CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

満員電車論

2006-03-24 13:09:27 | 雑感
今朝、関西に来て2度目くらいの
大ラッシュに巻きこまれました、ステキ

まだ名古屋に居た頃はしょっちゅう
朝の地下鉄ラッシュに巻きこまれて過ごしておったですが
こちらに来てからはずいぶん久しいこと
あまり混んでいない路線と、混んでいる時間帯を避けての通勤なので
よしなに過ごしておったんですが
久しぶりに強烈でありました

わたくし駅に到着した時点で
まずホームに到達できないという大惨事
どうも、事故があったらしく既に一時間前から
電車が運休といった状況で、いやんばかんやめてん
これは尋常ではないと戦慄したのでありますが
やってくる電車もことごとくすし詰め
というか、上から見ていると妙な揺れ方をしている
絶対定員オーバーやんけ
そう想いながらも、サラリーマン達は会社へと向かわなくてはならず
先を争ってその電車に乗りこもうと努力というか吶喊

わたくし、既に3本はあきらめるべきだなと
静観しておったのですが
少しずつ減ってはまた補給される客達の流れを見ながら
怒号と発車ベルの鳴り響く駅内はカオス状態
サラリーマン達は、皆同じ顔をしているというのが
とても無機質で印象的、おお、これが日本の現状なのだと
思ったかどうかはともかく
疲れた大人達の子供みたいな攻防戦が面白かったのであります

見ておりますと
やはりなんとしても行かなくてはならない人が
どうしてもいるらしく、怒号をというか静かなる怒りが(このあたりが大人)
もう1歩ずつ詰めてください!
まるで駅員のようなセリフだと感心したのですが
そのむなしい声が電車の中に向けられるが当然のように
微動だにしない群衆、それに怒りをこめて、さらに冷たい口調で響く
もう1歩ずつ詰めてください!
この圧倒的な無力感とやるせない感情はなんだろうか
思ったりしつつ、電車の窓から見える中では
知らない顔をきめこんだ人々が一心不乱にケータイに視線を落としているのが
ああ、これが日本の現状(もういい)

ともあれ、そんなことをしつつ何本もの電車が行き過ぎ
わたくしもそろそろと乗りこみました
言うても、まだ相当混んでいたのでありますが
30分も待てば順番で、ホームギリギリまで近づけるのであります

で、そのホームギリギリなのだが
乗り過ごした電車の時に、乗れなかった人々が
いわゆる、白線の外側に溢れておるのだが
これはなんというか、次の電車来たら死人が出るんじゃないか?
思うくらいの接近というか、崖(注:ホーム際)に立ち並んでおります
しかし、情け容赦を知らないJR西日本、すげぇスピードで
駅に突入してきます、当然、離れていく電車も
すげぇスピードで出ていったんだが、またそんな殺伐というか
ちょっと尋常ではない状況でも対応してしまう人間というか大人達
ああ、サラリーマンはすげぇ
日本のサラリーマンの忍耐力は、他国のそれを
3倍ほどしのぐと常々思っていたのだがほぼ間違いないだろうと
この優秀な飼われた人々を見て思ったのであります(注:俺含む)

話がそれましたが、ともかく
そんな状況でようやく自分の番がやってきていざ乗り込む
まず、先に下りる人が突撃してくるのだが
ここで、乗る側の先頭にいると
彼らと攻防をしなくてはならない
ここで、わたくし戦場を体験するのであります

一言で表すところの「やめろ押すなバカ」

後ろからくる味方(注:ある意味敵)に押されて、敵前に無理やり押し付けられ
そこと衝突、そして衝突してる間に私の脇から後続が
怒涛のごとく流れ込んでくる、ああ、まずい
こんな手前の方で止まってしまったら
また次の駅で無理やり下ろされてしまう
焦るわたくし、目の前でわたしにひっかかってしまったため
その後続連中に連れ去られるようにまた、下りようとした人が
引きずり戻されていく、ああ、可哀想に
その戻されていく人の悲痛な顔がステキ
誰か助けてください!
言わないまでも、サクちゃんのように叫ぶ声が聞こえてきます
哀れ、その後青年が降りれたのかはわかりません
私は、突撃を続けなんとか電車の奥まで入ったのでありました

その後、私の後続で、激しい攻防があった様子ですが
もはや、振りかえることすらできない混雑状況
わたくし真性のMなので、どんとこいな状況でありますが
流石に腰あたりに押しつけられたカバンが刺さって痛い
バカ、てめぇこういうときはカバンとか避けるもんだろう
ようやく動き出す電車のスローリーな具合が
戦闘の激しさを物語るようでありましたが、流れていく景色
まだ残っているホームの人々の表情
ステキな朝だわと、涙を禁じえないような感覚に襲われつつ
電車は次の駅へと向かうのであります

