映画が中心のブログです!

中島けんです。新しい映画や舞台の感想を中心に、大映の思い出、海外旅行・地元の話題などを写真付きで書かせていただきます。

映画 「悪党に粛清を」

2015年07月21日 | 日記

   

     去年のカンヌ映画祭で上映されて話題になった作品で、「007/カジノ・ロワイヤル」
     など国際的に活躍するマッツ・ミケルセンが主演し、スタッフもデンマーク人による
     西部劇です。

     1870年代、敗戦で荒れたデンマークから新天地アメリカへと旅立った元兵士のジョ
     ン(マッツ・ミケルセン)は、7年後、事業も軌道に乗ったので妻子をアメリカに呼び寄
     せます。

     しかし、喜びもつかの間、馬車に乗り合わせた無法者たちに妻子を殺され、ジョン
     は怒りのあまり犯人を撃ち殺しますが、殺した相手が町を仕切る悪名高いデラル
     ー大佐(ジェフリー・ディーン・モーガン)の弟だったことから、デラルーの怒りを買い
     否応なしに戦いに巻き込まれ、悪党どもに捕まってしまいます。

     なんとか逃げ出したジョンは大佐への復讐を決意しますが、一方で大佐の弟の妻
     マデリン(エバ・グリーン)も反旗を翻そうと狙っていて・・・。
     監督は「キング・イズ・アライヴ」のクリスチャン・レブリング、脚本に「ある愛の風景」
     「未来を生きる君たちへ」のアナス・トーマス・イェンセンのコンビ。

     私は予定に入れておらず、うっかり見逃すところだった作品です。決して珍しい題
     材ではないのですが、上記のようにオール・デンマーク人で作った言わば北欧ウエ
     スタンで、実に丁寧に作られていて映像がいいし、特にロングショットが素晴らしく
     て西部劇の雰囲気満点です。
   
     マッツ・ミケルセンは上手いというより彼の個性が光り、無口で行動的な主人公に
     なり切っています。エバ・グリーンの役どころがやや描き不足なのが残念ですが、
     彼女自身の個性は光っています。
     作品全体は殺伐なお話なのですが、それでも娯楽西部劇の様相を最後まで維持
     して見せてくれます。



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大映宣伝部・番外編の番外 (73) 大川 修さん

2015年07月20日 | 日記

  
       
     毎年開催される大映会ですが、一昨年は現在の角川大映撮影所、つまり昔の
     大映東京撮影所で開催されることになり、私も懐かしいのでそれこそ40数年ぶ
     りに撮影所を訪れました。

     その会でアメリカに在住している大川修が現れ、皆を驚かせたのです。昔に比
     べて歳を取ったのは当たり前ですが、大映時代と少しも変わらなかったのは、
     悪役が多い彼でしたが今でも元気で若々しいし、少し太ってはいますがニヤリ
     と笑う顔が相変わらずあの人懐っこい憎めない表情で、私も「ヨォ」と声をかけ
     て握手した次第です。
     ラストに一緒に写真を撮ろうと思っていたら、少し前にそーっと抜け出したそう
     で残念でした。

     彼は大映俳優研究所の12期生で、本郷功次郎と同期です。東京生まれの横浜
     育ちで本名はジェームス・ウォーカー。父親が英日のハーフ、母親が日本人です
     から彼はクォーターということになりますが、丁度東京撮影所にいた長崎出身の
     藤山浩二と同じく、少々毛色の変わった役でユニークな存在でした。
     お父さんも大川修一といって俳優でしたが、英国籍だったので戦時中は日本軍
     のの捕虜だった逸話もある父親です。
     大川修は撮影所では人気者でしたが主役は一本もなく、彼が演じる役は小悪党
     ばかり。それでも100本以上の作品に出ているし、大映には最後まで在籍した戦
     友でもあるのです。
     大映倒産後は可愛がられていた勝を頼って勝プロダクションに所属し、何本かの
     勝主演作品に出たほか、テレビにも多く出演しているので、名前は知らなくても、
     あの顔を覚えている人は多いと思います。



コメント (7)
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映画 「天の茶助」

2015年07月18日 | 日記

   

     「うさぎドロップ」以来、松山ケンイチと2度目のタッグを組んだSABU監督が、自身
     の書き下ろし小説を映画化した作品です。

     地上に生きる人間たちの人生や運命のシナリオを書きつづる天界の脚本家たち
     がいます。そんな彼らのお茶くみ係である茶助(松山ケンイチ)は、自分が不用意に
     発した言葉により天界のシナリオが書き換えられ、人間界で生きるユリ(大野いと)
     が交通事故で死ぬ運命であることを知ります。
     死ぬ運命になったユリを助けるため下界に降りた茶助は、ユリが暮らす沖縄に向
     かいますが・・・。

     主演の松山ケンイチに加えて、ユリ役にNHK「あまちゃん」の大野いとが抜擢され、
     脇を大杉漣、伊勢谷友介、田口浩正、玉城ティナ、寺島進が固め、「ORANGE RE
     NGE」のボーカル・RYOも映画初出演しています。

