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中島けんです。新しい映画や舞台の感想を中心に、大映の思い出、海外旅行・地元の話題などを写真付きで書かせていただきます。

映画 「ハードロマンチッカー」

2011年10月21日 | 日記

         

     「ハードロマンッカー」は下関市が主な舞台となって展開する、刹那的な
     暴力に生きる男と女チの痛々しい姿を描いた特異な作品です。
     監督は下関出身で「偶然にも最悪な少年」「THE 焼肉ムービー ブルコギ」
     のグ スーヨン。
     監督自身を描いたといわれる青春小説の映画化でもあります。

     下関には同監督が卒業した高校があり、「ツレうつ・・」の佐々部監督もその
     高校卒業で、今年は計らずも下関出身・同じ高校出身の2監督作品が製作・
     公開の運びとなるものです。
     下関でロケも行なわれていて、見覚えのある街の風景がかなり出てきます。

     物語の主人公グー(松田翔太)は、下関生まれの下関育ち。街を歩けば幼い
     ころからの顔なじみのヤクザ・庄司(真木蔵人)に危険な物を無理やりに渡さ
     れたり、刑事の藤田(渡部篤郎)に絡まれたりですが、朝鮮人・警察・ヤクザ
     に顔は広いけど誰ともつるまない一匹狼です。
     ある日、後輩の辰(永山絢斗)とマサル(柄本時生)が敵対関係にある高校生
     の家に殴り込んで大騒動となり、それを聞いたグーは事件の真相を求めて
     奔走するのですが、グー自身が渦中に巻き込まれて行くのです・・・。

     俳優は上記の他に、若手は遠藤要・渡部豪太・川野直輝・金子ノブアキほか
     で、加えてのベテラン陣は中村獅童・淡路恵子・白竜・渡辺大・真木よう子な
     どが顔を揃えています。

     仕事で下関に関与している私としては、この作品の感想を述べるのに苦慮し
     ます。いつも言うように誰でも好き嫌いや、作品の出来について百人百様だ
     からです。
     私ははっきり言ってこの作品は作者の狙いがよく判らないし、あまり好きでは
     ありません。
     でもこの作品に共感し、映画の新しい流れを歓迎する方々がきっとおられるは
     ずです。

     それ程喧嘩に明け暮れ、鉄パイプを振り回し、強がりのみで刹那の暴力に生
     きる若者の姿は生々しく描かれています。
     暴力という選択しか知らない若者たちの挽歌と言うか、まともな日常が少な
     い今の社会で、特に疲弊した地方の若者の心の痛みを上手く表現しているの
     かも知れません。
     監督はCMの世界で勝ってきた人だけに、所々にハッとするようなシーンを見
     せてくれます。俳優は松田翔太の一人舞台様相の大活躍でした。

     私なりに文句も少しばかり言わせてもらいます。
     この作品は普通に観賞する感覚では追いつけない傾向があります。グ監督の
     原作であり演出ですから、監督や仲間だけが判ればいいではなく、もう少し
     誰が見ても判りやすい物語とか人物の登場であってほしいし、下関が暴力に
     明け暮れているような印象がどうしても拭えません。
     それとロケで同時録音のせいか、セリフがよく聞こえないシーンが結構あり
     ます。(映画館では音量調整をするつもりです)
     繰返しになりますが、私の立場とすれば、少しでも多くのこの作品の理解者
     を求めて、そして訴えて行かねばならない作品だと思っています。
                                     (11月26日公開)

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