今度は移動する車内の攻防であります
ここでは自分がより確かな姿勢を保てるかどうか
そのスペースを確保するため、少しでも楽な姿勢で
フリーズするまでの戦いです
当然、周り全員がそう思っているので肩肘はってぶつかりあい
負けた方が罰ゲームのような格好で次の駅まで耐えないといけない
いや、勝ったほうがでるならいい、場合によってはどっちもしんどい
妥協という言葉は不快しか与えないという
人生の真理のひとつをここに知ることとなります
わたくし、既に戦闘本能が欠落していることと
力を抜いていると意外とよい結果に陥るという
流れるままに身を任せる戦法を経験上習得しておりますので
いかに、仕方なく他人にもたれかかるか、そんなことを考えつつ
ちゃっかり隣のおっさんによっかかって過ごしたのでありました
おっさんがみるみる赤らんでいくのがよくわかる
そんなにひっつかれて嬉しいかおっさん(違う)
我ながら酷いと思いつつも反省など戦場では無意味

かくして次の駅に到着したのでありました

わずか5分程度の休息のあと
次の戦いが幕を上げます
今度は、この駅で降りないといけない人が
俺よりも奥にいる場合であります
彼らも必死なので、まさに岩を砕いて先を目指した
ハンニバルの敢行軍の如く、奥から人がやってきます
ここでこの圧力に負けて少しでも引き下がったら最後
入り口付近で、また壁際の攻防戦を繰り広げなくては
ならなくなってしまうのだ
ここでのポイントは敵のために流しやすい方向を作ること
敵の目的は我々の殲滅ではなく、電車から下りることなのだ
だが、戦場では時折狂気こそが正義となる瞬間がある
彼らは降りるためなら、多少の犠牲はやむをえない
その犠牲を我々に強いてくるのだ
ここに屈服しては、大変なことになる
かつて、言いなりになったまま大成したものが居ただろうか
大坂城の外堀を埋めることを許した淀殿はどうなったか
わずかな妥協や、相手のわがままを許すことで身を滅ぼす事例は
枚挙に暇がないのであります(事例が間違っている)
ともあれ、彼らが我々を盾にして前へと進めば
道が開けると利用してくる、これをかわすためには一手
自分以外の盾役を与えてやればよい一瞬のひらめきが
行動を左右する、この短い時間だからこそ相手が
より流れやすい方向を作ってやるのがよいのだ
そしてなおかつ、敵が居た場所をわたしがのっとる必要があります

とりあえず敵が向かってくる、当然私にどけと言うばかりの視線
だが、どけるスペースはない、ならばと敵は私ごと押して出ようとする
ここで体勢が不利なため、ずるずる押されてしまう私だが
私は広い視野でもうひとつの動きを関知している
もう一方、別の方向から別の敵がやってくるのだ、
ここで初めて抵抗をする、少し押されることで自分の体勢を立て直し
踏ん張りがきくようになったら、この二方向の敵を
自分の横で激突させるのだ、ここで間違っていけないのは
自分の前ではいけない、自分の前では戦場が拡大した際に
巻きこまれる、挙句、二つの敵により押し出されることがある
敵同士を結びつけてはいけない、戦場では利害が一致することほど
共闘の意識が強まる事例はない、共闘を阻止し
この二つを激突させるのだ

今回はじつにうまいことこの二つがぶつかった
そしてどちらも前に出たがっている
どうやら、両者揃ってこいつより先に出ないとまずい
判断した様子だ、時間の経過に伴い
そういった強迫観念が彼らを支配していく
そしてその隙に、もっちゃりしている間に
片方が居たスペースが空いてくる、そこへ流れ込む私
完璧である、これが世に言う二虎競食の計である(違う)

実際はスペースがあくというよりも
私が無理やり、スペースを交換させたのだ
横に向かいつつあった敵の後方へ強引に身体を割りこませると
自然、相手は私の居た場所(前)に出られると思って移動
これで交換が完了する
その後はどうとでもなればいい、私はすぐに自分の場所を確保
陣地を得ればそこを治むるは必定
君主論にも孫子にも書かれたことであります

で、1度目の降車攻防をそつなくこなし
わたくし、また身を任せていたのでありますが
第2回の移動間争いにおいて、予期せぬ事態に見まわれます

なぜこのようなところにおるのだ

戦場にて武将がつぶやくセリフの上位50位に食いこめるであろう
予期せぬ来客へのはなむけ(違う)
目の前に女子高生がつぶされかけている
ここでわたしの脳裏に二つの危機が想定される
ひとつにこの小娘が苦しむところ
まわりはおっさんばかり、あきらかに湿気とおっさん臭が酷い
彼女にとってそこは地獄であろう、そして
その地獄の一端をわたしが担ってしまうのだ、勘弁してくれ
もうひとつに、痴漢と間違えられる
重要である、この身動きとれない状態
ヘタな格好でフリーズ状態に陥ってしまえば、気まずいだけでなく
小娘に生涯癒える事のない傷を負わせることになってしまう(言いすぎ)
しかも個人的嗜好から小娘にまったくそういう気分にならないのに
冤罪(まさに)をふっかけられた日には、私も深い傷を背負うことになる
これはいけない、これはまずい