     公開当初にYahooの映画欄を覗くと採点が5点満点の4.29でしたが、至近で見ると
     2.94で、関係者が足掻いているのが判るような気がします。
     でも映画人だったら脚本を読んだ時点で作品の出来は読んでいた筈です。それが
     どうして製作され、しかも勿体ないくらいのキャストを組むことが出来たのか、不思
     議でなりません。
     ナレーションで物語は進行、まるで動く紙芝居で映画になっていないし、もう中身
     を云々する段階ではなく、独りよがりで自己満足の典型的愚作です。それでも面
     白い筈だと言うならどこが面白いのか説明してもらいたいくらいです。



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映画 「ゆずり葉の頃」

2015年07月17日 | 日記

   

     亡き夫・岡本喜八監督作品のプロデューサーを長年務めてきた岡本みね子夫人が、
     旧姓の中みね子の名を使い76歳でオリジナル脚本を書いて初監督した作品です。

     市子(八千草薫)が少女の頃に思いを寄せていた人は、今では国際的な画家となっ
     ています。
     彼の個展開催の記事を目にした市子は、思い出の一枚の絵を求め、軽井沢へ。旅
     に出た母を気にかけ、後を追う息子の進(風間トオル)。戦後の貧しさの中で、着物の
     仕立てをしながら過ごした若き日の母の想い、心に封印した母の想いを進は知らず
     にいたのです。

     軽井沢で画家の展覧会に向かいますが、職員から目当ての画は展示されていない
     こと聞かされ落胆の色を隠せません。しかし喫茶店のマスター(岸部一徳)をはじめ、
     ここに住む人たちのぬくもりに触れ、市子の心は次第にほどけて行きます。
     そんな市子に思いがけない画家・宮健一郎(仲代達矢)との出会いが訪れます・・・。

     年齢を美しく重ねた主人公の物語で、和服姿で軽井沢の大自然を巡る八千草薫、
     温かく彼女を見守る喫茶店マスター役の岸部一徳、視力を失っていた画家役の仲
     代達矢の三人が、抜群の味を出していてこれを見ているだけでも楽しいし、ほのぼ
     のとした雰囲気にひたることが出来ます。

     岡本夫人の脚本・演出は素人芸とは言えないくらい纏まっていて、まるで朗読劇
     を聞いているような優しい味わいがあるものの、台詞が日常会話ではないこと、
     時間経過が上手く処理されていない、物足りないピアノの演奏など、率直にいえ
     ば映画としての完成度は高いとは言えませんが、私的には監督の人生観に触れ
     たような気がしてとても好きな作品であり、辛口は避けたい心境で見終わりました。



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「日刊ゲンダイ」の取材を受けました。

2015年07月16日 | 日記
 
              ↑台風11号を飛び越えて・・・。
   
         集まって下さった映画仲間。

     この度、日刊ゲンダイさんが、「スタアのいた季節/わが青春の大映回顧録」を取
     材して下さると言うので、東京~福岡を台風を縫って往復し、先ほど福岡へ帰っ
     てきたところです。
     台風11号に追いかけられながら昨晩東京に着き、集まって下さった映画仲間の
     皆さんとおしゃべり会、とても楽しかったです。

     そして夜中は雨、今日は曇天で日刊ゲンダイの本社に伺い取材を受けました。
     大映の五人の男性を、本の内容と今回の取材でお話したことを加味し連載してい
     ただけるそうで、今月27日から五日間連続で連載だそうです。
     五人とは市川雷蔵・勝新太郎。本郷功次郎・田宮二郎プラス永田社長。日刊ゲン
     ダイさんがどのようにアレンジしてくださるのか、私自身がとても楽しみです。

     帰りの飛行機は飛んでも天候の具合で羽田に引返すか、長崎空港に着陸するこ
     とを事前に了解して搭乗するという、おっかない帰途になりましたが、なんとか帰
     福し、先ほど自宅にたどり着きました。自宅を出て帰りつくまで傘ひとつ開かなか
     ったのは私晴れ男の面目躍如です。


     本のことでは図書館で借り出そうとしたら7人待ちの状態だったとかの情報も入
     っていて、著者としては嬉しい限りですし、更に頂いたコメントを少々ご紹介させ
     ていただきます。どうかこれからも宜しくお願い致します。

     「熊本・米川均さんのコメント」
     こういうのを、一気読みというのでしょうか中島さんの本を只今、読了。永田雅一
     社長が、熊本出身だなんて、県民誰も知らない事実です。驚愕しました。
     本の中で触れられていた熊本城がみえるデパートの屋上での渥美マリさんです
     が、その百貨店も、周辺再開発のあおりで、閉店になりました。隣の交通センタ
     ーホテルも、閉まりました(昨日)多分、中島さんも宿泊された記憶の中にある筈
     の風景が、熊本から、すこしずつ姿を消して行きます。末期のダイニチも旧東宝
     プラザ地下で上映してました。今は、跡形も無くなり、郊外に東宝系はシネコンと
     して生き残り、歴史の残は、記憶の中で生きて行くのでしょう。
     映画史に残る一冊、ありがとうございました。大映京都スタジオにあった、「大魔
     神」像を久々に、思い出しました。

     「ある奥様のコメント」
     はじめまして。
     私は東京に住む映画好きな日米混血主婦です。ある方の紹介で「スタアのいた
     季節」を知り、アマゾンで購入しようと貯金しております。とても素敵な本ですね!




コメント (8)
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