「お前のような悪党を乗せられるか!」と乗ったタクシーの運転手に罵られ、乗った
ばかりのタクシーから降ろされ、石を投げられたこともある俳優さんとは吉田義夫さ
んです。そのくらい彼の悪役俳優ぶりは万人の認めるところでしょう。
戦後はいくつかの劇団を経て昭和27年(1952)に東映に入社、東映時代劇で悪役ぶ
りを発揮します。昭和34年(1960)にフリーとなり各社に出演するようになりましたが、
松竹の「男はつらいよ」シリーズには連続出演、寅さんが最初に見る「夢シーン」での
常連悪役が評判でした。
大映では「悪名波止場」「座頭市喧嘩旅」「大怪獣ガメラ」「妖怪百物語」「ダンブ・ヒッ
プ・バンプ くたばれ野郎ども」「座頭市あばれ火祭り」「ガメラ対ヘドラ」などで大いに
暴れてもらいました。
もともと吉田義夫さんは京都市立絵画専門学校で日本画を学び、法隆寺昭和大修
理に技官として参加したように、本来は高校の美術講師が希望だったのが、どこでど
う間違ったのか俳優に転向した、だそうです。映画だけではなくテレビにも出るように
なり悪役がほとんどでしたが、テレビ映画「悪魔くん」では珍しく善人役を演じていま
す。悪役に悪人はいないの譬え通り悪人とは真反対の人で、晩年は京都の自宅で
油絵三昧の生活を送っておられましたが、昭和61年(1986)に急性心不全により75
歳で亡くなりました。
吉田さんの大映出演は少ないのですが、強烈な印象を残してくれています。
この人だと相手の主人公は引き立てられますよね。
4月1日の誕生日は、人が中々信用してくれません。(笑)
どんどん歳をとって行くのはあまり気持ちよくありませんが、誕生日だけは
嬉しいものです。有難うございました。
私が保育園の子どもの頃に観た吉田さんは、大映での「大怪獣ガメラ」の北極のエスキモー、「妖怪百物語」の地回りのやくざ役で強烈に印象に残っています(^。+;
(或る意味「ガメラ」や妖怪よりも怖かったです)
時代劇などの悪役ではこれでもかとばかりの徹底した嫌われる役作りでしたが、「悪魔くん」のメフィスト(兄)や「ウルトラセブン」のイワムラ博士みたいに、頑固だけど人の良い役も演じられてましたね。
吉田さんや天津敏さん等 悪役や悪者を演じられる役者さん達には「元教師」だったり教員資格をお持ちだったりと、意外と真面目な一面が見られて調べていくと面白いですね。
あ、一寸早いですが、お誕生日おめでとうございます。(^。+;
これからも益々お元気で、私達に映画の面白さや醍醐味をご教示くださいまし
ちなみに今日は大映「ダンブ・ヒップ・バンプ くたばれ野郎ども」にも出演された 毒蝮三太夫さんのお誕生日であります、この方も元気なんだよなぁ・・・(^。+;
大映出演はご紹介の作品ぐらいで、あまりご縁の深いものではありませんが、
私の大好きな悪役俳優さんの一人なので、敢えてアップしました。
「男はつらいよ」での吉田さんの登場は楽しみで
ご逝去後は、
うらぶれた人情味たっぷりの演技を見られなくなり
さみしく感じました。
布団まで剥ぎ取る借金取りの演技も最高でしたが、
ピンカートンの扮装の時などは、
妙に似合っておられてお腹がよじれそうでした。