CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】李登輝秘録

2021-01-02 21:37:03 | 読書感想文とか読み物レビウー
李登輝秘録  著:河崎眞澄

李登輝その人の政治活動を綴った本でした
非常に面白かった、そして、ちょっとした歴史だと認識している部分が
ついこの間なんだなと改めて思わされた
台湾とのつながりというものが、あるときに切れて、
そして、知らない内に繋がっていたような
そんな気分になったのでありました

台湾の民主化がうねるのが90年代というあたりだというのが
考えてみるとその時代自分は生きていたんだよなと
その頃まで、蒋経国が生きていたんだという事実に驚いてしまうのであった
88年頃までとのことだから、俺が10歳くらいで、
そんなときにニュースになってたんだろうか
考えてみれば当たり前なんだけど、ちょっとした歴史上の人物だと思ってしまったんだが
戦争から地続きなんだということを改めて思い出されるところでありました

台湾の歴史において、きわめて重要な228事件、白色テロ時代
このあたりが詳細に綴られていて大変興味深い
その時に、李登輝という人がどのように生きていたか
また、いかに強かな、頭の良い人であったかがわかって
凄くよかったのでありました
台湾で、賛否があると聞いていたが、その理由もよくよくわかるようで
実に不思議だ、凄い偉大な人だと思ってしまうな
自国の宰相だったらどうなのか、それはわからないのだけども

また、日本がビザ発給等を赦さなかったという
残念なこともあった、李登輝による演説の原稿も掲載されていて
この草案によって、八田與一さんの功績が広く日本でも知られるようになったのは
凄いことだと素直に感心したのでありました
また、この人の偉大さというものが、物凄く伝わってきてステキだ

台中で大きな地震があったということと、
そこで日本から派遣した救助隊の働きが素晴らしかったのと
そのあたりによって、日本の評判がまたよろしくなっていたというのも
それをそうだといってくれたであろう、当時の李登輝あってこそだとも
また思わされるばかりでありました
その返礼ではないが、それがあってこその
日本の東日本震災での台湾からの支援というのが繋がるのだと思えば
なんというか、ステキすぎると思ってしまうのでありました

この台中地震が大きなターニングポイントでもあったようで、
旧日本軍式といってもいいような、
現地での陣頭指揮に役立っていたというところや、
その地震によって台灣新幹線の強度問題が注目を浴びて
逆転して日本製になったとか
色々縁のあるところだったのだと考えさせられるのでありました
高度に政治的な配慮もあったのかなと考えてもしまうんだが
役に立っていたのだとすれば、こんな嬉しいことはないと
別に俺が何をしたのでもないが感じるばかりでありました

と、まぁ、語りだすときりがないくらい
台湾現代史というものを読むに匹敵する
李登輝氏の様々な歩みが見られて
大変面白い一冊でありました