ケン坊のこんな感じ。
キーボーディスト、川村ケンのブログです。




2月2日のブログで、このJUPITER-8のことを書きましたが、覚えていらっしゃいますでしょうか。えーっと、写真は上から、にー、しー、ろー・・・七枚目ね

えっと、話の流れ上、もう一度、あの日の記事を、そのまんま抜粋します。ごめんね、何度も読ませちゃって(笑)。

 

『あぁ・・・(クラクラ)。

僕にとっては、・・・神々しいを通り越して、「神」と言っていい一品です。これは日本製で「JUPITER-8(ジュピター・エイト)」と言いまして、1981年に発表されました。当時の定価で、98万円という超高級機。しかし値段はさておき、何よりも「厚見さんのJUPITER-8」といえば、あのVOWWOW(←ヴァウワウ。高校時代、僕が部屋にポスターを貼って毎日眺めていた憧れのバンド)のキーボードサウンドを構築したメインの楽器といっても過言ではありません。VOWWOWと言えば、JUPITER-8、これは知ってる人なら誰でも知っている一般常識問題です(笑)。本当に美しい機材です・・・ウットリ(←わからないでしょうねぇ(笑))。

これは僕が「あれ・・・今どうなってます?もしここにあったら、良かったら、ひと目見せてください」とリクエストして、見せてもらった一品です。「あ、見たい?いいよー」と軽くOKしてくれましたが(笑)。そしてこのJUPITER-8については、とんでもない後日談が付くんですが、それはまた近々改めて・・・。』

 

でねでね

これが、あのJUPITER-8が、今、ほら、なんと僕の部屋に!盆と正月が一緒に来ても、ここまでビックリはしませんが、JUPITERが来たとなったら、もう。

 

・・・これは、舞うしかありませんよ(笑)。

 

 

実はあの日、厚見さんに、「あー、川村君、もし良かったら持って帰って使っててもいいよ。最近全然使ってないから。」って言ってもらってたんです。

「はぅうっ!まっ、まじすか!」

「うん、いいよ、色々触って、遊んだら?」

「ぅあああーーp9あd△kpgふぇs9pj4@」・・・とまるで言葉にならない感じで、ケースから出してみると、なんと、長らく使っていなかったせいで接点不良を起こしていたんですね。パパからもらったクラリネットじゃないけれど、音の出ない鍵盤がある。楽器は、特にこういう古いアナログ楽器は、触ってないと(電気ものは、電源を入れてないと)、やっぱり不具合がでるんですよ。生きてるみたいに、ちょっとスネるんです。

そこで、、あの日、知り合いの修理屋さんに修理に出しに言って、めでたく先日、修理が完了したんですね。そして、厚見さんから、「川村君、修理代金はもう僕が払っておいたから、好きな時に引き取りに行って、そのまま持って帰って使ってていいからね。」という連絡が

 

そして、今、僕の目の前に

 

ルックスもポップでカッコイイですからね、例えば最近でも、アリシア・キーズの昨年のグラミー賞受賞作「No One」のPVでも、彼女自身が弾いてますね(40秒辺りから)。古い楽器ですが、個性的でポップなルックスが今、またカッコイイんでしょうね。

音はね、80年代に世界中のアーティストに本当に良く使われてましたので、挙げたらキリが無いほど。YMOなんかのテクノでのサウンドはとても有名ですし、デュラン・デュランとかジャーニーなんかの英米80年代ポップ&ロックでもメイン機材にしてるアーティストが沢山いました。当時はキーボード・ブームでもありまして、物凄く沢山のシンセが発売されていた時期なんですが、実はJUPITER-8は、どちらかというと「軽くポップなサウンド」なイメージのある機材なんです。

でも厚見さんは、あえて当時、これをハードロックに持ち込みました。そして、山本恭司さんのギターとの相性が抜群だったのもあって、本当にキーボード界がビックリしたんですよ。めちゃめちゃ衝撃的だった、プラス、そのプレイスタイルも含めて、斬新だったんです。とにかく、VOWWOWのキーボード・サウンド言えば、JUPITER-8だったんです。

 

VOWWOWに関しては、もうどれを聴いても、JUPITERのサウンドは聴けるんですが、解り易いとろこで、二曲ほどご紹介しますね。勿論、VOWWOWでの、厚見さんのプレイから

1987年、イギリスで録音された(←当時、VOWWOWは日本からイギリスへ拠点を移して活動していたんです)「Don'T Leave Me Now」のPVから。

イントロからしてもう、JUPITER-8のアルペジオで始まります。曲中でも9割位が、JUPITER-8のサウンドで構築されています。映像でも、要所要所の厚見さんの手元のアップでJUPITER-8を弾いているのがわかります。かっこえーっすなー。

そして、もう一曲、こちらは当時のライブ映像から「Nightless City」という曲を。シンセのみならず、オルガンやピアノも駆使する厚見さんですが、こちらの曲でもやっぱりメインはJUPITER-8。そして注目は、2分40秒辺りからの、キーボードソロの映像です。厚見さんは、常に6~8台くらいの鍵盤を使っていましたが、いつだってJUPITER-8はステージ中央に向って、一番弾きやすい一番上にセッティングされていました。まさに、メイン機材ってわけですね。憧れましたよー

そして、この映像、ソロ終盤の3分3秒あたりから手元がアップになります。ここ、ポイントです(笑)。

・・・どうですか、今日のトップ写真でもおわかりの、黄色とオレンジのボタンの下に番号が書いたテープが貼ってあるのが見えますね。

そう、つまり。まさに。

この時の機材が、20年の時を経て、そのまんま今、僕の目の前にある、ってことなんですよ。どーですか、奥さん(笑)。

 

勿論、お預かりしているものなんですが、厚見さんに「引き取ってきましたよ。弾かせていただきましたよ。最高です。」って、メールをしましたら「そんなに喜んでもらえて、楽器にとっても幸せだと思うよ。弾いて遊んであげててね」って。

 

えぇ、えぇ、遊びまくりますってば。何して遊ぼっかー。あ、その前に、何か食べる(笑)?

 

しかしね、「家にドロボーに入られたくない」、とこんなにも強く思ったことは今までありませんでしたよ(笑)。JUPITER-8があるうちは、絶対に来るなよなー

 

・・・まぁ、できたらその後も来ないでね(笑)。たいして何も無いけど。・・・何のお構いもできませんので(笑)。

ではー。



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