CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

100年予測 世界最強のインテリジェンス企業が示す未来覇権地図

2012-10-26 22:02:44 | 読書感想文とか読み物レビウー
100年予測 世界最強のインテリジェンス企業が示す未来覇権地図
著:ジョージ・フリードマン

失敗百選が面白かったから、
100がついていると面白いかもしれない
そんな他愛のないことを思って
ついつい読んでしまいました
2009年に発刊された本ですが、
むこう100年、つまるところ、21世紀がどうなっていくのか
それを地政学という観点からつまびらかにした
なかなか面白い本でありました

結論というか、結局、21世紀がどういう世界かというと、
アメリカという覇権国家が蹂躙しまくると
まぁ、そういう話からはじまり、やがてそこに影が現れることで
21世紀は暮れていくといった感じの内容でありました
そういうと、ずいぶん大雑把すぎて
ちっとも面白くないのでありますが、
そもそもの根拠というか、示唆として、
かつての大戦とかがどういう経緯で行われたか、
そこで誰がもっとも得をしたかということが
細かに描写されます
アメリカという新興国家の成り立ちから、
前世紀のヨーロッパという、今となっては滅びたそれ、
その交代、世界の覇権を握るというのが
どのタイミングで、どう動いていたかが
なかなか歴史物として面白かった
そうか、そう見ていくとなるほどなぁと説得されてしまう

イギリスがドイツと戦うため、仕方なく、
大西洋をアメリカに明け渡したのが運のつきだった
そういうお話でありました
というか、ヨーロッパという大陸をめぐって、
ソ連、ドイツ、フランス、イギリスあたりが
共同体ではなく、争うという事態になったため、
そこからほどよく離れていて、
非常に恵まれた国土条件の国であるアメリカというそれが
覇権を握っていくのは自然なことであったと
まぁ、そんなことでありました

そっから、アメリカが世界を統治するという概念に移行しまして、
いかに世界国家であり続けるかと考えると、
アメリカはすでに勝っている状態なので、
それ以上勝つ必要がない、消極的作戦で、
うやむやの戦争が起こっても長期のプランとして
なんら影響がない
そして、ユーラシア大陸に極大の権力、強い力をもった
一つの国家というものが、統一されたそれが生まれさえしなければ、
ずっとアメリカは世界一でいられる
そんなわけから、各地の戦争はアメリカによって引き起こされ
ロシアとのいざこざなんかを抱えつつ、
21世紀序盤では、アジア地域で日本が(!)、中東でトルコが、
それぞれその力をもってして、
アメリカに挑戦するそれこれとなるでしょう

そんなことが書かれておるのでありました
まぁ、2010年代に何が起こるかというところで
アジアで、中国、韓国、日本の間でいざこざが起こると
考えてみれば、誰が考えてもそうなってるわなぁと
現在形のそれを書かれたりしているわけなんですが、
それも、アジアのどの国が一番になっても困るから
それぞれがうまいこと反目するように
アメリカが立ち回っているとかなんとかと
まぁ、陰謀論めいたそれも交えつつなのでありました

2030年代以降については、
技術革新と宇宙進出という分野に話が広がって
完全にSF、しかもデキの悪いSFといった内容になってしまい
荒唐無稽にすぎると思うのでありますが、
過去100年は、その端緒において、現在が荒唐無稽に見えると
そういう考え方もあるのかと思わされたりなんだったりで
まぁ、なかなか面白かったのでありました

最終的にメキシコが、最も強い国として
アメリカに挑戦するであろう的なことになっていて、
そこは本当にそうかもしれないねなんて
感じたりして楽しんだのでありました
こういう、嘘か本当かわからない論理立ては嫌いじゃないなぁと
にやにや読んだのでありましたとさ


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