黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『野良女』宮木あや子(光文社)

2009-08-06 | 読了本(小説、エッセイ等)
派遣社員の鑓水清子は、彼氏がいなくなって約2年。 久々に股間に指を入れてみたら、血が。産婦人科へ行くと子宮内膜症と診断された。
そんな中、行きつけの居酒屋をきっかけに、オフィス機器リース会社の鈴木大輔と知り合う。何とか肉体関係に持ち込みたいと思うのだが……“尻の穴に座薬・鑓水28歳”、
お嬢様な美人秘書・朝日。鑓水の大学の先輩でもある。
オジンと呼ばれる年頃の男性と付き合うようになって4年。会社社長の彼になんとなく飽き、鑓水に誘われた合コンで29歳の畳職人と意気投合。ラーメンが食べたくなった朝日は、彼を連れて飛行機で鹿児島へ……“くちびるから松阪牛・朝日30歳”、
遠距離恋愛づいて10年以上の壺井頼子。現在は、カナダに恋人がいる。朝日は高校時代の先輩だ。
ある日、新潟の実家から電話があり、祖母が病院でいい人を捕まえたという。しかも自分のメールアドレスを相手に勝手に教えてしまったらしい。その後、谷村サンジというその男から、海づりとムエタイ式エクササイズについて書かれたメールが届いた。そんな彼にどん引きな壺井だったのだが……“太陽にぽえむ・壺井28歳”、
DQN男とばかり付き合ってしまう桶川は、保険外交員。しかし彼女自身もマゾ傾向である。鑓水の大学の先輩でもある。
ある日、出入りしている会社で横山という女性に保険について訊ねられた彼女は、その後、彼女が鑓水の友人であることを知る。
そんな中、彼氏の携帯に届いたメールを見てしまったことから喧嘩。そのまま彼がしばらく帰って来ない状態に。その後帰宅し、仲直りしたのだが、別人のようにパンチがなくなってしまい……“模型だらけの俺んち・桶川29歳”、
派遣社員・横山夏実が3年付き合っている相手は妻子持ち。しかし彼自身はその事実を隠している。
そんな恋愛に悩み、鬱気味な彼女は、製薬会社に勤める彼氏から強い薬をもらっている。
そんな中、妊娠していることに気づいた彼女は、2週間後の自分の誕生日に打ち明けようと決めたのだが……“曇りガラスの三十代・横山28歳”、
鑓水が幹事となり、朝日、桶川、横山、壺井で焼肉大会をすることに。
壺井はカナダに行っていたものの、帰国。そんな彼女は、朝日から秘書検定2級をとるように勧め、会社を辞める自分の後釜に据えようとしていた。鑓水は鈴木から結婚話を切り出されていたが……“愛して野良ルーム”の6編収録の連作短編集。

それぞれに悩みを抱えた、5人のアラサーな女子たちのガールズトーク全開なお話。
これまでの宮木さんからは考えられない感じの装丁の本で、最初読みはじめた時はギャグ?と思いましたが、みんな美人なのに、なかなか普通の幸せを得られない女性たちの姿が、ちょっと切ない感じでした(それでも前向きなので、救われる感じですが…)。

<09/8/6>