CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】まともな家の子供はいない

2018-10-20 20:55:29 | 読書感想文とか読み物レビウー
まともな家の子供はいない  作:津村 記久子

中篇とそのスピンオフ的な短編が編まれていました
家に居づらい、そんな子供が幾人も出てきて、
その子供たちの益体もない毎日が描かれていて、
世の中、色々な家庭があるよなと
思わされたりするのでありました

絶妙な会話劇は相変わらず見事なんだけども、
取り扱いが、親の不倫やら離婚やら、
反抗期的な内容も含めてというところで
いささか難しいというか、
どことなく、芥川賞っぽい雰囲気の物語なので
短いけど、みっちりちゃんと読まないと
頭に入ってこないというか、
なんか、独特の雰囲気だけが
脳内に漂うけど、それがなんなのか
つかめないまま読書が終わってしまい、
なんか気持ち悪いという感触だけ残ってしまう
なかなか難解な読書でありました

どこの家庭も何かしらあるんだよなと、
そういう他愛もないというか、真理といっても差し支えないものを
さらさら面白おかしく描いているところが秀逸でありまして、
その偏執的ともいえるほどの内面描写というか、
内面と台詞と行動との境目がなくなっているような
思春期にありがち、いや、人間にありがちなそれを
物凄く見事に文章化していて、
あー、そういうこと考えたりするな、あるある、
と思いつつも、面白いこと考えるなーと
のべつまくなし、つらつら思うままが連なり
なのに、特に読みにくいわけでもない
むしろ、共感が共感を呼んでいくようで
面白く読み終えるわけなんだけども、
その日常の裏側というか
実際は、あれこれあるのだとその対比ではないけども、
何かがくっきり読み取れたような気持ちになるんだが
やっぱりそれがなんなのか
言葉にできない、感想をメモれないというところが
この作者の見事な手腕だと
感嘆するのでありました

面白かったけど、ちょっと今回のは難しかった


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