CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】泥濘

2018-11-24 21:20:34 | 読書感想文とか読み物レビウー
泥濘  作:黒川 博行

シリーズ単行本であります
イケイケヤクザの桑原と、しょーもないけど金が惜しい二宮による、
面白おかしいけど、よく考えたらえらい怖い
関西コテコテのヤクザもの小説でありました
今回は、桑原のイケイケっぷりが凄まじく、
流石にあかんやろと、思わずつぶやいてしまうような
凄まじい切った張ったがあっての結末で、
読みながら、身震いしたというか
その世界観に引きずり込まれそうになったのでありました
ここで書かれている関西弁というか、泉南言葉なのか
ともかく、それが伝染りそうになるわい

俺俺詐欺の金主だったり、歯科医を脅しての医療費騙しどりだったり、
それらを警察OBが作った組織が運用していたとか、
まぁ、なかなか、本当に関西ならありそうだなと
勝手な想像を膨らませてしまう恐ろしさがあるのだけども、
軽妙というか、もう、珍妙といいたくなる主人公二人のやりとりで、
ほんわかとは違うんだが、
下品な笑いを催しながらも、次々、サスペンスといったらいいか、
ずぶずぶよろしくない筋へと突っ込んでいくのが
楽しいような、怖いようなという読書でありました

相変わらず、相手を追い込む方法や、
なすりつける方法なんかが鮮やかというか見事で、
こうやって世の中、騙してすかして生きていかないと
のし上がれないのかもなぁと
あっけにとられるようでありましたが、
非常に満足した読書となったのであります

誰もいい奴じゃないんだけども、なぜか、相対的に見て
二宮の小市民的なところも含めて、愛嬌と受け取れてしまうのが
シリーズに毒されてきた感じなのかと思いつつも、
二宮ほど頭まわらない自分をかんがみつつ
これくらいはしがみついて生きようと
そんな意地でもない、人間の矜持みたいなのを思い起こされたりしたのでありました

まぁ、難しく考えることもなく
楽しく読んだと、それだけで十分だと思うのである
しかし、出てくる刑事にしろ、すべて悪党なのはどうなんだ
面白いなぁ


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