのだが……“チナミさんと私”、
むしゃくしゃした気持ちを抱えながら、公園に立ち寄った公弥は、そこで子供たちと遊んでいたという、同じリリアンに通う上級生らしい少女と出会う。彼女の笑顔で楽しい気分を貰った公弥は、彼女を探したのだが、見つからないまま1年が過ぎて……“ハンカチ拾い”、
ありさは、お姉さまである則香の喜ぶ顔がみたいと、ロックバンド・ホリーゴーラウンド(ホリゴラ)が所属しているレコード会社に叔父さんが勤めているといっていた同級生・真生子の言葉をそっくり真似して嘘をつき、つい自分の事のように語ってしまう。
そんなことから、則香に貸す為にホリゴラの限定版CDを真生子から借りたのだが……“ホントの嘘”、
リリアンで教師をしていた従兄が失踪し、その代わりの新任教師として着任した清水多子。副担任になったクラスで、見分けがつかないほどよく似た双子の久我姉妹…コハクとメノウに出会った多子は……“ワンペア”、
荘子の『胡蝶の夢』の如く、本当の自分が“おっさん”なのではないかという疑念に陥った周。思い余って友人たちにそれを相談してみるが……“胡蝶の夢”を収録。

祐巳たちが3年生になって、新たな薔薇姉妹たちの世代がスタート。
5つの不思議系のショートストーリーの間で、菜々視点の“リトルホラーズ”が展開している構成です。
“ハンカチ拾い”がちょっといい話♪
そして祐巳の<殺し文句>が……(笑)。

<09/8/13>