が、しかしわたくし結局最悪の事態に陥る
正面でぶつかりあった上に小娘をつぶしている
そんなバカな
かつてチェーザレボルジアが教皇を選ぶ際に犯した
もっともいけない方法とおなじことをしたのだ
どちらの危機も避けられることができないなら
せめてどちらかだけでも避けるべきだったのだ
だのに

と後悔先に立たず、すげぇ気まずいまま
小娘はわたくしの正面で苦しそうにうつむくのである
しかもよくよく見ると手に包帯してるじゃないか
なぜ手負いの身で女身柄でこのような場所に
思うものの仕方なく、せめてものの抵抗として
小娘に体重をあずけないように
少々無理な体勢ながら、背中側のやや頭が寒そうなおじさまに向け
全体重をのしかけておいてみる、しかし雀の涙であります
ここで、体重をかけないようにしてくれるとか小娘理解して
わたくしに深い礼を述べるわけも、もしかしたら
ステキな関係に、そう出会いは満員電車でした的な何かとか
降ってわくわけもなく、
ああ、自分のブサイクさを呪うばかり(それも問題だが、本質が違う)

で、気まずいままもなんとか進み
次の駅に
そしてあろうことか、小娘が降りたがっている
冗談ではない、こんなところでもがくな、塞ぎたくて
塞いでおるわけではないわ
思うが伝わるわけもなく、なんとかしようと小さな身体を
もじもじとさせる小娘、仕方ない
ここでわたくしも策を講じるのであります

右に向かって押されたふりをして強引に身体をもっていく
ちょうど乗り降りの最中なので身動きがとれる
その体重を受けて右にいたおっさんは
わたしの圧力から逃れるため後退する
するとそのわずかにできた隙間にむかって
外から速くも入ってきた客が流れ込む、この客は勢いがある
そのまま、私と右側の人の間をさらに奥へと進む
ここだと、その背後にわたくしが入る
スペースがあいたところにまた別の外からの客が入る
外の客が入ったことで、扉側から押し出される人間が増えた
その隙間に小娘がもぐりこんで出ていった
入り口付近までいけば一人でもおろしたほうが
楽になると小娘の道が開く無事脱出
外からの客によってできる背後のスペースへ別の勢力を向けさせる
荀文若の策「駆虎呑狼の計」であります(だから違うよ)

と、そんなことに苦労しながら
いよいよわたくし降りる駅についたのでありますが
ここもまた戦場、先を行く人々が
傾れを打って駆けあがっていく、戦場で1番槍は
最高の武功でもありますが、その分リスクが高い
ここは少しやりすごしてから、やがて颯爽と上がる
そして最後の問題であります

これだけ数多い人間が移動するさなか、いかにして
改札口で手間取らないか、皆様知ってのとおり
朝の改札口は、ミスで止められる愚か者が多く
そのたびにその後続の流れがぴたりととまり
その溢れた人々によって、他の流れまで乱れる
ここは最速でつまづく人間のいないところに並ぶ必要がある

わたくしここは毎日の観察でなんとなくわかりました
ひとつ、あと三人くらいでのところなのにまだ手に定期がない人間
ひとつ、ロングコートのおっさん
ひとつ、ぶりぶり先を急ぎがちなおばさん
これらの後ろにいると、往々にしてひっかかる
しかも二つ前くらいでひっかかってくれれば
すぐに回避して隣のレーンに移動できるが
目の前でやられた日には後戻りもできないこととなる
わたくし詰まらないために、ICカード定期は絶対に持たないと
心にきめており、というか名古屋で使えないから
買うメリットがない(言いすぎ)のでありますが
すばやくつっこめるように、また
数少ない同士を探してその後ろにつく
そして運命の瞬間、わたくしの前の同士はスムースに
そして隣のレーンのICカード野郎が

ガゴッ

わたくし振りかえることなく、その場を後にしたのであります
彼がどうなったのかはわからない
わからないけども、戦場でのミスは命取りとなるのが自明の理
願わくば、彼の前途(改札)が開けますように
想い思いつつ、本日の朝、一時間の遅れをもって
出社したのでありましたとさ

長い割りにボケきれておりませんが
まぁ、二策のことが言いたかっただけであります
長々御愛読ありがとうございました